年末間際のM&A・・・


 

年の瀬も押し詰まり、あと数日を残すのみとなりました。

このタイミングで、懸案であったM&Aの案件が、ようやく成立してホッとしています。

途中、諦めかけたこともありましたが、何とかなると踏ん張ったことが結果につながり、お客様もクリスマスとお正月をノンビリ楽しく過ごせることが出来ます。

事業再生や経営危機の打開において、今後、M&Aは重要なキーワードであり、欠かすことのできない手法となるでしょうから、本当に良い勉強をさせていただくことが出来ました。

コロナウイルスは、経済に大変な影響を与えています。

しかし、実体は、とてもそんな生易しい表現で済むものではありません。

中小零細事業者にとっては、継続的に壊滅的な攻撃を与えられている状況だといった方が適切ではないでしょうか。

しかも、資金繰りが厳しいだけでなく、将来の展開が全く見通せず、経営者は不安を蓄積させていくしかありません。

大変な影響程度であれば、経営努力により凌げるかもしれませんが、このコロナウイルス環境では、個々の経営努力など意味を成さない程でしかありません。

それは、状況を悪化させているのは、全てが外因だからです。

 

消費意欲は個人も法人も減退を続け、全てがデフレに触れ続けています・・・これだけお札を刷っているというのに・・・。

実体の貨幣価値も、想像以上に下落していることは間違いありません。

えっ、株式市場は活況を呈しており、住宅地や東京などの不動産市況も元気だと、メディアなどでは伝えているのに・・・と思われる方もおられるでしょう。

これらは、大きな勘違いなのです。

株式市場は、日本やアメリカといった政府が作り出した、官製市場であり、株式市場が良くないと、国の財政がひっ迫してしまうからなのです。

不動産市場も、世界の大手ファンドなどが、安値感のある日本に注目しているのは間違いありませんが、タイミングを見計らっているという状況だと思います。

まだまだ、これから不動産市場は下落をしていくので、底打ちの直前のタイミングで購入しようと準備をして待っている状況なのです。

M&A市場においても、同じ様なことがいえます。

M&Aが好調だというニュースが流れていましたが、これは大手企業に限定したことです。

具体的には、この厳しい環境で、無駄をなくすために関連会社を整理すべく、大手企業が子会社などを譲渡しているということで、実体は 大手企業のリストラということになります。

中小企業のM&Aなどは、コロナウイルス禍により大きな被害を受けているジャンルだといえます。

本来の買い手側企業が、業績を悪化させて余力を喪失してしまっておりますし、余力のある企業はまだまだ先のタイミング待っている状況であり、簡単にM&Aが成立することなどありません。

 

こんな厳しい環境下で、M&A案件が成功しました。

地方の中核都市で、食品小売業を展開されているAさんから、今年の2月頭に、初めてご相談をいただきました。

複数の店舗で、地元の老舗として小売業を経営をされていますが、業績が悪化傾向にあるのと、Aさんご本人の体調が思わしくなく、後継者が不在のために事業を整理したいというのがご希望でした。

財務内容をチェックしましたが、金融負債も大きく、それなりに経営改善も実施されていたために、このまま継続しても良い結果につながらないと判断できるような状況だといえます。

当然に、負債を全て処理したうえで、綺麗に事業を整理できないかというのがご要望でした。

できれば、今後の生活も考えて、手元資金も少し残せれば嬉しいと言われましたが、過去にも複数の専門家にご相談をされておられる様で、綺麗な整理だけでも簡単ではないと理解されています。

しかし、内容を精査すると、不動産処分と株式譲渡を組み合わせると、事業を整理したうえで手元に資金が残せる可能性が十分にありますので、その方向で取組むことになりました。

これが2月末頃のことで、まだコロナウイルスは騒動に発展しておらず、私は必ず成功すると楽観視していたのです。

ところが、3月も中旬を過ぎると、コロナウイルスが蔓延し状況が変わってきます。

経済の停滞が始まり、不動産市場も低迷をしだして、経営環境の悪化が著しくなってきました。

それまで、不動産売買やM&Aについての問い合わせが頻繁にありましたが、4月も中旬を過ぎると減少をしだします。

それだけではなく、価格などの条件が目に見えて低下していくのです。

5月下旬、緊急事態宣言の最中、どうにも不安を覚えて精査し直すと、経済的合理性の確保が難しい状況にまで陥っておりました。

環境は、ますます悪化していきますから、不動産売買やM&Aを棚上げすべきだったのかもしれませんが、方向は変えずに条件を全面的に見直すことにします。

株式譲渡の取組み方を大きく変更させ、不動産を株式譲渡に組み込ませたり、増資の実施や求償権の免除なども取り入れることで、購入者の条件を良くしました。

その結果、7月に、今回の購入希望者との話し合いが始まり、11月頭にデューデリが実施され、契約から決済に至ることが出来たのです。

譲渡は、金融負債を全て処理し、当然に保証債務も消滅し、僅かですが手元資金も残せるという内容になります。

この様にまとめると、7月以降は、随分と順調に進んだように思われますが、そんな単純なものではありません。

紆余曲折しながら、様々なハードルを乗り越え、決済に至ったのです。

私も、今まで、様々なM&A関連に携わってまいりましたが、今回ほどコロナウイルスに翻弄されて、危機感を覚えた譲渡案件はことはありませんでした。

しかし、これほど達成感を味わったこともありません。

ご購入希望者様にも恵まれ、そして関係者様のご理解とご協力をいただき、なんとか所期の目標を大きく逸脱しない結果を得ることが出来ました。

 

経営危機の打開は、一人で出来るものではありません。

当然、経営者が主人公となって取り組むべきものですが、共演者や裏方さんの協力を得て、総力で取組まなければ、望むべき方向に進むことなどできません。

今回のM&Aにおいて、そのことを改めて思い知らされました。

コロナウイルスに翻弄された1年の、最後のディールで得た貴重な収穫だといえます。

 

 

 

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