事業を守る方法・・・


第2会社方式が、厳しい経営環境から事業を守るためには、極めて効果的な方法であるのは間違いないでしょう。

中小企業庁が第二会社方式を創設して以降、この第二会社を喧伝してきましたので、中小企業での認知も深まってきたようです。

しかし、その存在は認知されても、内容については様々に誤解されたままです。

したがって、認知されている割には、有効に活用されている事例は少ないのかもしれません。

どんな状況でも、第2会社方式を選択すれば、必ず事業を維持できるというものではありません。

当然に環境に合わせて選択すべき方法があり、確保しなければならない条件もあります。

選択を間違えれば、第2会社方式を選択したとしても、事業を維持することが出来ないどころか、状況を悪化させてしまうこともありますから、しっかりと第2会社方式というものを理解して取り組む必要があるという事なのです。

 

私どもの主なご相談者は、小規模以下の事業者で、資金繰りが悪化して、今後の展開も予測できないという方が沢山おられますので、そのような立場で、事業を維持するための第2会社の選択について考えてみたいと思います。

この様なご相談者は、財務的にも体制的にも脆弱で、債権者からは一方的に、社会的必要性の低い弱小事業者という括りにされてしまい、その様な立場で第2会社方式を選択すると、それぞれどの様な展開になっていのでしょうか。

一般的な『債権者との調整を前提とした第二会社』方式を選択すれば、形だけの対応で具体的な展開は期待できないでしょう。

社会的必要性の低い弱小企業に対しては、当然に債権者は協力的ではなく、事業再生を主体的に支援すべき中小企業再生支援協議会や認定支援機関も、建前論に終始して前向きに取り組んではくれません。

債権者調整など煩雑な手続きに手間がかかるため、債権放棄は当然のこと、第2会社方式への取り組みについても積極的な姿勢など見せず、時間ばかり消費し結果は期待できないといえます。

この方式の欠点を、『中小企業庁創設の第2会社』は、カバーしたはずでした。

許認可の承継や税務処理,債権者調整等が簡潔になり、事業再生の手段としての効果が期待できると思われる内容でしたので、債権者も協力姿勢を見せているのです。

ところが、その取り組みにはレベルの高い前提条件が設定されており、収益性と時間と資金に余裕がなければ取組める内容ではなく、余裕のない企業は取り組みどころか対象にさえならないのが実態なのです。

これら2パターンの第2会社方式は、本当に事業維持を目指すべき企業にとっては、費用と時間を無駄に消費するだけという結果になってしまうでしょう。

結論的に、倒産の可能性のある厳しい経営状況の企業が事業を維持するためには、『昔からある、完全任意の第二会社』方式を活用するしか方法がないというのが現実だといえます。

 

ただ、この『昔からある、完全任意の第二会社』方式についても、確保すべき条件があり、活用についても誤解があるようで、難しくネガティブに考えすぎて、この方式を諦められる方が少なくありません。

この方式は、身内の独立という考え方で取り組むべきなのです、

たとえば、長年に亘り功労のある番頭さんが、のれん分けで独立したというスキームです。

また、経営方針に相違のある後継者である息子が、帝王学の勉強の意味も含めて独立したというスキームも当てはまります。

場合によれば、専務が裏切り、得意先や従業員を取り込んで独立したというスキームもあるかもしれません。

このような身内の独立という事例は、実社会においては別に珍しくもなく、債権者から追及を受けたという話などを聞いたことがありません。

現実に存在するスキームで、第2会社を考えることで、メリットやデメリット,手続きや取り組み方というものが見えてくるのではないでしょうか。

 

第2会社を作って、息子が代表になっても、融資は無理だというネガティブな捉え方があります。

もしも、信用保証協会が代位弁済をしているような状況であれば、協会の保証付き融資を受けるのが難しいのは事実です。

しかし、その理由は、第2会社だからではなく、代位弁済された息子だからという理由になり、純粋に別会社でも、同条件なら難しいという答えになるでしょう。

第2会社では、自己資金が不足するという捉え方がありますが、これは根本的に取り組み方が間違っています。

この『昔からある、完全任意の第二会社』方式は、必ず黒字確保が出来るということが前提であり、収益の確保できる事業だけを引き継いだり、有為な人材だけを引っ張るなどの準備をすることが求められます。

また、ある程度の運転資金を、事前に確保しておくというのは当たり前のことではないでしょうか。

第2会社で事業を維持すると、旧会社の債務を債権者から取り立てられると思っておられる経営者も少なくありませんが、根本的に第2会社の捉え方を見直す必要があると思います。

旧会社と、役員・資本・名称・住所が重複しない第2会社は、基本的に人格が違いますから取り立てられる理由がありません。

もしも、旧会社と同一であるとして、債権者取り立てようとすれば、詐害行為取消請求などの手付きを経る必要がありますし、債権者である多くの金融機関は、その性格から追及してこないというのが現実だと思います。

金融機関は追及しても得をすることがないのを知っていますし、それならば、第2会社と付き合いをした方が得になるという考え方が主流で、中には、経営危機に陥った中小零細企業に、任意の第2会社設立を勧める金融機関さえあるほどなのです。

私自身、14年に亘るコンサルティングにおいて、アドバイス先がこの様な追及を受けて、詐害行為取消請求などをされたことはありません。

また、旧会社に払うのれん代が判らないという理由で諦められる方もおられるようです。

これは、収益還元法で計算すれば簡単に算出できますし、経済的合理性のある金額であれば、債権者からクレームの付く可能性も低く、第2会社を躊躇するような理由ではないでしょう。

以上のように、『昔からある、完全任意の第二会社』方式は、理屈さえ理解すれば、けっして難しいものではありません。

前提条件は、

 1. 出資者および代表者は、信頼できる者

 2. 必ず黒字を確保できる

 3. 必要な得意先,仕入れ先等を維持できる

この3点をクリアすれば、運用は可能ですし、のれん代や譲渡費用などのエビデンスを確保すれば、詐害行為を恐れる必要もないでしょう。

一定のルールさえ守れば、何も恐れることはなく、事業の維持について極めて有効な方法だという事なのです。

 

 

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