コロナウイルスは、人類の想像をはるかに超える力を持っていたようです。
英知を結集した科学や、熟練した政策や制度などよりも、ビジネスに対する影響は遥かに大きなものになっています。
コロナウイルスは、ビジネス構造を変えるかもしれないといわれていますが、そんな生易しいものではありません。
ご先祖様から営々と築き上げてきた『商売』の在り方が、全てシャッフルされて根本的に見直しされていくと表現した方が適切な程のものだと思います。
コロナウイルスは、変化のきっかけに過ぎないといえるのかもしれません。
コロナウイルスの騒動により、我々は様々なことに気づかされました。
当たり前だった日常が、当たり前ではありませんでした。
今まで、何の疑いもなく当たり前の様に思っていたことが、実は必要ではない無駄なものであったり、全く逆の結果を導く結果につながっていたりしています。
それほどの変化は、戸惑いを覚えるものであって、年配者には付いていくのさえ厳しく理解しがたいものになっています。
そして、この変化は、コロナウイルス終息後に、より大きなものとなるといわれていますし、環境を考えれば、そうなっていくのでしょう。
この変化に対応しなければならないのですから、経営者は大変です。
コロナウイルス渦中において、経営危機のどん底に突き落とされ、ようやく終息に向かうのかと思えば、そこからが厳しさの本番であった・・・・というのです。
しかも、もの凄いスピードで変化していき、ビジネスは、常に変化に翻弄されることになるのではないでしょうか。
この、驚異の変化に対して、経営者は適切な対応を求められます。
その対応は、様々な方向への展開になるでしょう。
中には、万が一のことも考えた守りの取組みも必要かもしれません。
事業継続が難しいと判断すれば、タイミングを間違わずに、速やかに撤収する勇気も経営者の不可欠な能力として求められるでしょう。
変化についていけないと判断すればも撤収するしかありません。
経営者には、事業撤収の被害を抑える責任があり、その可能性のある環境において英断が必要なのです。
そして、ここで大事なのは、撤収するだけでいいのかということになります。
事業の再開にチャレンジする可能性を残すためには、資産を維持したり、生活を守るといった次の準備のために、適切なタイミングでの判断が必要だということなのです。
この様な流れの中で、資産の保全は大きなキーワードになるのかもしれません。
いつ、何が、どの様に展開するのか、誰も判らないのが現実でしょうから、何があっても生き残るために、最低限必要な資産・・・事業に必要な資産,生活に必要な資産・・・を、常に確実に保全する準備は、これからの時代を生き残る前提になるのではないでしょうか。
次の、展開を予測し、準備しておくことも忘れるわけにはいきません。
次の展開を読めないのがコロナウイルス禍なのですが、想定できる展開を予測しておくのです。
様々な展開を予測しシミュレーションして、事業者としてどの様に対応するのか考えてみてください。
この様な場合には、この様に対応する・・・
そんな準備をすることで、いつでも攻勢をかけることができて、事業の再開も容易になるのではないでしょうか。
肥後藩(佐賀県)の鍋島家には、葉隠という、武士の生き方についての口伝がありました。
有名なものとしては、『武士道と云うは死ぬことと見つけたり・・・』などがあります。
その中で、『不覚の人』と『覚えの人』という比較があり、求められる武士は覚えの人であるという口伝をされています。
それぞれの意味としては、
『不覚の人』とは、次の展開の予測や準備ができておらず、覚悟のない人
『覚えの人』とは、次の展開を予測し、いつでも対応できる準備のできている人
この様な意味で、武士としては覚えの人であるべきであり、そうでなければ役に立たず、生き残ることは出来ないということになります。
今、このコロナウイルス禍で、経営者に求められるのは、まさしく『覚えの人』ではないでしょうか。
これから予測される大きな変化について、ビジネスで生き残るために予測し、準備しておくことで、成果を得ることが出来るということになります。
こんな環境でこそ、変化にしっかりと対応すべく、知恵を振り絞れる経営者が、本当の勝者になれるのだろうと思います 。
コロナウイルスも、いつかは終息をします。
そして、経済も動き出すでしょう。
その時は、以前に戻るのではなく、新しい大きな変化の始まるタイミングだと理解してください。
経営者として、今は、その展開を予測し、シミュレーションするタイミングとすへきでしょう。
そして、その時に向けて、しっかりと、準備もしておくことが事業再生への近道になるといえます。
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