コロナ禍での激変・・・


当たり前のことが、当たり前ではなくなっているようです・・・。

このコロナウイルス禍では、リモートなどに代表されるように社会構造が大きく変化していますが、それは、ビジネスの世界だけに限定されたものではありません。

先日までの常識が、いつの間にか非常識なってしまうというほど、恐るべき速さで極端に変化していきつつあるのは、金融事故や債権債務処理の場面でも例外ではないでしょう。

この環境で、この変化をつかみ損ねると、中小事業者は窮地に追いやられてしまうかもしれません・・・。

 

長年に亘り構築された社会構造が、今、崩れ去ろうとしているのかもしれません・・・。

何十年何百年と積み重ねられてきた常識が、この1年という短い期間において、通用しなくなろうとしています・・・。

僅か100nm(0.1μm)という大きさのコロナウイルスが、人間の知性と理性で構築された社会を非現実化しようかという勢いで、強引に変革を促しているのかもしれません。

その様な傾向は、資金繰りや金融事故、さらには債権債務処理といった経営危機の場面でも、様々に確認することができるようなのです。

このコロナウイルス禍で、いったい何が変わったかについて考えてみるのも面白いかもしれません。

まず、無条件で異常な施策と捉えるしかないものが、無利子融資ではないでしょうか。

当然、本当の無利子ではなく、極限まで低金利にして、当初3年間に亘り上限6000万円まで、払うべき利子を助成して実質無利子にするという制度になります。

そもそも、利息は金融機関の儲けだといえますから、利息をとらない融資など本来はあり得ません。

ところが、この環境において中小事業者は、利子さえも払えないだろうとして、実質無利子という制度を用意されたのです。

一定の条件の下で、実質無利子で借りられるのですから、資金繰りに苦しむ中小事業者にとって、その効果は絶大だといえるでしょう。

 

さらに、コロナ関連融資においては、元本棚上げが前提にされています。

ほぼ全てのコロナ関連融資は、最長5年まで、元本返済の据置が可能な制度なっており、債務者との調整の中で、据置期間が決定される仕組みです。

元本の据置というのは、表現を変えると元本返済の棚上げということになり、一般的には借入返済の条件変更(リスケジュール)ということになります。

このリスケジュールは、資金繰りの悪化した債務者が、債権者金融機関の同意(支援)のもとで実施される手続きですが、当然、安易に取り組むべき手続きではありません。

リスケジュールをすることにより、新たな融資が受けられなくなったり、債務者区分が下げられたりして、事業者として不利益を受けることになるからです。

ところが、コロナウイルス禍における融資は、リスケジュール中でも融資が可能であったり、当初よりリスケジュールを前提にしているという信じられない制度になります。

無利子で元本棚上げであれば、債務者にとっては何の負担もないということになりますから、資金繰りに大きく寄与する制度だともいえるでしょう。

 

さらに、コロナ関連融資についての与信には、様々な特徴がみられます。

与信とは、融資をする際の、債務者審査の内容や基準ということになります。

昔は、経営者の力量が大きく評価されていましたが、最近は担保の有無や保証人の資産保有などといった、債権回収を直接保全する基準がメインなっていました。

ところが、コロナ関連融資が始まった当初は、具体的な与信など実施されずに融資が実行されていたといえます。

信用保証協会や公庫などの債権者は、そんなことは絶対にないと言うでしょうが、来月には経営破綻するしかなくなる宿泊業者や、いつ資金繰りが破綻しても不思議ではない構造不況業種などが、想定以上の融資を受けられた事例など珍しくもありません。

『コロナ神風が吹いた』と口にされた経営者が少なくない様に、与信よりも、事業者の資金繰り確保を優先させる姿勢が間違いなく見られました。

その後も、不足経費の6か月分を基準に、ほぼ具体的な与信なしだと思われる融資が続きましたが、昨年の5月末頃から変化が見られます。

第2次補正予算が通過し、民間金融機関のコロナ関連融資が本格化した頃から、ある程度、与信が実施されるようになったようです。

ただ、それでもある程度であり、交渉する経営者が自信をもって対応することにより、通常時とは全く違う緩さで融資が実行されたのが現実でしょう。

現状においては、コロナ関連融資もほぼ一巡しましたので、与信も具体的になってきているのかもしれません。

 

ここで、経営危機の知識のある方なら、面白いことに気づかれるでしょう。

一定の間、元本の返済も、利子の支払もない・・・

それなら、その間は、金融事故にならないのでは・・・?

その通り、最低でも実質無利子の3年間は、コロナ関連融資については、金融事故になりようがないといえます。

多くの場合、債務者が利子を3回分支払えないことで、債権者は期限の利益の喪失をさせて金融事故とし、信用保証協会に代位弁済をしたり、サービサーに債権譲渡をするということになります。

ところが、そもそも支払うべき利子がありませんから、期限の利益の喪失をすることはなく、当然に金融事故にならないということになるのです。

その結果、信用保証協会の代位弁済や、サービサーへの債権譲渡も暫くは減少するということになると思われます。

そうなると、保証協会やサービサーの担当者は余裕が出来てきますから、コロナウイルス禍が落ち着くころには、既に代位弁済や債権譲渡されている債務者への追及が、突然に厳しくなるということも考えられます。


サービサーについては、このコロナウイルス禍で債権回収が、5月頃から緩くなったという事例が少なくありません。

それまで、無茶な弁済要求をしてきたサービサーが、突然に要求を取り下げて、しばらく様子を見ましょう的な対応に変化したのです。

これなども、政府の施策の一環かもしれませんので、サービサーとの交渉に悩んでおられる債務者は、コロナウイルスを根拠に、交渉を展開すべきではないでしょうか。

 

以上が、コロナウイルス禍で用意された代表的な制度になります。

他にも、国税や社会保険の猶予,固定資産税の減免,公共料金の猶予・免除などといった、信じられない制度が目白押しですが、全て中小事業者が資金繰りを確保するための効果的な施策ばかりだといえるでしょう。

1年前には、考えられなかったほどの異常な施策だといえますが、これで終わりではありません。

これで終わってしまうと、中小事業者の倒産が激増し 日本経済は壊滅してしまうかもしれないのです。

本格的な不況は、コロナが落ち着いてから始まるといわれています。

したがって、これからでてくる施策は、もっと異常な可能性が低くないと思われます・・・。

 

 

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