銀行などの金融機関が、構造不況業種となっているのは驚きます。
たしかに、企業の栄枯盛衰のサイクルが、極端に短くなってきているようですが、日本経済の中心にある金融機関が、構造不況業種として不安定なポジションになるのであれば、今後の景気に大きな悪影響を与えることになるでしょう。
25年ほど前にパソコンを購入し、自宅で年賀状が作成できてしまい、これから印刷業は仕事を減らして厳しなると思い、同時に、経済構造も大きく変化していくのかなとも感じました。
しかし、パソコンやネットの普及とともに、専門家でも予想できなかったほどに、産業構造や需要構造といった経済環境を変化させています。
これから社会人になろうという子供がおりますが、どんな仕事に将来性があるのか、とてもアドバイスできるような状況ではありません。
この現実を、中小零細事業者は、しっかりと認識し、業種の将来について把握したうえで経営に臨むべきなのでしょう。
頑張れば売り上げは増加し、努力すれば利益は確保できるという様な時代は、既に過ぎ去ったのかもしれません。
明日を夢見て、上だけを目指せた時代は、もはや歴史の1ページとなっているのだと思います。
昭和どころか、平成初期の経済的常識さえも、通じないような時代に激変してしまっているのです。
経営に関する固定観念は、捨てなければならない時代であり、常に先を見通し予測する能力が、経営者の大きな資質として求められる環境なのでしょう。
そうはいっても、年配の経営者は、簡単に変われるものではありません。
長年の経験と実績があり、当然に経営者としての自負も持っておられます。
過去に多くの苦難も乗り越えてきましたから、たとえ現状が厳しくとも、何とかできる自信があり、現実的な目途も持っておられるのでしょう。
どんな厳しい状況であろうとも、今の、この資金繰りさえ凌げれば、事業は改善に向かい、再生できると思っておられるのではないでしょうか。
あるご相談者は、構造不況業種の代表格であるお仕事をされています。
ここ8年ほど、確実に売り上げは減少を続け、徹底した原価圧縮や経費の切りつめをされていますが、営業利益の確保さえもままならない状況です。
それなりの専門家が見れば、再生は難しいと判断するしかない経営状況ではないでしょうか。
客観的に分析すれば、選択肢は整理しか残っていないともいえます。
日々、資金繰りに追い回され、ご相談者の心身はボロボロで、この環境から逃避したいと考えて当然の環境だと思います。
それでも、経営者は、まだ事業は何とかなると考えておられるのです。
30%程度業績が回復し、昨年並みの売上が確保できれば、資金的に余裕ができて再生に向けて頑張れると主張されます。
そして、30%程度なら、十分に業績は回復できると断言をされます。
だから、何とかして当座の資金繰りを確保しなければならず、そのためには、子供を保証人にしての借入を検討したり、奥様のなけなしの老後資金を活用したり、一時的に高金利の借入をしたりと、真面目に考えておられます。
もはや、正常な思考ができない状況になっているとしか思えませんが、この傾向は、経営危機における、経営者に共通する兆候だともいえるのです。
構造不況業種で、出来るだけ早いスムーズな整理撤退が必要だと素人でも判るのに、最も状況を理解しているはずの経営者は、まだ何とかなると考えてしまう傾向があります。
このまま突き進めば、間違いなく最悪の状況に陥ってしまいます。
経営者の持たれている経験や実績は過去のものであり、進化した現在において通用しにくくなっているでしょう。
業績を回復させたり、売上を回復できるという自信は、全く根拠のない妄想ではないでしょうか。
挙句の果て、絶対に手を付けてはいけない資金確保の手段で、意味のない資金繰りを確保しようというのですから、経営者としての判断能力を喪失しているのは明白です。
まだ、何とかなると、経営者は皆さん主張されますが、もうどうにもならない状況だと判っているはずなのです。
現実を、しっかりと見つめてくだい。
経営者には、経営状況を、冷静に判断しなければならない責任があります。
状況に合わせて、適格な方向に取り組み処理する責任もあります。
継続すればするほど、状況が悪化する様ならば、撤退することの勇気が必要ではないでしょうか。
諦めることも、前向きな選択なのです。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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