本当の経済環境・・・


 

何故か、未だに、政府や行政は、コロナ対策としての行動制限を実施する姿勢を見せようとしていません。

コロナウイルス第7波は、過去最高の感染者数を記録し、感染拡大の勢い増している状況にも関わらずにですから不思議です。

今までの緊急事態宣言やまん延防止措置は、いったい何だったのかと思わざるを得ませんが、行動制限をしない明確な理由は存在をしていました。

政府の発表やメディアのニュースおいて、その理由について具体的に触れられることはありませんが、コロナウイルス感染の影響を忖度する余裕を喪失するほどに、経済環境が悪化をしているからなのです。

 

 

ニュースなどで具体的に報道されることは少ないようですが、今、世界の経済は大きな変化をし続け、経験したことのない状況に陥ろうとしているように思われます。

既に、ご存知の通り、コロナウイルス感染により疲弊し尽くした世界経済は、ウクライナ危機や原材料高という原因により混乱の度を増し、先行きが不透明な中で物価は上昇してインフレに陥っています。

さらに、以前より叫ばれていた食料危機が、グローバルの規模で現実の問題として噴出し、さらに混迷を深めようとしているのです。

その様な、世界的な難しい経済環境において、我が日本では、他国にはない円安という要因までも加わり、経済危機ともいえる状況を現出しようとしています。

ところが、流れるニュースは、未だにコロナウイルス感染が中心で、何故か、経済危機どころか現状についてさえほとんど報道されていません。

メディアは、この現実を当然に把握しているはずなのに、積極的に報道しようとしないのは不思議な話です。

この事実を、コロナウイルス第7波でも行動制限を実施しない状況と重ね合わせて考えてみると、1つの仮定が浮かび上がります。

コロナウイルス感染の影響を忖度する余裕を喪失するほどに、経済の悪化は想定以上に拡大し、政府は具体的な対策を実施することかできず、メディアも具体的に展開が把握できていない・・・。

メディアなどが、経済の展望について触れるのが怖くて情報を提供できなくなっているとは思えませんが、経済環境が悪化をしているのは事実なのです。

そこまで、酷い経済環境になろうとしているのかということですが、その前に、いくつかの景気の状況について復習をしてみたいと思います。

それは、『インフレーション』,『デフレーション』,『スタグフレーション』,『スクリューフレーション』という4パターンの景気状況になります。

まず、『インフレーション』についてですが、『インフレ』と呼ばれることが多く、一定期間において物価が上がり続ける状況のことになります。

インフレは、一般的には好景気の環境で現発生するもので、その代表的な原因としては、需要が増加して供給を上回ることと、通貨価値が低下することなどが挙げられます。

『デフレーション』とは、『デフレ』と呼ばれ、インフレとは逆に物価が下がり続ける状況のことになります。

発生する原因についても、供給が需要を上回ったり、通貨価値が上昇したりすることが挙げられ、一般的に不況時に発生するといわれています。

『スタグフレーション』は、物価は上昇しているのに景気は後退している状況になり、日本では、オイルショック時に初めて確認をされました。

リーマンショック時は、典型的なスタグフレーション状況になっており、貨幣価値が低下し収入も減少して景気は悪化しているのに、物価は上昇するという困難な経済環境に陥ることになります。

そして、最後に『スクリューフレーション』という聞きなれない言葉になりますが、今後の経済環境を占うには不可欠なキーワードなります。

『スクリューフレーション』とは、停滞を意味する「スクリューイング」と物価の上昇を意味する「インフレーション」を掛け合わせた造語になります。
食料品などの最低の生活必需品などの物価が上がって、エンゲル係数が上昇してしまう低中流層が貧困化し生活水準が低下をする状況のことであり、結果として貧富の格差が拡大することにつながります。

『働いても生活が楽にならない・・・』や『豊かさを感じられない・・・』といった状況の原因であり、収入は増加しないのに、食料品などの生活必需品の物価が上昇し、生活に余裕がなくなることが『スクリューフレーション』ということになります。

この4点の景気状況が、現在の経済環境において複雑に絡み合っているのですが、特に、『スタグフレーション』と『スクリューフレーション』がポイントとなります。

 

コロナウイルス感染による経済停滞からの終息期において、当初はこのままではスタグフレーションに陥るのではと不安視をされていました。

物価は上昇するのに景気は低迷するというのがスタグフレーションですから、コロナ禍で疲弊した経済がさらに悪化するのではと不安になり恐れていたのです。

その不安を回避するために、欧米などは政策を転換し、極端な利上げを実施して、インフレを抑制しようと動いていました。

ところが、問題の原材料高を少しでも抑え込もうとしても、ウクライナ危機の延長線上で食糧危機が連動し、最低必需品ともいえる食材などがさらに高騰を続けています。

その結果、不安視していたスタグフレーションから脱皮するどころか、さらに怖いスクリューフレーションにまで陥ろうとしているのです。

『一億総中流』といわれていた日本人も、バブル崩壊以降、豊かさを感じないまま三十年余を無為に過ごしてきました。

その間、物価は上昇するのに、給料などの収入は増加しないという異常な状況が続いてきたのです。

正しく、『スタグフレーション』の状況だといえます。

総務省の資料によると、ここ10数年において、食料品や電気代などといった生活必需品の「基礎的支出項目」は15%以上上昇しているのに、旅行や車,外食などといった生活贅沢品の「選択的支出項目」はほぼ横這いだといいます。

低中流層の収入が増えない中で、必需品の物価は上昇を続けていたのですから、エンゲル係数は増加して豊かさなど感じられるはずはありません。

その間、収入の豊富な上流層は、ほぼ価格据え置きの生活贅沢品の購入を続けられるのですから、貧富の格差は拡大をするしかありません。

まさしく、既にスクリューフレーションに陥っており、ウクライナ危機や原材料高,食料危機などの問題が本格化していく中で、さらに深化しようとしているのです。

 

『スタグフレーション』は、リーマンショックで経験したように、収入は減少するのに物価は上昇して、生活の余裕を喪失させるという恐ろしい景気状況だといえます。

絶対に回避したい景気状況ですが、政策的な対応はまだ可能な状況だとえます。

ところが、現状は『スクリューフレーション』に陥ろうとしているから問題なのです。

あのバブル崩壊で経験された様に、政策的な対応が困難で、長期化する可能性があるのです。

人類は、初めて、本格的に『スクリューフレーション』に立ち向かうのかもしれません。

経営者として、しっかりと覚悟を持って向かい合ってください。

 

 

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