サービサーは、金融事故になった債権を専門に回収する会社です。
債務者に忖度などせず、合法的な範囲の限界までを活用し、厳しい対応をするハゲタカの様なイメージがあります。
しかし、我々の現場事例から分析すると、サービサーの債権回収手段は単純であり、その傾向を知ることで対応は十分に可能になるでしょう。
サービサーに睨まれたら大変なことになると思われがちですが、彼らは金融事故対応のプロ中のプロですから。得か損かをベースに、無駄なことには取り組まない傾向もあるのです。
冬眠から目覚め、命の芽吹く春がすぐそこに・・・。
躍動しようと準備を始めたのは命だけでなく、春の訪れに合わせ、あのサービサーも動き出そうとしています。
コロナウイルス禍の長い冬眠から目覚め、今までの自粛分を取り戻すかのように動き出そうとしているのでしょう。
サービサーは、金融事故に陥った事業者の債権について、金融機関等から譲渡を受けた後、高い専門知識を持って債権回収をしてきます。
債務者としては、その厳しい取り立てに不安を覚えて当然だといえますが、彼らサービサーの債権回収を分析してみると明らかな傾向があり、それを理解することで対応は容易になります。
しかし、その事実をご存じないままに、不安に押し潰されそうになりながら、サービサーに翻弄されてしまうことがほとんどではないでしょうか。
失敗を知ることで、成功を知る・・・反面教師として、サービサーとの和解交渉に関する、悲しい事例をご紹介してみたいと思います。
知識が少しでもあれば、その結果は遥かに良いものになっていただろうという、後悔しきれない事例になります。
以前から交流のある、高級品の小売業を経営していた社長が来社されました。
今は、会社を任意整理されて、息子さんを社長にして同業種の別会社を経営されています。
任意整理をされた旧会社は、金融事故後に不動産などの資産は全て処理されて、今はサービサーに譲渡された無担保の債務と代位弁済された信用保証協会の債務が残っているだけです。
その社長曰く、債権者金融機関から紹介を受けた専門家の指導で、ビックリするような良い条件でサービサーと和解ができたと嬉しそうにお話しくださいます。
私も、興味をもって和解条件をお伺いし、たしかにビックリしました。
サービサーに債権譲渡をされた無担保の債務額は約7000万円で、和解額はなんと3000万円だということ・・・。
7000万円もの債務が、半額以下の3000万円を払うことで、なんと4000万円も免除してもらえたと社長は大喜びされていますが・・・。
たしかに、金額だけを追っていくと、随分と得をしたと思えるかもしれませんが、サービサーとの和解なのですから、無茶な和解条件で大損をしたという結果になるのです。
サービサーの債権譲受額は、高くても債権額の数パーセント程度ですから、それを原価として捉えるとサービサーは儲け過ぎで、42%の和解額はあまりにも高すぎるといえます。
特に、無担保の『無い袖は振れない』状況での和解ですから、普通であれば債権額の3パーセント以下ぐらいの和解であり、いくら高くても10%を超えて和解することなどありえません。
この事例のポイントは2つあり、1つは、あまりにもサービサーについての知識がなかったこと。
もう1つ、債権者金融機関から紹介を受けた専門家の指導で和解交渉をしたということですが、この専門家にサービサーの知識がなかったはずはありません。
金融機関ではなく、金融機関担当者個人の紹介の専門家であり、サービサーと組んで事前に絵をかいて、キッチリ嵌められたということになるのでしょう。
つい先日の事例ですが、怒りを通り越して、笑ってしまうしかない珍しい事例がありました。
自宅の住宅ローンが金融事故になり、サービサーに債権譲渡をされて、弁済が実施されないので訴訟になりました。
債務者はご夫婦2人であり、共にお仕事をされており収入も少なくはありませんが、教育費等もかかり生活に余裕はありません。
自宅は絶対に維持したいということで、裁判官に勧められるままに和解に応じたとのことでした。
しかし、その和解条件には驚くしかありません。
訴訟の対象となった残債額は2000万円ほどなのですが、それを2年間の24回払いで弁済するという内容になります。
