破綻した会社の経営者の、その後の人生はどうなるのでしょう。
信用も資産も、自宅さえ喪失し、悲惨な人生を送ることになるのでしょうか。
たしかに、経営者がやるべきことをせずして、経営破綻を選択してしまえば、そうなってしまうのかもしれません。
しかし、しっかりと対応して、経営者がその責任を果たして事業を整理することができれば、ポジティブに新たなスタートを切るのは難しくないのです。
知り合いにも迷惑をかけ、地元に住み辛らくなって、奥さんの故郷に引っ越しをされた経営者がおられます。
知人の紹介で勤めた会社で、家族のために頑張ろうとされたのですが、はるかに年下の上司にこき使われ、辛抱しきれずに辞めてしまわれた経営者もおられます。
未払いの取引先に追いかけられ、その後、行方不明になった経営者もおられました。
再起を期して、新たな事業に再挑戦されましたが、失敗してしまい、一家離散された経営者はどうされているのでしょうか。
これらは、当たり前の現実の話ですが、経営破綻後の経営者の人生は、この様に、悲しいほどに厳しいものばかりです。
経営破綻とは、従業員や取引先などの関係者に、大きな負担をかけて事業を整理することですから、経営者の人生は絶望的であって当然だといえるのでしょうか。
そんなことはありません。
それは、大きな勘違いだと思います。
この様な結果になってしまうのは、経営破綻の選択において、経営者としての責任と、一家の大黒柱としての責任を放棄してしまったからではないでしょうか。
本来、たとえ経営破綻をするとしても、経営者には最善の結果を得るための経営責任がありますから、いろんな角度からしっかりと対応をしなければなりません。
取引先などが連鎖倒産しないようになど、事前の準備を進めることなども可能であり、それにより夜逃げなど不要になるのです。
また、たとえ経営破綻後の経営者といえども、人として、親として、家族を守るため大きな責任があります。
そのために、何とかするという強い気持ちをもって、早いタイミングから準備をしたり、辛抱と努力を積み重ねて生活の糧を得るというのは当然のことでしょう。
そうすることで、いつまでも、家族が仲良く地元に住み続けることができるようになるのだと思います。
たとえ、経営破綻した経営者であろうとも、しっかりと責任を果たすことをすれば、その後は、新たな人生なのです。
新たな人生にどの様に取り組んでいくのか、それこそ、人としての真価が問われる場面だと思います。
経営危機の打開とは、経営者が恒久的に安定した人生を確保することですから、専門のコンサルタントとして気になるところです。
実際、見事な結果を出される方は少なくありません。
その中でも、ちょっと信じられないような結果を出されている凄い人がおられます。
その方が、事業を整理してから10年ほど経過しましたが、今でも毎年、新年会シーズン頃に事務所に顔を出していただきます。
元々は、大手商社にお勤めで、バリバリ頑張っておられました。
ある時、製造業を経営するお父様が突然に亡くなられ、一緒に働いていたお母様が途方に暮れることになりました。
お母様が強く要望をされ、後継者候補が他にいないこともあって、仕方なく商社を退社して事業を引き継ぐことになったのです。
ところが、事業を承継し、様々な資料を確認すると、様々なことが次々に判明します。
粉飾決算で、見た目の決算書は悪くありませんが、ここ数年は営業赤字が続いており、実質は債務超過に陥っています。
業界自身が構造不況業種で、今後の黒字化の目途など立ちようがありません。
しかも、資金繰りを確保するために、銀行からの借入は、返済しようがないほどに大きく膨らんでおります。
実態を把握するにつれ、不安は大きくなり、絶望的ともいえる状況に陥っていきました。
まるで、倒産をさせるために、商社を退社して戻ってきたようなものです・・・。
しかし、ここからの判断と切り替え、そして、行動力には凄いものがありました。
最善の選択は、経営改善ではなく事業の整理と判断し、直ぐに任意整理に取り組まれます。
商取引債権者のみを対象とした経営説明会議(債権者集会)を開催し、可能な限りの手元資金は全て配当し、連鎖倒産を防がれました、
さらに、従業員についても、全て個別面談したうえで、要望のある従業員については次の雇用先を紹介までされたのです。
ここまで、見事な任意整理だった思いますが、本当に見事なのは、ここからの『新しい人生』ではないでしょうか。
任意整理がある程度片付くころ、元の勤務先である商社に復帰をされました。
大手商社ですから、再雇用してもらえることだけでも奇跡のようなものだといえます。
雇用してもらうだけで有難いのですが、そんなことで納得し満足される方ではありません。
商社マンとして復活すべく、妥協することなく全力で取り組まれます。
新年にお会いするときに、部署や肩書が変わると名刺をいただくのですが、たしかにポジションは確実に上がっていっているのです。
ただ、肩書は出世しても、ラインからは外れているというのが、大手商社の厳しさというものなのでしょうか。
しかし、二年前、なんと部長代理になっておられました。
ラインからは外れて部下もいないというポジションでしたが、再雇用でここまで出世したというのは、前例のない凄いことだということで喜んでおられました。
ところが、今回いただいた名刺の肩書は、なんと『部長』なのです。
当然にラインの長で、部下も大勢いるというポジションなのです。
自ら経営する会社を任意整理し、そのまま人生を喪失させても不思議ではない状況で、大手商社に再雇用してもらっての結果ですから驚くしかありません。
しかし、ご本人は、『これで精一杯、もう終わりです・・・。』と言われながらも、『新しい人生』への思いは、まだまだ納得しようとはされていないように感じます。
経営を破綻させた経営者といえども、凄い人は沢山おられます。
私どもにご相談に来られる経営者というのは、皆さん前向きに取り組もうとされる方ばかりです。
普通なら、破産を選択するしかないような環境でも、何とか切り抜けようとされるのですから、並の経営者ではありません。
ただ、何らかの理由で、取り返しのつかない状況に陥ってしまっただけなのです。
そうなったことは仕方ありませんから、最善の処理をするべきでしょうが、それと新しい人生とは関係ありません。
新しい人生は、精一杯、前向きに取り組んで、良い答えを求めるだけのことなのです。
経営破綻したぐらいで、人生を諦める必要などありません。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
↓
会社再生・経営危機打開・事業承継オンラインセミナーをご覧ください,
↓
ランキングです クリックして応援してください
↓
ランキングです クリックして応援してください
↓