倒産か、廃業か・・・


 

コロナウイルスの影響で景気は悪化し、倒産が増加している様に思えますが、現実は減少をしているそうです。

ところが、廃業する事業者は、随分と増加している様なのです。

この相反するような結果がコロナ禍の現実だというのですが、倒産と廃業は同じようなものに思えて、その違いが判りません。

そして、コロナウイルス下では、倒産と廃業さらには事業継続について、どの様に選択をしていくべきなのでしょうか。

 

2020年、コロナウイルス下で倒産件数は7773件であり、前年比だと7.2%も減少し、8000件を下回るのは30年振りとのことです。

30年前といえば、バブル景気の絶頂期ですから、凄く経営環境の良いときが比較対象になるというのには驚きます。

逆に、廃業は年間50,000件を超える勢いで、過去最高になる見込みとのことです。

倒産が減り、廃業が増えるという不思議な状況ですが、これがコロナウイルスという特殊な環境下の特徴だということになるのでしょう。

普通に捉えれば、倒産が減少しているわけですから好景気だということになりますが、現実は政策により資金繰りが確保できているにすぎず、大不況だといえます。

そして、将来の展開が見通せない大不況に絶望した経営者が、収支の合ううちに廃業しようということなのでしょうか。

進むも地獄、止まるも地獄という、経営者にとっては、本当に過酷な環境だといえます。

 

倒産が減少し、廃業が増加しているということですが、この2つの違いは判りにくいといえるでしょう。

しかし、その内容には大きな違いがあり、何よりもその選択により、経営者のその後の人生に大きな差が出てきますので、少し掘り下げて考えてみたいと思います。

廃業とは、経営者が自らの判断で、事業を止めることを言います。

経営破綻の意味を感じるかもしれませんが、事業承継の問題などや、事業の統廃合などの場面でも活用されます。

また、本来は、負債を全て処理して残さないという手続きになりますから、従業員や取引先などの関係者に迷惑をかけないという、綺麗な廃業ということになります。

しかし、中には、負債を処理しきれない廃業もあり、その場合には、倒産に進むことになります。

倒産も、事業を止めることなのですが、負債を処理しきれずに、関係者に迷惑をかけざるを得ない状況において、選択される手続きになります。

そして、この倒産という言葉は、法的用語でもない曖昧な表現なため、信用調査会社などは、以下の様に、それぞれに定義づけをしています。

 1 銀行取引停止処分を受ける
 2 内整理する(代表が倒産を認めた時)
 3 裁判所に会社更生手続開始を申請する
 4 裁判所に民事再生手続開始を申請する
 5 裁判所に破産手続開始を申請する
 6 裁判所に特別清算開始を申請する
            (帝国データーバンク)

要は、自らの意志に関わらず、事業の継続が不可能になり、処理できない債務が残ることが倒産ということになります。

この廃業と倒産の違いを、判り易く表現すれば・・・

廃業とは、負担すべき債務などはなく、のんびりと過ごせる・・・

倒産すると、その後は債権回収との厳しい戦いが続く・・・

ということになり、結果に、これほどの違いがあるということなのです。

この違いは、非常に大きなものだといえますが、このコロナウイルス下で、日々、事業と格闘されている経営者は、廃業と倒産さらには事業継続について、どの様に理解し選択をしていくべきなのでしょうか。

コロナウイルスという外因により売上が大きく喪失し、今後の展開が全く見通しが立たず、経営者が頑張りたくても経営的成果を得ることの難しい環境なのです。

経営者としては、当然に、何とか事業を維持し継続したいと思われるでしょう。

制度や政策も充実し、資金繰り面の支援も万全ですから、当座は事業を維持するのも可能だと思います。

しかし、無制限に借入が可能な訳ではなく、いつまでも支援策が継続されるわけではありません。

その時に、もしも、経営改善が成功していなければ、事業継続を断念し、整理を選択することになります。

当然に、債務超過に陥っているでしょうから、倒産を選択するしかないという可能性が高いのではないでしょうか。

債務が残りますから、当たり前の様に、廃業は選択できなくなっています。

 

こう考えてくると、見方を少し変えた方が答えは出やすいのかもしれません。

従業員や仕入れ先などに迷惑をかけず、負債も全て処理できるのであれば、綺麗な廃業を選択する意義は十分にあるでしょう。

しかし、負債を処理しきれずに、綺麗な廃業が出来ないからといって、短絡的に倒産を選択すべきでもないと思います。

この段階における倒産は、最悪の選択にしかならず、まずは、可能性のある事業を維持するという選択に取組むべきではないでしょうか。

たしかに、事業を維持して失敗すれば、廃業は無理になり、倒産という結果になってしまいます。

しかし、事業を維持する中で、経営改善に成功したり、画期的な支援策が導入されたりすれば、再生できる可能性だってあるのです。

たとえ僅かでも、再生できるという可能性があれば、事業の維持について努力すべきではないのでしょうか。

このコロナウイルス下では、あらゆる可能性をシミュレーションしてみて、様々な選択肢に順序だてて取り組むべきだと思います。

 

 

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