不況時の昇給手段・・・


 

この不況時、雇用を維持するだけで精一杯であり、昇給をする余裕などないのではないでしょうか。


しかし、こんな環境でも、本当に頑張って結果を出してくれている従業員もいるのです。


何とか昇給をして、頑張る従業員には報いたいと思うのですが、財務的に余裕がありません。


そんな時、成果報酬制を昇給の手段として取り組まれてはいかがでしょうか。

 

高齢の経営者のご相談内容は、少し特殊な内容でした。

『先が見えない厳しい経営環境でも、従業員は不平も言わずに頑張ってくれている。

しかし、資金繰りが容易ではない経営状況で、賞与は大きく減額し、昇給もストップしている現状です。

こんな状況で、頑張る従業員に対して、昇給を実施する方法がないだろうか・・・。』とのご相談です。

これに対するご提案は、『成果報酬制』の導入しかありません。

ご相談の会社は、請負業であり、従業員が営業から企画,製品化,売上管理まで一括で担当をされており、成果報酬制を導入するには理想的な業容でもありました。

早速に、実行予算管理に始まり、粗利益を中心とした評価ポイントを作成し、成果報酬制導入に取り組むことになりました。

従業員への説明会は私が担当し、『この厳しい経営環境で、昇給により、従業員の頑張りに報いたい』という社長の意志を伝え、成果報酬制導入についてお話をさせていただきました。

普通、成果報酬制の導入といえば、収入が減らされるという思いを抱く従業員が少なくありませんが、この会社は違います。

給与変動のシミュレーションについてご説明をしても、誰からも否定的な意見などでず、社長を信じてお任せするとのことです。

労使一体となっての取組みですから、導入までスムーズに進み、成果を確認できるまで長い時間はかかりませんでした。

この会社の場合、毎月ごとに成果を還元する形態になったのですが、多くの従業員の報酬が増加することとなり、高齢経営者のご相談について結果を出すことができたのです。

ただ、それだけではありません。

従業員の報酬以上に、会社の売上も予想を超える増加をしました。

それにつれ、当然に業績も改善し、資金繰りも楽になったのです。

会社は経営者次第といいますが、この老練な経営者は、従業員から全幅の信頼を得ていることをベースに、成果報酬制を導入することで、僅か十か月程で経営改善を成し遂げたられたといえます。

 

成果報酬制の導入に、失敗された事例も、複数見てきました。

それら失敗事例には、いくつかの共通点があるように思います。

一つは、適切な説明をしなかったために、従業員が前向きに協力しなかったということが挙げられます。

経営者が信用されていなかったのかもしれませんが、成果を適正に評価して報酬を支払うという基本が理解されず、雇用面のリストラの一環としての報酬減額と捉えられてしまったのです。

着手時において、成果報酬制について徹底的に理解を求めるという手続きは不可欠だと思います。

もう一つは、評価ポイントの設定ミスが挙げられます。

具体的には、売上だけを対象に評価ポイントを設定しため、利益が低下したことにあります。

利益を低く抑えれば受注しやすくなるため、売上を確保するために粗利益率を考慮しなくなり、売上は増加したが粗利益は減少してしまったということです。

この二つの、失敗につながる共通点を防ぐためにも、以下の基本的な考え方を理解していただきたいと思います。

① 成果報酬制度の導入目的は、従業員の努力と結果に対して正当な評価をすることであり、厳しい経営環境でも実質的な昇給を実現することにあります。

② 成果報酬のシステムとして、評価スパンの設定,粗利益率をからめての評価ポイントの設定を実施する。

③ 受注ごとに実行予算書を作成し、売上金額や業種等の特殊性を考慮して、目標粗利益率を設定したうえで評価ポイントに反映をさせる。

④ 正確な損益分岐点額を把握し、その金額を基準として、営業担当社員に売上目標額を割り振る。

以上が、基本的な考え方になります。

 

私は、成果報酬制の導入をお勧めすることがすくなくありませんが、不況時にこそ、積極的に取り組まれるべきテーマだと思います。

成果報酬制というと、雇用する側の事業者は手間暇がかかり面倒だと考え、雇用される従業員側も常に成果を検証されて実質は減給になるのではというネガティブなイメージがあり、その導入は簡単ではないようです。

しかし、現実は、理屈を理解して取り組めば、それほど難しい制度ではありません。

何よりも、経営環境に関係なく、実質の昇給を勝ち取ることのできる制度であり、結果として自然と業績を向上させることのできる『魔法の手続き』だといえるのです。

  

 

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