事業整理での最優先・・・


 

会社や事業を、任意で整理した事案に、随分と関わらせていただきました。

任意整理で失敗をすることはありませんが、その出来栄えとしては、優劣は当然にあります。

その中でも、専門家として納得のできた『綺麗な任意整理』というものについては、幾つかの共通点があるのではないだしょうか。

それは、『着手のタイミング誤らない』,『社会的弱者への配慮』,『旧の債務処理と、新生活の使い分け』という3点になるようです。

 

『過ちを改むるに 憚ることなかれ』・・・ということわざがあります。

その意味は、失敗や過ちに気づいた時には、体裁など気にせずに、直ぐに改めるべきであるということになります。

その反対語は、『過ちて改めざる これ過ち』になりますが、失敗そのものが過ちではなく、改めようとせずにそのまま放置することが真の過ちであり、問題を大きくするという意味になります。

これらは、中小事業者にとっては、常に頭に入れておくべき言葉ではないでしょうか。

変化の速い環境で、事業を経営していると、いつ困った悪い方向に展開するか判りません。

そんな時、素直に現状を認識し、リアルタイムで対応をしていくことが、最善の結果につながっていくのだろうと思います。

 少しでも業績が低下したら、問題点を確認し、経営改善に取組む・・・。

 一時的にせよ、資金が厳しくなる様だったら、早い段階で資金繰りを確保する・・・。

何か、問題の発生や過ち,失敗に気づいたら、躊躇することなく解決に向けて取り組むことが大事であることは間違いありません。

この考え方は、もっと悪化した経営状況においては、さらに重要になります。

 

色々なご相談を受けて、このまま事業を継続するのは、もはや無理だろうと判断できるご相談も少なくありません。

それでも、頑なに、事業を継続しようとされる経営者が、少なくないのが問題になります。

この様な場合、最初は間接的な表現でご説明をするのですが、その意図を、まず経営者に理解していただけることはありません。

そのままでは大変なことになりますので、直接的な表現も使いながら、経営者にご判断していただくように、様々にアプローチを展開します。

経営者は、ただ事業を継続することしか頭にありませんから、簡単なことでありません。

それでも、今後の展開の可能性を知っていただき、将来に希望があることを認識されることで、このまま闇雲に継続するのは駄目だと判断し、任意での整理を決断していただけるようになるのです。

もしも、このタイミングで決断できなければ、無茶な借入をしたり、未払いが膨大に発生したりして、経営者の人生だけでなく、関係者の人生さえ喪失をしてしまったかもしれません。

これで、『着手のタイミング誤らない』という、任意整理のポイントを1つクリアーしたことになります。

 

この決断は、社会的弱者にとって大きなものになります。

従業員や取引先などへの対応を、任意の整理という手段により、最優先に考慮して進めることで、様々な事象がクリアーになっていきます。

会社は整理しても、事業は何らかの形態で継続することなどができれば、関係者の負担や悪影響を軽減させることも可能になります。

従業員は、給与の未払いを回避することかできますし、今後の仕事も安定的に確保し続けることが出来るのかもしれません。

小さな仕入先などの取引先も、売掛金を優先的に回収できて、今後の取引も確保できるかもしれないのです。

『社会的弱者への配慮』を優先して、任意の整理を選択することで、得られる効果は大きなものになります。

 

経営者にも、人生や生活があって家族もおられ、たとえ、事業経営を失敗したからといって、それらまで放棄する訳にはいきません。

当然、経営者として、任意整理に絡む処理については全ての責任を持つ必要があります。

しかし、その対応が全てではなく、経営者の責任遂行と共に、これからの展開についても取り組まなければなりません。

自ら任意での整理を選択されたわけですから、その処理を経営者として遂行するという旧の処理と同時に、今後どうやって生活の糧を得て人生を確保するのかという新の取組みをする必要があるのです。

我々は、ご相談者に対して、これを任意整理における最優先のテーマとして考えていただくようにお願いしています。

旧の債務を処理するのは作業であって、新しい人生を構築するのは取組だと認識して使い分けることが必要だと思います。

この様に、『旧の債務処理と、新生活の使い分け』により、経営者は生活を安定的に確保することが出来て、債務処理にも具体的に取り組むことができるのではないでしょうか。

 

事業の継続など不可能な状況なのに、いつまでも決断できずに継続するというのは、経営者としてあまりにも無責任だといえます。

『過ちを改むるに 憚ることなかれ』というように、着手のタイミングを誤らずに、体裁など構わずに任意整理に取り組んでください。

従業員や取引先などといった社会的弱者に配慮することで、任意整理はスムーズに進み、最善の結果につながると思います。

経営者として、整理した旧の事業の債務処理をして、新しい展開へも取組む必要がありますが、上手く使い分けをして、体裁など構わずに対応することで、綺麗な任意整理ができるのではないでしょうか。

 

  

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