第2会社を成功させるには・・・


再生の最後のチャンスである第2会社について、具体的な取組み方法を考えてきました。

経営危機の厳しい経営環境から、第2会社を活用することにより、事業を維持しながら脱出できるかもしれません。

この最後のチャンスを逃さないために、第2会社を有効に活用するための条件や、様々に配慮すべき点について、最後の総まとめをしてみたいと思います。

 

まず、何のために第2会社を作って、事業を維持しようとするかについてです。

第2会社を作って運営するには、当然に根拠が必要ですし、第2会社を活用するための目標も求められるでしょう。

目標は、従業員や仕入先等の社会的弱者の生活や事業を守るためであり、そのために第2会社で事業を承継するというのが基本的な根拠になります。

あくまでも、社会的弱者を保全するための行為であり、この根拠と目標が、しっかりと設定されて理解をされていないと、第2会社は、単に債務者の都合で資産を逃がしただけの、陳腐な行為になってしまうでしょう。

第2会社を設立し、運営する条件として、まずは、旧会社と人格を重複させないことです。

会社の基本的な要件である、名称・所在地・資本・役員について、旧会社との重複を徹底的に避けて、全く関係のない会社にしてください。

これは、旧会社だけではなく、その旧会社の役員や保証人との重複を避けるという捉え方が肝要となります。

したがって、第2会社は、個人事業として展開するには問題があり、法人格にすべきだろうと思います。

知人の個人事業として第2会社に取組み、順調に儲かってくると、知人が権益を独占してしまった事例などもありますので、法人格にしておくべきなのです。

第2会社は、その形式にはこだわってください。

もう一つの第2会社の条件としては、必ずキャッシュフローにおいて黒字を確保するということになります。

経営危機という、既に資金繰りが厳しい状況で第2会社を設立するのですから、その第2会社に対して追い金が必要になるようであれば意味がありません。

徹底的にリストラし、必ず黒字が確保出来るという収益予測を前提として、第2会社に取り組むかどうかの判断をしてください。

この状況において、中途半端な予測で第2会社に取り組めば、さらに状況は悪化させてしまいます。

 

第2会社について、配慮の必要なことや、注意をしておくべき点についてもまとめたいと思います。

まずは、従業員に対しての対応です。

様々な関係者全てへの配慮が必要なのですが、特に従業員に対しては最大限の配慮が求められます。

全ての従業員が第2会社に移るのであればいいのですが、旧会社に残る社員が発生した場合は、信用不安に関する情報が漏えいしたりする可能性がありますから、特に緻密な配慮を実施してください。

また、第2会社に移る従業員についても、新たな雇用扱いとなってローンは難しくなるでしょうし、退職金の問題が発生したり、通常の生活にも影響が出てくるかもしれませんから、しっかりと対応をする必要があるのです。

従業員対応は、第2会社を成功させるための大きなポイントとなります。

私は、出来るだけ早く、第2会社を設立されるように、ご相談者にお勧めしています。

経営改善をメインに取組む場合でも、万が一の可能性もあると判断すると、とにかく第2会社を設立するようにお勧めするのです。

これには、様々な理由があるのですが、大きな理由としては以下の2点に絞られます。

まずは、詐害行為ではないかと、債権者から誤解されない様にするためです。

もともと、金融機関など債権者は、第2会社に対しては寛容な姿勢を見せる傾向がありますが、感情のもつれなどあると、格好の餌食として責められる可能性があります。

この様な疑いをもたれ攻撃されないためには、金融事故になる迄の早い段階で、設立しておくことが効果的なのです。

できれば、金融事故になる2年以上前に設立されていると、債権者としてもなかなか攻撃しにくいというのが現実です。

しかも、第2会社が旧会社の取引先などとして、その存在が旧会社の資料に見え隠れする様な状況であれば、それも根拠になりますからベターだと思います。

もう一つの理由としては、第2会社を得意先・発注元に受け入れていただくために、実績を求められことが多いという事です。

特に、上場している製造業などの場合は、新たな取引として口座を開設する場合に、過去の決算書を要求されることが多いですから、それなりの期間と実績が必要となります。

第2会社を早く設立してしまって、経営改善が成功した場合でも、違う使い道は様々にあるのではないでしょうか。

得意先へ、旧会社から第2会社への取引の変更を依頼する時にも、配慮が求められます。

得意先には、旧会社の代表と第2会社の代表が揃ってお願いにあがるのが当たり前でしょう。

何の問題もなく、スムーズな取引変更をお願いするのですから、その根拠や経緯について、両社揃ってお願いをして当然です。

ただ、口頭でお願いする分にはいいのですが、文書において、両社揃ってお願いするというのは絶対に避けてください。

文書において、取引変更についてのお願いを、両社揃ってというのは、これは詐害行為ですと証明しているようなものですから、万が一に債権者にでも渡れば大変なことになってしまうのです。

どうしても旧会社の工場や事務所を使う必要がある場合、どのような対応をすればいいのかというご質問をいただくことは少なくありません。

事業を継続する訳ですから、旧会社に残っている事業用資産を活用するというのは、自然な流れだとも思えます。

この様な場合、旧会社に第2会社が同居していることになり、その事実を債権者に知られれば、両社の関係を疑われるというリスクが発生してしまいます。

当然、商業登記簿謄本上の本店所在地は違う場所でしょうから、旧会社と同居しているという事実を知られない様にする必要があるのです。

電話などは、設置しなければ仕事になりませんが、看板は、できれば挙げない方がいいでしょうし、しばらくは名刺にも載せない方がいいと思います。

事業を維持するうえで、必要なものは設置し、所在は示さないという方向で対応してください。

また、第2会社にも。運転資金が必要だという事を忘れるわけにはいきません。

事前に、収益計画や資金繰り表などをしっかりと作成し、それに沿った形で運転資金を確保しなければならないでしょう。

全体的に資金繰りの厳しい環境であり、ここで新たな資金を確保するのは簡単ではありませんから、早い段階から計画的に運転資金を確保してください。

せっかく第2会社を設立しても、運転資金がなければ、資金繰りは破綻してしまうのです。

 

以上が、第2会社を設立し、事業を承継するための基本的なポイントとなります。

以前のブログでご説明をした内容と重複するかもしれませんが、重点ポイントとして再確認をしてください。

第2会社には、色々なリスクもありますが、今後の人生を確保するにおいての凄いチャンスであり、性根を据えてのチャレンジが必要なのです。

経営者として、この点をしっかりと認識していただき、社会的弱者を守るためという正義の大義名分をもって取組んでいただきたいと思います。

 

 

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