金融機関への対応は、資金的な命綱として中小零細事業者にとって大事です。
特に、資金繰りの厳しい経営危機の状況などにおいては、金融機関の対応が生死の分かれ目となりかねませんから、重要度も格段に増加します。
金融機関と対応テクニックは、その後の展開を大きく変える可能性があり、事業維持のために欠かすことの出来ない要素だともいえます。
では、金融機関とどの様に対応すべきなのかについて、具体的に考えてみたいと思います。
金融機関の基本的な対応は、債権者金融機関の種類や、対応のタイミングに関わらず共通しているといえます。
まず最初に、『誠意を見せる・・・』
続いて、『現状を説明する・・・』
そして、『支援を依頼する・・・』
この様な、至極当たり前な内容なのですが、これが金融機関対応の基本パターンであり、全ての金融機関に常に当てはまります。
この基本パターンを、経営危機で返済が出来ない状況において、具体的に考えてみましょう。
『誠意を見せる・・・』というのは、こちらの気持ちを伝えるという事になります。
したがって、まずは、返済を猶予してもらうなど、金融機関に対して無理をお願いしなければならない現実について、しっかりと謝罪をすることから始まります。
さらに、気持ちとして、必ず完済をするし、金融機関に迷惑はかけないなどといった気持ちを伝えることが重要です。
債権者である金融機関は、返済について債務者が、どの様に考えてどの様な姿勢でいるのかが、最も興味を持つ点ですから、、今後の対応の意思を見せることがポイントになります。
これが、金融機関に誠意を見せるということになるのです。
続いて、『現状を説明する・・・』ということになりますが、返済したくても、返済をできないという厳しい現状を、しっかりと説明してください。
そして、だから現状を理解して協力や支援をお願いしたい旨を伝えるのです。
これが、『支援を依頼する・・・』ということになりますが、その結果として、元本の返済を猶予してほしいや、支払を待ってほしいなどという具体的なお願いをする事になります。
この、基本的な対応パターンには、この段階で債権者が知りたい内容が満たされています。
債務者が、この問題について罪悪感を持ち、十分に反省している・・・。
今後、本当に誠意を持って弁済しようという意思をしっかりと持っている・・・。
現状として、どれだけの返済能力があるのか・・・。
だから、どうしてほしいのか・・・。
この様な、債権者金融機関が持つ疑問点を満たしているのです。
この疑問点を満たすというのは、金融機関との交渉において、不可欠な要素になります。
金融機関と交渉において忘れてならないのは、担当者に決定権がないということです。
交渉をした担当者は、その結果を上司に報告をして、質問があれば答えなければなりません。
したがって、金融機関にお願いをする立場の我々は、交渉相手の担当者が、上司に説明して稟議を通しやすくなるように情報を提供しなければなりません。
この基本パターンは、金融機関の疑問点を解消し、求める情報を提供するということになると思います。
この基本パターンは、全ての債権者金融機関との最初の交渉の基本になります。
ただ、2回目以降の交渉については、債権者によって対応は異なると考えください。
2回目以降の交渉においても、しっかりと誠意を見せ続けるのかどうかという点について、債権者の種類により対応を変える必要がありのです。
信用保証協会や日本政策金融公庫などは、ここ3年ほどで、債務者への対応を大きく変化させて、随分とフレキシブルになりましたから、継続的に誠意を見せ続けるべきだと思います。
できるだけ、こちらから連絡をしてみたり、少額でも前向きに弁済をするという姿勢を続けます。
この様な姿勢を見せ続けることにより、間違いなく対応は軟化してくるでしょう。
しかし、サービサー(債権回収専門会社)や下位のノンバンク系には、誠意ある姿勢を見せ続けることは逆効果になることが多い様です。
彼らサービサーなどは、少しでも回収できると捉えれば、たとえ僅かでも諦めずに、ハイエナの如く襲い掛かってくるでしょう。
結果、骨までしゃぶられることになりますから、甘い対応や、隙を見せるのは厳禁だと考えてください
最初こそ、基本のパターンで誠意を見せますが、その後は、返済については厳しい状況を主張続けるべきなのです。
出来ないものは出来ない、駄目なものは駄目と、しっかりと主張してください。
期限の利益の喪失後、不良債権となって金融機関と交渉する場面は、金融機関との交渉に慣れた者でも緊張をします。
初期の対応が、債権者のその後の動きに大きな影響を与えますから、最初からしっかりと対応をしなければなりません。
厳しい債権回収に曝されないため、交渉のポイントをしっかりと理解しておいてください。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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