完璧と最善は大違い・・・


 

レベルの高いプロの職人さんは、要領が良いと教えてもらったことがあります。

当然、基本的な技術も高いのでしょうが、納め方が上手いから、安定的に良い商品を作り上げられるのだというのです。

いくら凄い職人さんであろうとも、ミスのない100%の商品など作れるはずがなく、時間も無駄にかかってしまい商売になりません。

だから、許される時間の中で、最善の商品を作り、それを要領よく上手く収めることで良い商品に仕上げるのが、プロの職人なのだそうです。


優秀なプロの職人さんは、完璧な商品など作ろうとはされません。

最善である商品を、作ろうとされるのだそうです。

上を狙えばキリがありませんから、職人の世界で、完璧な商品など存在しません。

その時に、納得できる商品を作り上げることができれば、満足だということになります。

それは、100%の商品ではなく、80%程度の商品なのでしょうが、そこから要領よく上手く収めて仕上げることで、誰もが納得できる100%に近い商品となるのかもしれません。

その商品は、100%の完璧な商品が存在していたとしても、それほど大差のないレベルに仕上がっていると思います。

しかし、商品を仕上げる原価は、比較できないほど安価に抑えられており、商業ベースで考えれば、100%の完璧な商品よりも、はるかに利幅の大きい良い商品になっているのではないでしょうか。

レベルの高いプロの職人さんは、要領よく上手く収める技術と共に、この理屈を理解されているから、商業ベースで良い商品を作り、儲けることかできるのだと思います。

 

どの程度の商品に仕上げるのか、それを我々は妥結点と考えています。

100点を目指すのではなく、80点を安定的に確保した方が、商売として儲かるだろうという考えで、80点が最高に儲かれば、それが妥結点ということになります。

100点の商品なら手間暇がかかりすぎ高値になり売れず、50点の商品なら安価だが問題があり売れず・・・80点なら大儲け・・・

80点は例えであり、もっとも儲かるのが60点になったり、95点になったりするのかもしれませんが、それが妥結点となります。

専門家や職人さん等のプロは、この最も効率の良い(費用対効果の高い)妥結点を理解されています。

  良い商品を作る職人さん・・・

  値ごろな品揃えをする販売員さん・・・

  安くスーパーのチラシを作る印刷屋さん・・・

  地域性も考慮し費用対効果の高い美容師さん・・・

  少し高いけど美味しい行列のできるラーメン屋さん・・・

流行っているお店、儲かっている事業者は、この妥結点を理解して商売をしているのです。

けっして、完璧を達成しようと、ただ努力を続けているわけではありません。

そんな無駄なことを積み上げるのではなく、最善を目指して対応をしているから、効率よく最高の儲けという結果を得られるのではないでしょうか。

 

同じ様なことが、経営者にも当てはまります。

二代目などの若手の経営者は、やる気満々です。

特に、良い大学を出た勉強のできる事業後継者などは、怖いものがありません。

先代を凌駕する勢いで、ドンドンと新企画を打ち出し、何事にも完璧を目指して取り組まれます。

ところが、完璧という目標が達成できず、チャレンジしたけれども結果を残せずに、妥結点がないために中途半端で終わることがほとんどでしょう。

周りから見れば、なかなか良い結果だと思えても、当事者である後継者からすれば、完璧を目指していたのだから大失敗としか捉えられません。

もしも、最初から最善と思われる80%程度を目指していたならば、大成功という結果になるのかもしれません。

商売において完璧な結果などあり得ず、事業として100%の成果などもあり得ないのです。

債権者の厳しいチェックの入る経営改善などでも、目標の80%を達成できれば合格とされるように、誰も本気で目標の100%を達成できるなどと考えておりません。

経営改善の場合は80%が妥結点であり、妥結点を越えれば十分だと捉えて、それで経営改善は順調だと判断をされます。

ただ、この様な事実に、二代目の経営者などは、なかなか気付かれていません。

若さ溢れるパワーで、100%の目標達成にこだわろうとされるから、難しい結果になってしまうのではないでしょうか。

同じ結果であったとしても、老練な経営者の受け止め方は全く違い、妥結点を越えていれば十分な成果を得られたと納得をされるでしょう。

100%や完璧な結果は達成できるはずのない建前的な目標であり、もともと、80%程度の最善の妥結点を達成しようとするのが、熟練した一人前の経営者なのです。

妥結点を理解することが出来れば、経営者として、随分と経営が楽になると思います。

 

 

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