あれほど仲の良かったご夫婦だったのに、顔も見たくないほど嫌いになって別れるなんて・・・
愛した子供達にも、会えなくなるかもしれないのにです。
気持ちは判りますが、なぜ、もっと大人の対応をとらなかったのでしょうか。
別れるのは仕方がないとしても、終わり方が間違っていると思います。
経営危機に陥った中小企業の、経営者ご夫婦の関係をテーマにしたドラマは少なくありません。
中小企業の経営者として、豪華な自宅に住み、高価な車に乗り、贅の限りを尽くしていたご夫婦なのに、経営が悪化すると、生活は当然のこと夫婦の関係まで激変するのです。
仲の良かったご夫婦の間にも隙間風が吹き、奥様は子供の手を引いて実家に戻ってしまうという場面が思い浮かぶのではないでしょうか。
一人残されたご主人は、何とか経営を立て直そうと四苦八苦しているのに、悲しい哀愁が漂います。
実家に戻る際の奥様が、将来につながる様な優しい言葉をかけてくれれば、モチベーションも維持できるでしょうし前向きに取り組めるかもしれません。
しかし、ドラマでの奥様は、大概は罵詈雑言を浴びせて出ていかれるのではないでしょうか。
これでは、離婚という答えしか残らず、今後のご夫婦双方にとって良い結果など得られるはずはありません。
現実の世界では、中小企業の経営が破綻したからといって、その経営者夫婦の関係に亀裂が走ることはほとんどない様です。
私のご相談者との経験の中では、既に離婚をしておられる方がご相談に来られたことは複数ありますが、ご相談に来られてから離婚をされた事例はありません。
多くの場合は、ご夫婦の絆は強まり、ガッチリとスクラムを組んで経営危機の打開に取組んでおられ方がほとんどなのです。
中には、私の事務所で、『これからの私の人生をどうしてくれんのよ!!』と、ご主人に罵声を浴びせた奥様もおられましたが、今後の展開をご説明すると怒りと不安は終息し、夫婦として前向きに取り組んでいただけるようになりました。
何故かといえば、ご夫婦が協力して経営危機に立ち向かった方が、絶対に良い答えが得られるからです。
万が一に経営改善が失敗し、再生を諦めて整理をしなければならなくなっても、必ず経営者ご家族の人生と生活が確保出来るからなのです。
再生を目指して経営改善に取り組んでいる状況であれば、経営者であるご主人の精神的・肉体的な損耗は著しいでしょう。
その経営者が、唯一、気持ちを緩めることが出来きて、心の安らぎを得られるのが、家族の待つ自宅なのです。
奥様の優しい言葉を耳にしながら、美味しい手料理を口にすることで、厳しい明日に立ち向かう活力が湧いてくるのだと思います。
再生という目標を現実化するためには、奥様が、強い気持ちを補完するパートナーでいることが大事なのです。
経営状況の厳しい中小企業の場合、代表者は必ずといっていいほど金融機関からの借入の連帯保証人になっておられます。
そんな状況で、経営が破綻してしまえば、経営者としての責任と共に保証人としての責任も追及されることになるのです。
普通であれば、それで全ての資産は失い、今後の生活も成り立たなくなるでしょう。
しかし、奥様が前向きに捉えていただくだけで、自宅などの資産は守れ、今後も安定的な生活を送れる可能性が出てきます。
ご主人は、保証債務を背負った連帯保証人として、今後しばらくは資産など持てませんが、奥様はご主人に代わって、自宅等の不動産資産や様々な資産を保持することは可能なのです。
任意整理を組み合わせば、今までと変わらぬ生活を確保することも夢ではありません。
奥様の力が、人生や生活の破綻を防ぐことが出来るのです。
経営危機を、離婚の理由にしてはいけないと思います。
夫婦であれば、経営危機のような厳しい状況でこそ力を合わせ、家族のため、明日のために取組んでいただきたいものです。
それが、経営危機での、最善の選択なのです。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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