借金は時効で消える・・・
4年前に、事業をしている親しい友人に頼まれ、運転資金として300万円を貸しましたが、全く返済をしてくれません。
事業が厳しいことは判っていますから、なかなか請求できるものでもなく、必ず返すと言ってくれている言葉を友人として信じるしかありません。
時効は10年であり、未だ6年程残っていますから、もしも返済してくれなくても、今、慌てる必要はないでしょう。
ところが、この4月1日の民法改正による時効期間の改正は、この考えを根底から覆すことになってしまいうのです。
4年前に、事業をしている親しい友人に頼まれ、運転資金として300万円を貸しましたが、全く返済をしてくれません。
事業が厳しいことは判っていますから、なかなか請求できるものでもなく、必ず返すと言ってくれている言葉を友人として信じるしかありません。
時効は10年であり、未だ6年程残っていますから、もしも返済してくれなくても、今、慌てる必要はないでしょう。
ところが、この4月1日の民法改正による時効期間の改正は、この考えを根底から覆すことになってしまいうのです。
『眠れる獅子』と呼ばれた清国を倒した直後に、今の民法が作られました。
今から120年前という気の遠くなるような昔に、民法は作られ、日露戦争も関東大震災も乗り越え、第二次世界大戦の敗戦を経ても、変わりなく活用をされてきたのです。
今とは比較しようもない環境で作られた民法が、発展を遂げた現代においても、同じように使われてきたのには驚くしかありません。
人権や意思の主張などしない時代に作られた民法ですから、権利ばかり主張する現在に合わせて、『意思能力』についても、今回の改正では大きく見直しをされました。
世界経済は、コロナウイルスに侵食されようとしているのかもしれません。
専門家の中には、未曽有の大不況であったリーマンショックさえも凌ぐほど、世界経済は悪化すると断言する者まで現れました。
たしかに、製造業をはじめとしたビジネスシーンの中心に存在する中国が、ほぼ機能不全に陥ろうとしているですから、世界経済に大打撃を与えても何ら不思議ではなく、この現実を我々は真摯に捉えなければならないでしょう。
債権に関する民法が4月1日から改正をされますから、万が一の可能性の高まったこの状況において、改正内容をしっかりと理解したうえで、不況への対策を準備しなければなりません。
コロナウイルスは、見慣れた街の景色さえも変えようとしています。
ここ数日で、私の通勤路である大阪日本橋から長堀橋にかけての堺筋は、閑散とした街になろうとしているのです。
大阪でも有数の中国人観光客が多い街なのですが、観光客の混雑で歩きにくいはずの通勤路が空いていて歩きやすく、ひっきりなしに出入りした送迎用の観光バスも、今はまばらにしか見られません。
当たり前のように、観光バスも中国人観光客も減少し、その影響は観光関連産業に限らず、無限に広がろうとしている様に思われます。
中小企業の経営者は、今回の民法改正について、最低限の理解が必要だと思います。
日常の業務に絡む、法定利息や保証人,時効,定型約款などが、時代に合わせて改正をされており、その影響は微小ではありません。
民法改正に関する専門書を読んだり、弁護士さんなど専門家のセミナーに参加したりして、企業経営者として大まかな改正内容の把握しておく必要があります。
そして、ただ概要を把握するだけではなく、今回の民法の改正に対して、どの様に対応すべきかについても、事前に検討をしておくべきではないでしょうか。
中小企業の経営者にとって、知らなかったで済む話ではないでしょう。
財産開示手続きなどの一定の手続きにより、債務者の貴重な資産が、債権者に把握されるようになってしまうのです。
この4月1日から、不動産も、預金口座も、場合によれば給料までも、その具体的な所在の確認が可能になってしまいます。
事業を維持するため、人生を確保するために必要な資産の把握が、民法の改正と共に可能になるのですから、債権債務処理に関わる方はしっかりと理解をしておく必要があると思います。
中小企業の経営者は、金融事故に陥ると、所有する資産は全て差押えされてしまうのではと不安になります。
不動産や預金口座,給料などの債務者の資産は、債権者の調査により簡単に把握されてしまう様に思えますが、実は、その手続きは難しく、現実的にはなかなか把握されるものではありません。
不安に駆られた経営者に対して、『どうやって、債権者に知られるのですか・・・?』と問いかけ、その事実をお伝えするだけで、その不安は喪失します。
しかし、今回の民法改正により、不動産などの資産の所在を調べ、差押えをして債権回収するという手続きが容易になろうとしているのです。
以前に比較すると、信用保証協会に対する、中小零細事業者の資金繰りの依存度は随分と低下したのかもしれません。
しかし、それでも、現実の中小企業経営において、信用保証協会の存在が不可欠だといえます。
信用保証協会の保証付き融資が、中小零細事業者の資金繰りの確保を可能にし、幾多の試練を乗り越えさせてくれたのであり、その現実は今も変わっていないでしょう。
しかし、金融システムが大きく変貌しようとする現在において、信用保証協会の保証付き融資の存在が、銀行など金融機関の与信能力を劣化させ、存在自身を否定されようとしているのかもしれません。
銀行などの金融機関は、貸付先が金融事故になると、どの様な対応をしてくるのでしょうか。
金融のプロとして、債権回収のプロとして、高い技術を屈指して、厳しい姿勢で債務者を追及をしてくる様に思えます。
しかし、現実には、銀行などのまともな金融機関が、最後まで直接に債権回収をしてくることはほとんどありません。
金融機関は、無茶な債権回収などしませんし、得をしない債権回収は回避しようとするのが現実なのです。
『信用保証協会に代位弁済されましたが、2億円程度の借金は、毎月100万円弁済して必ず完済してみせますよ・・・』
昭和の高度成長期であれば、こんなバイタリティー溢れる経営者は珍しくありませんでした。
目の前の若手経営者も、自信漲る笑顔で、この様に話してくださいます。
その若さとパワーの漲った前向きさには羨望しますが、知識の欠けた根拠のない強さには不安を感じるしかありません。