事業を治療する方法・・・


 

もう、どうしようもないことが判っていただけません。

このまま、事業を続ければ続けるほど、間違いなく状況は悪化していきます。

その結果、最悪の選択をするしかなくなり、従業員や取引先などの関係者に多大な迷惑をかけることになるのも判っているのでしょうが、未だ、何とかなると方向を変えようとはされないのです。

経営者にとっては、このまま続けるのが精神的に楽であり、再生など不可能な状況であろうとも、次の展開に移るだけの勇気が不足しているのです。

 

 

事業再生や経営危機の打開に取り組む場合、まずは内科的な治療に取り組みます。

それで事業の再生が達成して完治すればいいのですが、駄目な場合には、次に外科的な治療に移ることになるのです。

事業を守り維持するためには、この流れで取組むことが基本になりますが、この内科的治療と外科的治療についてご説明したいと思います。


①  内科的治療とは

事業再生に取り組む場合、多くの経営者は経営改善を連想されるのではないでしょうか。

たしかに、経営が厳しくなった初期の頃、資金繰りの確保に取り組んだり、経営改善として収益確保や経費の圧縮に取り組むことになります。

我々は、これを『内科的治療』と呼んでいます。

診察として現在の経営状況を正確に把握し、治療として経営改善に取組み、薬として資金繰りの確保をするということになるのでしょうか。

事業者としての体質や能力を改善しようという取り組みですから、内科的治療ということになります。


② 外科的治療とは

再生(完治)を目指して内科的治療としての経営改善に取り組んでも、成功する可能性は決して高くありません。

むしろ、経営改善に取組むことで、経営体力を劣化させたり、収益性を落としたりして、経営状況を悪化させてしまうことは多いといえます。

そんな時、内科的治療から外科的治療に転換する必要があるのです。

ここまで書くと、外科的治療とは、破産をすることなのかと思われるのではないでしょうか。

しかし、破産というのは、死亡するという意味になるでしょうから、外科的治療には該当しません。

慢性赤字という悪性腫瘍を、経営改善という内科的な治療をしていましたが、回復しないために、手術という事業譲渡などをして外科的な治療を実施しようということになるのです。

・・・事業体の形態をそのまま治療するのが内科的治療。

・・・事業体の外形や内部の形態を変更するのが外科的治療。

この様に考えれば判りやすいかと思いますが、外科的治療は事業・・・命・・・が生き残るという目標のために、様々な取り組み方法が存在します。

事業の一部譲渡から、会社分割,株式譲渡,プレパッケージ型民事再生,場合によれば、事業の生き残る破産なども含まれると思います。

現在の事業体(会社など)は、譲渡されたり分割されたり、整理をされたりして形態が大きく変わることになりますが、事業・・・命・・・は、守られ維持し続けられることになります。

判りやすく表現すれば、事業さえ生き残らすことができれば、立派な完治だといえるのです。


③ 内科的治療から外科的治療への転換が難しい

今まで内科的治療をしていましたが、良い結果が得られないので、外科的治療に転換しようとするのは、様々な事例を見ている限り簡単なことではない様です。


他の複数の専門家にご相談されてから、思うような結果を得られないので、私どもにご相談に来られる経営者は少なくありません。

そんなご相談者のお話を聞いていると、専門家のアドバイスに、ある共通点があることに気づきます。

それは、専門家のアドバイスが、会社の経営維持をターゲットにしているということになります。

会社などの事業体を、そのままの形態で維持するためのアドバイスであって、事業の維持や従業員の雇用,経営者の生活などについては、ほとんど考慮されずアドバイスされていないのです。

事業再生の専門家なのに、事業ではなく、事業体・会社の再生を目指して、内科的治療についてアドバイスをされています。

したがって、経営改善などによる再生にこだわり続け、経営状況がさらに悪化しようとも、引き際や転換のタイミングなどもつかめません。

延々と、内科的治療を続けるしかありませんから、最後には資金が底をついて対応不可能となり、最終的に弁護士を紹介する(・・・破産)という最悪の結果につながることが多いのでしょう。

また、冒頭でご紹介したように、事業経営者ご自身も、内科的治療から外科医的治療に移行するのは抵抗があるようです。

移行の判断ができないのか、現状を変化させることに不安なのか、知識がないために踏み込めないのかなど様々な理由があると思いますが、経営改善という響きの良い手段に身を置き続けようとされます。

経営改善に取組んでいるということで、再生を目指して努力しているという納得と満足、そして経営者としての不安を解消してくれるのかもしれませんが、再生できるはずもない状況であれば全く意味などありません。

その状況が続けば、当然、経営者が、望むべき結果を得られるどころか、最悪の結果につながる可能性が高いといます。

 

内科的治療から外科的治療への移行が、簡単でないのは事実でしょう。

経営改善が成功しないという判断が必要ですし、このままでは駄目だという決断の中で、次の外科的治療という最低限の知識も必要となります。

そして、何よりも移行のタイミングが大事であり、外科的治療の結果を決定づけるといえるでしょう。

早くに外科的治療に着手すれば、事業を維持することは難しくありませんし、良い結果につながります。

逆に、状況は悪化を続けているのに、いつまでも内科的治療に拘っていては、最悪の結果を目指しているようなものだといえます。

経営者として、自分の分身である事業体(会社)を、外科的治療でメスを入れるのは辛いだろうと思いますが、そのまま放置すれば死亡・・・破産・・・するかもしれないのです。

ここは、経営者の責任において、適格な判断をしなければならない場面だと思います。

 

 

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