景気が、判りにくくなっています。
情報が錯綜しすぎて、景気が良いのか悪いのか、判断が出来ないのです。
テレビニュースなどでは企業の好業績が伝えられますが、身近な経営者からはため息しか聞こえてきません。
中小事業者に限れば、確実に厳しい経営環境に突入しているように感じます。
皆さんは、現在の経営環境を、どの様に捉えておられるのでしょうか・・・。
とても判りにくい経営環境になっているように思います。
しかし、現実として、景気が悪化に向かっているのは間違いないと思います。
これから不況になろうとしているのか・・・?
それとも、既に、不況に突入しているのか・・・?
業種や事業規模などにより、その捉え方は異なると思いますが、中小事業者の経営環境は、日々、確実に悪化し続けているでしょう。
ところが、この景気の変化に対して、世の中があまりにも無反応なのです。
これだけ経営環境が悪化しているのに、政府は具体的な施策を執ろうとしていませんし、マスコミなどもニュースとして流そうとしていません。
本来なら、大騒ぎしても不思議ではない状況だと思いますが、何故か静観状態が続いているのです。
その理由は、今までの不況と、大きく異なる点があるからではないでしょうか・・・。
バブル崩壊やリーマンショックなどの大不況は、ほとんど全部の事業者が、業種や企業規模などに関係なく、同じように不況の影響を受けて業績を悪化させました。
しかし、このコロナ後は不況が全体的に連動していないのです。
事業規模や業種・業態により、業績に大きな開きを生んでおり、好業績を挙げている企業も少なくありません。
多くの場合は円安や原材料高を、効果的に業績に反映させることのできる業種や、事業規模の大きな事業者が対象になります。
それに反して、円安や原材料高の悪影響を被るしかない中小事業者は大変です。
日々、経営環境は悪化を続け、業績を確実に低下させ、経営破綻に直面する事業者が増加しています。
そして、その結果として、破産を選択するしかない事業者が、驚くほど増えているのです。
この破産を選択する事業者については、色々と考えさせられる傾向が見受けられます。
破産に至る事業者は、コロナウイルスが流行するまでは、健全な経営を維持していたところが少なくないのです。
コロナウイルス流行という外因により、突然に業績が悪化し、今後に大きな不安を抱く状況に陥りました。
ところが、ゼロゼロ融資や助成金などの異次元の支援策が、当たり前の様に資金繰りを確保させてくれます。
約3年間という長期に亘りましたが、コロナウイル流行という未曽有の経営環境において、不安を抱きながらも、自然な流れとして経営を維持することが出来たのです。
事業者は、政府などの施策に身を任せることで、コロナウイルス禍を生き残れることができたといえます。
そして、コロナウイルスが収束し、売上さえ回復することができれば、健全経営を取り戻すことができたはずなのです。
ところが、業績を回復させられるはずが、逆に悪化させる事業者が増加しました。
その理由は明確です・・・
① ゼロゼロ融資などの不要であるはずの債務を背負ったこと。
② 円安や原材料高,ウクライナ危機などの外因の影響。
などが挙げられ、コロナ終息後、業績が回復するはずだったものが、これらの理由により、さらに業績を悪化させることになってしまいました。
コロナウイルス流行で、既に体力を喪失させていた事業者にとって、このダメージは堪えます。
さらに、コロナ禍を政府などの施策に身を任せることで乗り切った事業者は、対応方法が判りません。
厳しい経営環境を乗り切るかの知識や情報を備えておらず、今後の展開が予想できないのです。
資金繰りが厳しくなっても、コロナ下では、政府が様々な施策を用意してくれたので乗り切れました。
何もせずでも、ただ、現状を維持・継続することで、何とかなるという勘違いをしたのではないでしょうか。
その結果、資金繰りが厳しくなると、貸してくれるところなら、どこからでも借り入れをするようになります。
借りてはいけないところからの安易な借り入れや、ファクタリングなどで資金繰りを確保してしまい、更なる資金繰り地獄 = 借入地獄に陥り、抜けだせなくなってしまうのです。
さらに、政府などが何とかしてくれると勘違いし続けたことが、経営者から判断能力までも喪失をさせました。
既に経営破綻の土俵際まで追い込まれているのに、適切な経営判断ができずに、ただ、ダラダラと、現状を維持し続けるだけで、手遅れとなってしまったのです。
諦めずに頑張り過ぎたともいえるのかもしれませんが、経営者として、適切な判断が出来なかったということなのです。
もっと早く、状況を理解し、最善の方向に取組むことができれば、結果は変わっていたでしょう。
最近、破産が増加しているのは、この様な理由によるものではないでしょうか。
そして、経営破綻や破産は、これから本格的に増加していくと思われます。
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