信用保証協会との距離感・・・


 

債権者とは、多分、これから長いお付き合いをすることになるでしょう。

期限の利益の喪失をして金融事故になると、金融機関は債権者として、貸付金の回収を図ってくるのです。

我々、中小事業者も、金融機関から借入れをした債務者の責任として、今後の弁済について金融機関と向き合い交渉をすることになりますが、この関係が簡単ではありません。

債務者として、当然に誠意を持って債権者と対応しなければなりませんが、その距離感が難しいのです。

 

 

期限の利益の喪失をして金融事故になると、経営者の心理は、表現も難しいほどに辛く悲しいものになります。

  この現実から逃げ出したい・・・
  金融機関とは会いたくない・・・

その結果、抱えた借金の処理などを放置をしたくなるし、実際に逃避しようとする経営者も珍しくありません。

しかし、犬と一緒で、逃げれば追いかけてくるのが債権者なのです。

債権回収のために追いかけられて、自宅などに来られるぐらいなら、逃げずに正面から向き合った方が良い結果になるでしょう。

何よりも、借りたお金を返せずに、迷惑を掛けているのはこちらですから、正面から向き合って誠意をもって対応すべきだと思います。

まず、返済できなくなった現実について、しっかりと謝罪を伝えることが大事でしょう。

債務者の責任として、今後、この債務をどのように処理しようと考えているのか、その思いを伝えることも必要だと思います。

それは、頑張って経済的に復活を遂げ、完済を目指したいという気持ちを伝えることになるのでしょうか・・・。

ただ、現状は余裕がなく、とても返済できない現実であるということを、債権者に理解してもらわなければなりません。

そして、借入金の返済については、しばらくは猶予してもらうなどの協力をお願いすることになります。

この様に、債務者の責任として、最大限の誠意を持って対応することが求められるのです。

しかし、この誠意の伝え方が簡単ではありません。

私などは、『誠意はタダなのですから、債権者には精一杯示してください・・・』などと、大げさにご相談者に説明することが少なくありません。

それは、人と人との交渉という債権者との対応において、間違いなく良い結果につながる可能性が高いからだといえます。

したがって、誠意は際限なく示しても問題ないと思いますが、その距離感が難しくて、問題になることが少なくありません。

債権者との距離が遠すぎると、債権者に誠意が伝わらないでしょう・・・。

誠意が伝わるように、程々に距離を詰めて対応しなければ、悪意があると捉えられかねません。

債権者との距離が近すぎると、債権者が誠意の所在について勘違いする可能性があります・・・。

債務者にはまだ余裕があり、もっと、弁済について無理をいうべきではないかなどと思われるかもしれません。

この距離というのは、当然に実際の距離ではなく、債権者との連絡の取り方や回数という意味になります。

  急いで打合せをしたいというのに、なかなか連絡をしなかったり・・・

  郵便で返事を求められたのに、わざわざ訪問して返事をしたり・・・

この様な、距離感を勘違いして失敗した事例をご紹介してみます。


ある日突然、債権者である信用保証協会から、連帯保証人である息子さん宛に、債権者であるご高齢のお父さんと息子さんの債務承認書を提出するように文書で連絡がありました。

債務承認書の提出は時効を中断するための目的でしょうが、その文章の中には法的手続への着手も臭わされていたのです。

お父さんは個人事業をされていましたが、その時の借入が返済できなくなり、約17年前に信用保証協会に代位弁済をされました。

その後、連帯保証人である息子さんが、毎月わずかな金額の弁済を続けてこられ、厳しい返済要求などはありませんでした。

本来は、債務承認書を郵送し、それで終わりという流れだったのでしょうが、法的手続という言葉に息子さんは過剰反応をされ、わざわざ信用保証協会を訪問されたのです。

面談をした担当者にとっては、まさしく『飛んで火にいる夏の虫・・・』だったのでしょう・・・。

担当者は、目的の債務承認書を回収して時効を中断したうえで、さらに厳しい要求を突き付けてきました。

事前に、連帯保証人である息子さんが、自宅を購入したことを掴んでいたのか、その自宅を担保として提供するように要求してきたのです。

金融事故債務の連帯保証人である息子さんが、保全対策もせずに自宅を所有するのは不用心過ぎであり、担保要求されても不思議はありません。

しかし、もしも訪問などせずに、保証協会の要求通りに郵便で債務承認書を返送しておれば、最低でも、この段階で自宅を担保要求されることはなかったでしょう。

また、その後、何らかの対応で自宅を保全し、担保提供を回避することも可能だったかもしれません。

法的手続という表現に過剰反応してしまい、誠意を精一杯見せようと焦り、距離感の誤った対応した結果だということになります。

 

信用保証協会などの債権者との対応は、キャッチボールだと捉えてください。

お互いが余裕のある距離において、優しいボールには優しいボールを投げ返し、相手に合わせて継続することが大事なのです。

連絡があれば、スムーズに適切な方法で連絡を返す、それが債務者として誠意の見せ方なのでしょう。

過剰な対応は逆効果になりかねませんので、程々な距離感を確保して対応してください・・・。

 

 

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