事業継続を諦めるタイミング・・・
経営危機では、諦めないことが大事だと、このブログで何度もお願いをしてきました。
強い意志を持って、諦めずに取り組めば、必ず経営危機は打開出来るとご紹介をしてきたのです。
ところが、もしも、中途半端な対応しか取れないのなら、諦めことの方が大事なのかもしれません。
経営危機では、諦めないことが大事だと、このブログで何度もお願いをしてきました。
強い意志を持って、諦めずに取り組めば、必ず経営危機は打開出来るとご紹介をしてきたのです。
ところが、もしも、中途半端な対応しか取れないのなら、諦めことの方が大事なのかもしれません。
今も、返済を続けておられます。
経営は、相変わらず厳しい状況だが、借りたお金は返済しなければと頑張っておられるのです。
しかし、この無理な返済に、果たして意味があるのでしょうか。
これだけ頑張って返済しても、負債としては増え続けているのです・・・。
たとえ、債務者である経営者が住んでいる家といえども、その所有権が経営者になければ、債権者は手を出すことはできません。
物上保証という形で担保権を設定することは物理的に可能でしょうが、自宅を守ることを前提に考えれば検討の余地はないでしょう。
債権者にとって、強制執行だけが唯一の債権回収手段となるのですが、強制執行は、債務者の所有する資産に対して執行できるもので、所有権が違えば執行できないのです。
自宅などの不動産を守るにおいて、『資産の名義が違う』という方法は、資産を守る3原則の中で最も効果的な方法なのかもしれません。
『資産の名義が違う』という方法には、大きな問題が存在します。
『資産に価値がない』にも可能性はあるのですが、詐害行為として疑われる可能性が、『資産の名義が違う』を活用して対策した場合が特に高いといえます。
たしかに、自宅を執られてしまうのでは・・・という不安を感じた状況で、自宅の所有権を変更するという行為は、詐害行為と疑われても仕方がないともいえるでしょう。
したがって、詐害行為の理屈をしっかりと把握したうえで、詐害行為として疑われないために、債務超過ではない状況で、正々堂々と自宅の所有権変更を実施することが肝要だと思います。
同時に、詐害行為ではないということについてのエビデンスをしっかりと確保して、いざという時にでも慌てないようにしてください。
詐害行為を恐れるよりも、自宅を守ることに優先して取り組むことが大事なのでしょう。
『資産の名義が違う』を活用して、自宅などの不動産を守る方法は、大きく3つに分類することが出来ます。
1.家族等に譲渡する
2.第3者に譲渡する
3.譲渡担保により所有権移転する
これら上記の分類ごとに、具体的にご紹介していきましょう。
まず、1の家族等に譲渡するについては、もっとも詐害行為の追及を受け易い方法かもしれませんが、もっとも信頼できるであろう家族に贈与する訳ですから、確実に自宅を保全できる可能性が高い方法でもあります。
ただ、家族等に譲渡するといっても、必ず税金の問題が絡み、それを考慮せずに実施すれば大きな納税義務を発生させてしまいますので、生前贈与を活用するのが効果的で゜しょう。
生前贈与を活用して、配偶者や子供たちに所有権を移転し、実際に相続が発生した時には保証債務の相続を回避するために相続放棄をするという流れになります。
活用できる生前贈与としては、以下の方法が挙げられますが、必ず税理士さん等の専門家と相談しながら進めるようにしてください。
① 暦年贈与
毎年、1人の相続人に対して、110万円までの贈与は非課税になります。
自宅を守るために活用するとすれば、暦年贈与契約を配偶者や子供たちと交わし、何年かをかけて少しずつ所有権を移転することになります。
時間がかかりますので、早い段階から計画的に実施する必要があります。
② 配偶者贈与
婚姻後20年を経過した夫婦は、居住する2000万円までの不動産について、無税で贈与することかできます。
2000万円を超える部分については贈与税がかかりますし、不動産の取得税も発生をします。
最も詐害行為を疑われる行為だといえますが、火急の状況においても可能な方法であり、他に手段が見つからない場合に検討すべきでしょう。
③ 相続時精算課税
今年から制度が拡充され、60歳以上の被相続人となるべきものが、成人の子や孫へ、2500万円までの資産を贈与することが出来ます。
税金が直接的に免除される制度ではありませんが、事前に所有権を移転出来る点において有効に活用できる制度です。
差し迫った段階においての活用も不可能ではなく、活用の幅が広いといえます。
次に、2の第3者に譲渡するという制度をご紹介します。
これは、関係のない第3者に譲渡してしまうことになりますが、その後も住み続けることが可能であったり、最終的に買い戻すことにより、自宅を守ったということになる方法です。
とりあえずは強制執行を回避するための緊急避難を実施し、落ち着いたら自宅を取り戻すという流れでご理解をください。
この代表的な方法がセール&リースバックです。
第3者に自宅を売却し、賃料を払って住み続けるという方法になります。
第3者が、状況を理解した知人であったり、何も状況を知らない善意の第3者であったり様々ですが、所有権が移転するという事実により、強制執行は回避することができます。
その後、そのまま賃貸で済み続けるのか、落ち着いてから買戻しをするのかは考え方次第でしょう。
他に、任意売却により、親族や信頼できる友人に譲渡する方法があります。
担保権を持っている債権者の同意が前提になりますから、詐害行為の可能性は無くなり、その後に家族名で買い戻すことも可能です。
また、状況を何も知らない第3者に売却して、ある程度の資金を確保する方法もあります。
これは、自宅を守ることはできませんが、最後に自宅を有効に活用したという事になるでしょう。
他に、自宅を守る選択肢がない、最終の選択肢として検討する方法です。
3つ目の、譲渡担保については、『資産に価値がない』と『資産の名義が違う』の中間の方法になります。
譲渡担保とは、債務者が完済するまで担保権者に所有権を移転し、その間も担保物の使用が認められる方法です。
あくまでも担保権の発生なのですが、所有権が移転することで強制執行はできないようになります。
10数年前に、資産の保全において多用され、社会的にも問題になった方法ですが、エビデンスを確保できれば、まだまだ活用できる効果的な方法だとも思います。
数回に亘って、詐害行為と自宅の保全についてご紹介してきました。
もっと具体的にご紹介しようとしたのですが、文章として容認される範囲は限られており、表面的な内容に終始してしまったようで申し訳ありません。
また、実際に全てをご紹介しようとすれば、1冊の専門書ぐらいの内容になることも間違いありません。
何の制約も受けない機会があれば、徹底的にご紹介しますので、今回は、この内容でお許しいただきたいと思います。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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どうすれば、自宅を守れるのか。
どんなに厳しい環境に追い込まれようとも、自宅を守ることの出来る、具体的な方法を考えてみたいと思います。
自宅を代表とする不動産を対象に検討することになりますが、考え方は極めてシンプルです。
資産の予防的保全の3原則に沿って、具体的な対応をするだけのことです。
難しいことを言わずに、自宅を守ることを最優先に考えてみましょう。
金融機関などの債権者のことを考えたり、偏波弁済や詐害行為がどうのこうのとか、そういう難しいことを考慮すると、厳しい制約を掛けられてしまいます。
たとえ、経営が破たんしても、経営者が自宅を守り、住み続けられる方法がないのかについて、目的を絞り込んで考えてみたいと思います。
そのように割り切って考えると、案外と方法は存在し、自宅を守れることに気づくものなのです。