債権回収の姿勢が変化・・・


 

昨年秋頃より、公的機関の、債権回収の姿勢が変化している様に思えます。

 

日本政策金融公庫や信用保証協会等が対象になるのですが、『えっ・・・?』と驚くような事例が目に付くのです。

 

新たな政策が実施されたようではありませんし、環境が変化したわけでもありません。

 

しかし、確実に変化しているのです。

 

 

 

ご存知のように、公的な金融関係の機関は、基本的に債権譲渡も債権放棄もしません。

 

しませんというより、国民の税金を活用しているという立場上、出来ないと言った方が正しいのでしょう。

 

公的な再生組織の経営改善計画に則って債権放棄を要請された場合等の特例を除き、債権放棄も債権譲渡もせずに、いつまでも諦めずに債権回収にこだわるというのが基本姿勢なのです。

 

中小零細企業の金融の円滑化を図るという、その組織の性格上、営利を目的とした民間の金融機関やサービサーと比較すると、債権回収の姿勢は厳しさも強引さも無いのは当然です。

 

しかし、いつまでも諦めずに債権を回収しようとしますから、ある意味、難しい債権者でもあるのです。

 

 

 

昨年の夏ごろの話です、ご相談者の保証協会付き借入が期限の利益の喪失をして、信用保証協会が代位弁済をして債権者となってしまいました。

 

その後すぐ、今後の返済について話し合いたいと信用保証協会から連絡がきましたので、その対応について打合せをしました。

 

実質、事業は廃業状況で、見るべき資産も見当たりませんから、毎月3000円から5000円程度の返済を目指して、1000円から交渉を始めましょうということになったのです。

 

その方向で、信用保証協会との話し合いに臨まれたのですが、なんと毎月1000円の返済で了解がとれたのです。

 

 

昨年の夏の終わり頃の話ですが、同じく期限の利益化の喪失により代位弁済をされたご相談者が、同じ様に3000円から5000円程度の返済を目指して話し合いに臨まれました。

 

現在の事業や生活の状況を確認されましたが、既に事業は破綻状況で生活の糧を得るにも難儀している状況です。

 

形式的に債権の全額回収を求められましたが出来るはずもなく、債務承認書に記名押印をすることにより、半年ほど様子を見ましょうということになったのです。

 

その間、1円の返済も求められません。

 

 

 

日本政策金融公庫の旧国民金融公庫の部門は、公的な金融機関の中でも債権回収に最も厳しい組織だいえます。

 

ところが、その旧国民金融公庫においても、債権回収姿勢が緩和の方向に変化しているようなのです。

 

昨年の秋、ご相談者の借入が全て期限の利益の喪失をしました。

 

その中に、旧国民金融公庫もありましたので、呼び出しに応じて、今後の返済についての交渉に臨まれました。

 

担当者は、現在の経営状況や、債務者と保証人の資産等の状況を確認すると、耳を疑う様な言葉を投げてきたのです。

 

『これでは、とても返済は無理ですね。

判りました。

返済が出来るようになったらご連絡をください。

こちらから連絡もしませんが、いつでも連絡はつくようにしておいてください。』

 

半年とか、1年という期間もきられませんでしたから、実施は、債権放棄の様なものです。

 

そして、これと同じ様な旧国民金融公庫の対応が、複数件続いています。

 

というより、最近の、旧国民金融公庫との交渉において、厳しい対応を迫られた事例が見当たらないのです。

 

 

 

根本的に、対応の方向性が変わったのかどうかは、未だ判りません。

 

しかし、間違いなく、債務者の人権を配慮した方向性に変化しています。

 

これが、時効の中断も含め、今後、どのように具体性を持っていくのか、注視していきたいと思います。

 

 

 

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2 件のコメントをいただいています “債権回収の姿勢が変化・・・

  1. 私も国民公庫に少し残があるのですが、全く連絡がこなくなりました
    どうしたらよいですか

    • 竹内様
      連絡が遅くなって、本当に申し訳ありません。
      状況や環境により、対応は様々になりますが、国金についてですが、期限の利益の喪失をした状況でにおいて連絡が来なくなったのであれば、連絡があるまで待たれるのが基本だと思います。

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