債権者も人間・・・


 

債権者も人間です。

金融事故を起こした債務者にとって、債権者は悪魔の様な存在に見えるのかもしれませんが、人間なのです。

金融機関やサービサーの担当者も機械ではなく、感情があり、損得抜きで考え動くところがある人間だという事を忘れてはいけません。

大事なのは、人として接し続けることであり、それが良い結果につながる不可欠な姿勢だといえるのです。

  

大昔、債権者は、経営者の命など考慮していませんでした。

大昔といっても、20年ほど前までの話ですが、貸付金を回収するためなら、金融機関はあらゆる手段を実施してきました。

貸し剥がしなど当たり前のこと、証拠さえ残らなければ詐欺的な表現を使うのも平気でした。

経営者や連帯保証人が破産しようが、夜逃げしようが、自殺しようが、債権者には関係のないことであり、債権を回収することが絶対的に優先されたのです。

この場合の債権者とは、消費者金融や商工ローンのことではありません。

大手の銀行をはじめとする、地方銀行,信金信組など、全ての金融機関のことになります。

特に、バブル崩壊後の債権回収は、目を覆うばかりの非人道的な取り立てが珍しくもありませんでした。

それが、不良債権処理が進み、連帯保証人問題の見直し等がなされるようになり、債権回収の実体も緩和をされるようになってきたといえます。

しかし、未だに、当時の厳しい債権回収が脳裏に刻まれ、金融機関に不安を感じる経営者も少なくはないでしょう。

もしも、そんな経営者が、金融事故を発生させると、債権者である金融機関に対して頑なな反目の姿勢を取られることが珍しくありません。

債権者である金融機関を敵として認識し、バリケードを築いて、前向きな対応どころか対話さえ拒否されてしまうのです。

これでは、何の解決にもつながりません。

ある専門家は、ご相談者に対して、徹底的に債権者金融機関を敵として認識させ、交渉さえ拒否するように指導をされました。

専門家自身が、ご相談者の会社の代表取締役に就任されて、債権者金融機関と交渉される様ですから、合理的で合法的であるかのようにも見受けられます。

ところが、ご相談者に成り代わり、その専門家が代表取締役として債権者と前向きに交渉するのではなく、債権回収を拒絶し債権者を否定(罵倒)される様なのです。

専門家の関係者にお伺いすると、その交渉内容は根拠があって理屈が通って、痛快な内容だということです。

そう、債権者を、完全に敵とし認識され、言いたいことを主張されているのでしょう。

借りたお金を返せないという、債務者の立場など全く考慮せず、ただ、こちらの理屈を押し通して、返済しないという主張をされるのですから、債権者の腹の中は煮えくり返っていることだと思います。

迷惑をかけた債権者を、これほど明確に敵として認識し、無茶に扱って事が進むのなら、法律など不要なのかもしれません。

案の定、この専門家は、様々な罪で逮捕をされました。

それだけではなく、ブレーンも逮捕をされたり、相談をしていた事業者が経営破綻や第3者破産に追い込まれた事例も少なくありませんでした。

金融事故の被害者は、債務者ではなく、債権者なのです。

信頼を基に、融資した資金が回収できなくなったうえに、債務者から『敵』と認識されて、誠意のない対応をされれば、債権者も人間として感情をむき出しにするしかありません。

 

債権者といえども、人間であり、債権回収よりも、道義を優先させることも少なくありません。

あるご相談者は、金融機関から実家を担保に融資を受けていましたが、経営破綻により金融事故を起こしました。

担保権を持った債権者金融機関は、当然のごとく、実家を処分して債権回収をしようとしてきます。

ところが、その実家には、年老いた母が一人で住んでいました。

年相応の体力の劣化はありますが、頭はしっかりしておられ、実家で死にたいと切望されていたのです。

債権者は、当初は任意売却を勧め、対応しないなら競売をすると通告をしてきていましたので、実家を守るのは無理だろうとご相談者も捉えていましたが、駄目もとで、ご高齢のお母様の話をすると、以外にも、債権者は前向きに対応をしてくれました。

年老いたお母様は、このまま実家に住み続けてもいい。

ただし、お母さまが亡くなられたら、実家は任意売却で処分して弁済をすることと、それまでは、毎月一定額を弁済するという条件になります。

ご相談者にとって、不満などあるはずのない有難い条件であり。これでお母さまを安心させることが出来ます。

この様な事例は、特殊な事例ではなく、珍しくもありません。

債権者といえども、ご高齢者や身障者に対して、人としての配慮を欠くことなど、逆に珍しいといえるでしょう。

政府系の金融機関や信用保証協会などは、特に、驚く様な配慮・・・ある意味『便宜』・・・を見せてくれることが少なくないのです。

 

債権者は、敵ではありません。

迷惑をかけているのですから、債務者として誠意のある対応は不可欠なのです。

債権者は機械でもありません。

人間としての感情があるのですから、人として対応する必要があるでしょう。

債務者としては、債権者に対して、誠意をもって対応をしなければなりません。

迷惑をかけているのですから、精一杯の謝罪から入るのは当然のことなのです。

そして、債務者としての現況を、債権者に具体的ご説明する義務があります。

たとえ、生活に困窮している状況でも、実態は、債権者にお伝えすべきだと思います。

そのうえで、今後の弁済について、出来る限り話し合いをしてみてください。

もし、弁済できる状況になければ、正直にお願いして、待ってもらうことも必要でしょう。

債権者も人間であり、これだけ誠意ある対応を尽くしているのですから、協力してくれる可能性は低くありません・・・。

 

 

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