経営者のプライド・・・


 

気難しくてプライドの高い経営者が、中小企業にも少なくありません。

食べ物も、ファッションも、車も、全て高級品で揃え、何でも一流でないと気が済まない様なのです。

中小といえども、企業の経営者なのですから、健全な環境においてはそれも許されることなのだろうと思います。

ところが、経営が厳しくなったときでも、意味のないプライドが邪魔をして、環境に合わせた変化をしようとせず、最悪の結果に導く経営者も少なくありません・・・。

 

経営危機に関するセミナーをする時、必ず最初にお伺いする質問があります。

陳腐な質問になるかもしれませんが、『どの様な車に乗っておられますか・・・?』ということになります。

冒頭において、少し時間をかけてお伺いするのですが、さすがに経営者ですから、ベンツなどの高級外車に普段から乗っておられる方が少なくありません。

逆に、随分と高年式の大衆車や軽四輪を愛用されている方も少なくないのが面白いところです。

何のために、この様な質問をするかというと、経営危機に取り組む経営者の姿勢を確認するためになります。

 

中小企業の経営者の生活は、経営環境に大きく振り回されるものです。

経済が好転して、経営状況も順調であれば、経営者という地位を思う存分に活かせばいいと思います。

経営者として苦労され、好業績を創出されたのでしょうから、高級な食事やファッション、そして豪華な車や旅行などを存分に楽しまれればいいのです。

ただ、それは健全な余裕のある経営状況だからであり、状況が変われば、当然に経営者の姿勢も変化させなければなりません。

セミナーの冒頭で、『どの様な車に乗っておられますか・・・?』とお伺いするのは、この変化について経営者が認識をされているかを確認するためです。

当然、普通の経営に関するセミナーではなく、経営危機というテーマのセミナーでの質問であり、ご参加くださった方は経営に不安を抱いておられることが前提になります。

自ら先頭に立って、経営改善などに取り組んでおられるご参加者も少なくはないでしょう。

中には、具体的にリストラに取組み、従業員さんの給与や賞与などにおいて無理をお願いされているご参加者もおられると思います。

また、これから従業員さんと一丸となって、経営の立て直しに取り組もうと考えておられるご参加者もおられます。

様々な状況のご参加者ですが、共通点は、骨身を削って事業の再生に取り組むということではないでしょうか。

そんなご参加者の、進捗状況や意志を確認するために、『どの様な車に乗っておられますか・・・?』とお伺いしているのです。

経営に不安を感じ、これから事業再生に取り組もうという経営者であれば、今まで通りの高級車に乗っておられても不思議ではありません。

しかし、具体的に経営改善に取組み、労務面でのリストラを実施されている様な状況であれば、こんな贅沢は許されません。

従業員さんに、経営状況が厳しいという理由で、共に再生に向けて頑張ってくれとお願いする段階であれば、まず経営者は身を律する必要があります。

更に、全社的な無理・無駄の見直し,賞与のカットや給与の抑制などのリストラを実施する様な状況であれば、経営者がどの様な姿勢を取るべきかは明らかだと思います。

この様な状況で、未だ、経営者がベンツなどの高級車に乗っている等というのは大きな問題になってくるでしょう。

経営者だけは今まで通りに贅沢を続けているといるのに、従業員さんには、事業再生に向けて散々に無理をお願いするというのでは話が通じません。

率先垂範、まず経営者が、プライドを持って事態に対応し変化すべきだと思います。

ベンツから大衆車に乗り換える・・・といった姿勢は不可欠ではないでしょうか。

過去のご相談者を見ていても、この変化を実践できた経営者は、良い結果を得ておられている様に思います。

早い段階で、経営者として必要なプライドを認識し、自らを変化させた経営者は、従業員の協力を得られ易くなり、当然に良い結果を得られ易くなるようです。

 

経営が厳しくなってくると、経営者だけではなく、従業員も不安になってきます。

会社の経営状況さえも具体的に把握できていないでしょうから、経営者の後姿を追いかけるようになります。

経営者がどの様な姿勢で、何を考えて対応していこうとしているのかなど、経営者をしっかりと観察する様になるのです。

その様な状況において、経営者は全力で方向性を明確にするとともに、自らの意思を明らかにしなければなりません。

そうするのが、経営者のプライドであり、経営危機での経営者の責任だといえるでしょう。

そのためには、従業員への明確なシグナルが必要になり、その効果的な手段が経営者の車だといえるのです。

『車好きの社長が、ベンツを売って大衆車に乗り換え、再生に向けて頑張るというのだから、これは本気だな・・・』
『よしっ、我々も全力で取組もう・・・』と、この様に思ってもらう必要があります。

間違っても、『ベンツを売却して資金化しないと駄目な程、会社の経営が厳しいのなら、もう駄目だな・・・』と、思われない様に気を付けてください。

 

経営者のプライドとは、豪華な生活をして、金持ちだと思われることではありません。

中小企業といえども一国一城の主として、適正な収益を確保して、従業員などの関係者の生活を豊かにして幸せにするという、経営者の責任を実現しようという意思なのです。

その時の最善を結果として求める、経営者の『誇り』がプライドといえるのかもしれません。

経営環境が変化すれば、経営者は最善の誇りを求めて、プライドも変化させる必要が
あるのでしょう。

 

 

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