『あそこのご主人が経営する会社、1年前に倒産したのでしょう?』
『その様だけど、あんな豪華な自宅に、今でも住み続けるなんで凄いわねぇ・・・。』
『どうやら、離婚して、慰謝料として奥さんが自宅を貰ったらしいわよ・・・。』
『へえ・・・、でも、離婚した割には、今までと同じ様にご夫婦は仲がいいから不思議ね・・・。』
『・・・・。』
近所の奥様方の、井戸端会議における会話です。
奥様方達ですから、会社が倒産すれば経営者がどうなるのかや、所有する自宅は処分されるのかなど、具体的な詳しいことをご存知ではないでしょう。
ただ、世間では、会社が倒産すれば、その経営者は自宅を含む全ての資産を失い、路頭に迷うしかないと思われており、その常識的な知識の中で首をかしげておられるだけなのです。
たしかに、世間の一般常識から言えば、倒産した経営者が豪華な自宅に住み続けることなどありえません。
教科書上の話でいえば、債務者である会社は当然のこと、保証債務者で代表者でもあろう経営者についても、会社の経営が破綻したのであれば、その所有する資産はすべて提供して、債権者への弁済に充当をすべきなのです。
したがって、経営者が所有する最も高価な資産である自宅を、所有し続けることは出来ないということになります。
しかし、会社の経営も、経営者の生活や人生も、生きている実学の世界です。
教科書上の建前論では、所有できないという結論であっても、実学の本音の世界では、所有し続けるべきだし十分に可能性はあるということになります。
本音だけで主張すれば、倒産する会社の経営者にこそ、自宅は必要な存在であり、所有をし続ける努力をすべきだということなのです。
現実的に、会社が倒産しても、自宅を維持し続ける経営者など珍しくもありません。
所有を続ける方法や、住み続ける手段も、多数存在もします。
状況に合わせて、もっとも適応した方法や手段を選択し、具体的に対応することにより自宅として維持することが出来るのです。
会社の倒産した経営者が、自宅を維持し続けることができるかどうかは、維持し続けるための知識を持っておられ、前向きに取り組むことが出来るかどうかだけなのでしょう。
冒頭の、井戸端会議の内容から、自宅に住み続けられておられる方法を推察してみましょう。
奥様方が倒産したという事実を知っておられるということは、1年も前に、法的整理である破産をされたのだと思います。
そして、破産をされる以前に、経営者ご夫婦は協議離婚をされて、奥様に自宅を慰謝料として渡されたということになります。
自宅に住宅ローンが残っておれば経営者が債務者と考えられ(最低でも連帯保証人)、経営者であるご主人も会社として同時に破産をしたと推定できるわけであり、住宅ローンも同時に期限の利益の喪失をすることになります。
期限の利益の喪失後から1年経過しても、競売などで処分されずに住み続けられているということは、住宅ローンは残っていなかったと考えるべきでしょう。
したがって、奥様は、担保の付いていない真っ白な自宅を慰謝料として貰われたということになります。
そして、この手続きにより、自宅は債権者からも追及されない安全な資産となり、夫婦仲良く住み続けることが出来るようになったということです。
しかし、債権債務の処理について、勉強されたことのある方ならば、この手続きにおいて偽装離婚と詐害行為の追及を受けないか疑問を持たれるのではないでしょうか。
最高裁の判例で、離婚したからといって夫婦が今まで通りの生活を維持しても問題はなく、債権債務処理とは関係がないというものがあります。
したがって、偽装離婚という問題はなく、結果として詐害行為として追及を受ける心配もないということになるのです。
結果として、離婚により自宅を維持する方法は効果的だということになるのですが、できれば離婚という行為についての根拠を明確にしておくべきだろうとは思います。
そして、ここからが本題ですが、次に考えていただきたいのは、離婚までしないと、自宅は維持できないかということです。
実は、私は離婚反対派です。
離婚をするという行為は、マイナス面の影響も大きいものがあります。
特に、子供さんが未成年等の場合は、就学や就職そして結婚などに少なからず影響を与えてしまうでしょう。
会社が倒産するという様な状況においてこそ、本来は経営者ご夫婦や家族は絆を強めるべきものなのです。
冒頭の事例は、たしかに効果的な方法ではありますが、自宅を維持する方法は他にも沢山存在するのですから、まずはそれらの方法を検討していただきたいと願います。
たとえ自宅を守るためとはいえ、離婚の必要性はないと思います。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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