毎月、83万円ほどを弁済するということであり、ご夫婦お二人の手取り収入よりは少ないですが、生活を考慮すれば、だれが考えても実現は不可能な和解条件だといえます。
ご夫婦は、裁判所が勧める和解であり、応じなければ自宅は競売になって住めなくなると恐怖を感じ、和解をするしか方法はないと思ったそうです。
しかし、裁判官もサービサーも、ご夫婦の収入を把握しているのですから、この和解が無茶な内容だということぐらい理解していたはずです。
実現不可能な和解を設立させて、結果として、破産に追い込もうとでもいうのでしょうか。
裁判官としての見識を疑うしかありませんし、サービサーにも人間としての感情をもって債務者と対応をしてもらいたいと思います。
自宅の実勢評価よりも債務額が多い状況ですから、自宅を処分することも視野に入れた前提で、再度、実現可能な弁済額でサービサーと交渉されることをお勧めしています。
あるご相談者は、サービサーから一括弁済ではなく、分割の弁済を求められました。
約束通りに弁済を続けてくれたら、遅延損害金は当然のこと、債務元本についても考慮するということだったのです。
十分に対応が可能な弁済額なので、この辛い状況を終わらせようと、毎月、優先して弁済するように努力されました。
ところが、元本返済が進んでも何の話もなく、元本返済終了を目前にしても何の提案もありません。
そして、当たり前の様に、遅延損害金の請求が始まったのです。
考慮するといった当初の話はどこに行ったのでしょうか・・・口約束でしたからどうしようもありません。
これがサービサーであり、彼らの話を真に受けて対応すれば、大変な結果になってしまうのが現実なのです。
サービサーと対応されるときには、まず、サービサーについて最低限の知識をもって、低額での和解のチャンスだということと、騙されないことを念頭に対応されることをお勧めしたいと思います。
そして、債務者の環境として、無い袖は振れない状況であるというのが、サービサーとの交渉の大前提だとご理解ください。
分割弁済は回避し、決しはて能動的にはならず、時間をかけて一括和解を目指すのが交渉の基本になります。
この条件が整えば、債務額の3%以下を目標とした和解交渉が可能になるでしょう。
翻弄されるのではなく、サービサーを手玉に取るつもりぐらいで対応してください。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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こんにちは いつもYouTubeを拝見させて頂いており知識を増やしている者です。
民法改正で第三者からの情報提供により不動産情報が入手しやすくなったとの事。その件で質問です。
債権者:住宅支援機構
15年ほど前、自宅マンション任意売却により1600万円のオーバーローン
毎月少額の返済をしていますが元金は減ってません 任意売却後の連絡先として実家の住所を教えました
当時は事業を行なっておりそのマンションとは別に倉庫として中古の一軒家を所有してました。現在はその一軒家に住んでいますが債権者へは特に知らせてはおりません
YouTubeでは、
裁判所命令により名前から不動産を特定できるとありましたが、その一軒家は銀行が2500万円の抵当権をつけています。
この場合二番抵当をつけますか?
また近々一軒家の残債を一括払いし所有権を他へ移すことも検討しています。
この場合詐害行為として訴えて裁判所が認定するでしょうか?
ちなみに、任意売却後は住宅支援機構からはなんの督促や連絡もありません
ご回答頂けたら幸いです
お忙しい中お手数をおかけしますがよろしくお願いいたします
お問い合わせをありがとうございます。
また、返信が大変遅くなり申し訳ありません。
コメントを見逃しておりました・・・。
一軒家については、存在を知られると、第二順位の担保を要求される可能性はあります。
また、その不動産評価が第一順位の担保残債より高ければ、担保要求される可能性は高くなりますし、場合によれば差押・仮差押えをされる可能性もあるでしょう。
詐害行為については、状況次第ですので、何とも言えません。
知られていないうちに、善意の第三者に、経済的合理性のある価格で譲渡すれば、詐害行為で追及される可能性は低いのではないでしょうか。
以上、ご返信が大変遅くなりました。