今年の景気は・・・?


 

毎年、その年の景気を、年頭において予想しております。

たいした経済的知識もない経営コンサルタントが、頭をふり絞って予測しても、なかなか当たるものではないでしょう。

しかし、経営危機打開という特殊なポジションからの予測は、他には見られない内容になっているかもしれません。

そして、結果的に、大きくは外れていないように思います。

 

 

ここにきて、経済は確実に回復をしてきているのかもしれません。

大手企業に限れば、70%の企業が景気の回復を実感しているそうなのです。

しかし、このコロナウイルス禍による景気は、今までの常識や経験則が通じないという特徴があります。

それも、不況という概念を、根本から覆すほどの不思議さがあるように感じます。

戦後の幾多の不況は、総体的に活性が低下し、デフレの傾向を示すという共通点がありました。

ところが、このコロナウイルス禍においては、株価は高値圏で動いていますし、地価も地域によって値動きは異なり上昇地も少なくありません。

企業の業績も、規模や業種で大きく異なり、一部だけ見れば好景気だといえるような状況にさえなっています。

実際、製造業を中心に、多くの大企業は業績を回復しており、その1次下請けなども、当然に引っ張られて、ある程度は業績を回復しつつあるようです。

その下の、2次3次の孫請けなども、たしかに業績は回復傾向を示しているのですが、資金繰りは改善していません。

収益の回復と資金繰り感覚とに、大きなズレがあるようで、これが問題になってきています。

小売業という業界で見渡してみても、企業規模の違いによって景気の感覚は大きく異なっている様なのです。

大手は、堅実に業績が回復させていますが、中小事業者は回復傾向にはあるものの、顕著な傾向にはなっていません。

当然、回復傾向にあるとはいっても、コロナ前とは大きな開きが存在したままで、資金繰りははるかに厳しいままなのです。

一体感のない不況・・・このコロナウイルス禍による不況は、そんな経験したことのない不況だといえるのでしょうか。

この、コロナウイルス禍においての中小事業者は、収益よりも、資金繰りを基本として業績を考える必要があるのかもしれません。

 

2年4ヶ月ほど前に遡ってみましょう。

アベノミクスや消費税増税の悪影響で、日本の景気はコロナ騒動が始まる半年ほど前から悪化をし始めていました。

中小事業者にとってこの傾向は顕著で、消費税増税を実施した10月以降は、経営環境の悪化を肌身で感じるほどになっていたでしょう。

しかし、この事実は、コロナウイルス禍のインパクトがあまりにも大きすぎて、ほとんど忘れ去られている様に思います。

そして、今、『コロナウイルス以前の状況』という言葉が良く使われますが、現在の景気環境が回復傾向だといっても、コロナウイルス以前の経営環境が悪化をしていた頃にさえも回復していないのが現実なのです。

中小企業は、さらに景気回復が遅れていますから、少しは業績を回復させたとしても、資金繰りを改善させるほどにはなっていません。

コロナウイルス過での、多くの中小事業者の問題は、大きな金融負債を背負ったことに尽きると思います。

突然に喪失した売上を補填するために、多くの借入をすることで資金繰りを確保し、事業を維持したのです。

本来の環境であれば、不要な有利子負債といえる借入になります。

今は、救済制度により、未だ、その負担は大きくはないでしょう。

元本返済の棚上げがあり、実質無利子という異常な好条件での借入だからです。

しかし、この好条件がいつまでも続くわけではありません。

さらに、借入の返済ができるほどに、業績の回復の目途が立っているわけでもないでしょう。

ところが、既に、元本返済が始まって、資金繰りに苦闘されている事業者は少なくないのです。

コロナウイルス禍により、コロナ融資制度が用意され、中小事業者が一気に融資制度を活用し始めたのが2年前の3月頃になります。

そして、今年の3月頃以降から、2年間の元本棚上げが終了し、元本返済の始まる中小事業者は一気に増加をします。

そんな事業者も、とても約束通りに返済できる状況にまで業績は回復していないのではないでしょうか。

それだけではなく、税金などについても、納税猶予の特例が既に終わり、国民の義務としての納税が再開をしています。

しかも、納税猶予の特例を活用された事業者は、滞納分と、新規発生分とダブルになりますから、その負担は並大抵のものではありません。

先日、2022年度の税収見込みは65兆円と過去最高の予測をしていると発表されていましたから、対応は難しいものになると思います。

さらに、雇用調整助成金という、大きな問題があります。

このままだと、雇用調整金助成金の特例措置が、今年の3月で終了してしまいます。

ご存じのように、中小事業者が、このコロナウイルス禍の厳しい経営環境においても、事業を維持できて雇用を維持してこれたのは、雇用調整助成金の特例措置に負うところが大きいといえます。

もし、この雇用調整助成金の特例措置が終了するとなると、体力の回復していない中小事業者が雇用を維持し続けるのは困難になるでしょう。

そうなると、街には失業者があふれ、消費はさらに落ち込むという流れになってしまいます。

他にも、様々な要素がありますが、この春以降、中小事業者にとっては、大変な経営環境に陥る可能性があるのです。

 

資金繰りが破綻すれば、事業者は倒産をしてしまいます。

このままであれば、中小事業者の資金繰りは春頃に一気に悪化し、倒産が爆発的に増加するかもしれません。

それを防ぐには、効果的な施策の実施が不可欠だといえます。

さぁ、どんな制度を、政府は用意するのでしょうか。

ここまでくると、経営改善の劇薬である債権放棄も、制度化される可能性があるのかもしれません。

中小事業者としては、この様な制度についての情報を得る努力をし、有効に活用することが求められる1年となるのではないでしょうか。

  

 

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