倒産増、6月危機説・・・


このコロナウイルス禍は、経営者にとって地獄の環境なのかもしれません。

経営者としての資質も、経営努力さえも効果を発揮することのできない、実体の掴めない経営環境だといえるのでしょう。

ただ異常に経営環境が厳しいだけで、将来の展開さえも予測できず、不安で眠れない経営者も少なくないだろうと思います。

この春頃から、倒産が激増するだろうともいわれていますが、実際はどうなりそうなのか具体的に検証をしてみたいと思います。

 

 

ワクチンの接種が開始され、ようやくコロナウイルスの終息も見えてきたのかもしれません。

これで経済も回復するのかと思われますが、中小事業者にとっては、この6月頃から、資金繰りが本格的に厳しくなる可能性が高いのです。

ここまでは、コロナ融資や様々な助成金・支給金など、充実した支援策で資金繰りは確保できていました。

特に、コロナ融資は、元本棚上げで、さらに無利子での借入でしたから、新たな財務負担などは発生せずに、手元資金が増加しただけという信じられない好条件だったのです。

一時的に、資金をもらったようなものですから、資金繰りが楽になって、倒産の可能性も喪失して当然だったのかもしれません。

それらの好条件にも、当然に期限があります。

利子は、当初3年間、全ての融資が対象となって、補強をされますから実質無利子状況は続きます。

しかし、元本の棚上げは最長5年ということであり、債務者の判断で短くすることが出来ます。

元本は、当然に、いずれは弁済するものですから、債務者も真面目に捉えられて、コロナ融資においては短期間の返済棚上げがほとんどだということです。

公庫の場合だと、棚上げなし~6ヶ月以内の棚上げが33%程度で、6ヶ月から1年間の棚上げも33%程度であり、1年以内の棚上げが66%となっています。

保証協会付きの民間金融機関の場合だと、1年以内の棚上げが56%ほどであり、過半のコロナ融資は1年以内に元本返済が始まるということになります。

現実的に、6ヶ月の棚上げだと返済が既に始まっており、1年間の棚上げの場合でも、この春頃から返済が始まるということになるのです。

景気が回復しているならば、元本返済も何とかなるのかもしれませんが、未だに緊急事態宣言が発令されている状況において、経済は滞留したままですから、元本返済など現実的ではない環境だといえます。

ここは、政府も容認している様に、コロナ融資について、リスケジュールを申し込むべきなのかもしれません。

 

この6月危機の要因は、コロナ融資の元本返済開始だけではありません。

もう1つ大きな要因として、税金や社会保険の猶予期限が挙げられます。

本当に資金繰りに窮している事業者にとっては、国税や地方税、さらには社会保険や公共料金などの納税や支払の猶予は、資金繰りについて非常に大きな効果があります。

前年比で事業収入が20%以上減少したなどといった一定条件により、1年間、納税が猶予されるという制度になります。

無担保で延滞税も発生しないということですから、コロナ禍の資金繰りにおいて、この制度は大きな効果を発揮しました。

しかし、この猶予制度は、1年間というのが基本になります。

そうなると、この猶予制度を活用している大半の事業者が、この6月末頃から期限切れを迎えるということになるのです。

しかも、これは猶予の期限切れですから、本来は1年前に支払うべき税金などを支払うということになります。

当然、新たに発生している税金などについても、支払う必要がありますから、通常の倍ほどの税金などを支払う必要に迫られるということになるのです。

この厳しい経営環境において、そんな支出を負担できるはずないのではないでしょうか・・・。

 

  景気は低迷し、何ら回復の兆候が見られず、さらに悪化傾向・・・なのに

   コロナ融資の元本返済が開始・・・

   税などの猶予が終了し、新旧分を支払い・・・

・・・だから、この6月頃から、中小事業者は資金繰りを悪化させると考えられます。

このままの状況が続くのであれば、間違いなく、倒産が激増するのではないでしょうか。

しかし、政府が、とんでもない施策を用意する可能性が低くないと思われます。

何故ならば、6月以降に、大きなイベントが2つあるために、中小事業者を放置して倒産を増加させることが出来ないという現実があるのです。

この夏には、延期になった東京オリンピックが予定されていますから、それまではこれ以上に景気を悪化させるわけにはいかないでしょう。

政府は、様々な景気対策の施策を実施してくると思います。

さらに、東京オリンピックの終了した秋頃、衆議院選挙が実施されます。

ご存じの様に、政権与党にとっては、景気が大きく選挙に影響しますから、中途半端な対応で終わらせるはずがありません。

倒産が増加するような状況だと、ダメージが大きくなりますから、自民党などの政権与党は、全力で景気対策を実施してくるのは間違いありません。

既に、通常では考えられないような施策も実施済みですから、今後、実施される施策はとんでもない施策になる可能性さえあるのではないでしょうか。

とにかく、票に結びつく施策を、遠慮なく最優先で実施してくるでしょうから、この6月危機は、新たな施策により回避されるということになる可能性が高いといえます。

 

結果的に、今年は、これ以上に経営環境は悪化しないのかもしれません。

そうすると、中小事業者は、慌てる必要などありません。

政府が、様々な効果的な施策を実施してくるでしょうから、冷静に効果的な活用を図るようにしてください。

今年は、景気もこれ以上は悪化しないと割り切って、将来に添えて準備するべき1年なのでしょう。

そして、本当に経営環境が厳しくなるのは、今年末から来年にかけてということになるのです。

 

 

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