保証協会の、高齢者への対応・・・


孫子の兵法において、『敵を知り、己を知れば、百戦して危うからず』、ということわざがあります。

敵の事と味方の事を、事前にしっかりと熟知しておけば、戦において負けることはないという、有名なことわざであり、現在はビジネスの場面でも活用されることが多くなりました。

特に、中小零細事業者における金融機関との対応において、新規の融資をお願いする場面、返済条件の変更を依頼する局面など様々な状況において、肝に銘じておくべきことわざだと思います。

 

このことわざ、元々の原文では以下の様になります。

  『彼を知り己を知れば百戦殆からず。

     彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。

       彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し。』

敵の事と味方の事について熟知しておけば、戦において負けることはないに始まり、敵の事を知らずに味方の事だけ知っている状況ならば、勝つこともあれば負けることもあると表現し、敵の事も味方の事も知らなければ、戦えば必ず負けるという意味になります。

まさしく、中小零細事業者が参考にしなければならない、言い得て妙の表現だと感心します。

中小零細事業者の場合の敵は、ライバル事業者や得意先,取引先など様々に存在するのでしょうが、

  『 戦い = 交渉 』 として、このことわざを常に頭に入れて臨むべきでしょう。

特に、金融機関との交渉においては、欠かすことができません。

金融機関の性格や考え方、それを十分に理解したうえで、自らを求められる状況に適合させるぐらいの覚悟が、金融機関との戦いには求められます。

 

それでは、まずは『敵を知り』の敵を、信用保証協会と日本政策金融公庫としてみましょう。

そして、今回のブログでは、対象を債権放棄に絞り、期限の利益の喪失後の具体的な変化について、敵との交渉の実例をご紹介したいと思います。

最近は、信用保証協会と日本政策金融公庫ともに、債権放棄の姿勢が緩くなったとご紹介しましたが、その典型が『返済できる状況にないと、そのまま放置・・・』ということになるのでしょうか。

期限の利益の喪失をし、代位弁済などを経て、金融事故債権となると、債権者金融機関は本気で債権回収に取り組むことになります。

そうなると、債務者の状況など関係なく、少しでも早く、多く、逃がさずに回収するというのが、以前では当たり前の姿勢でした。

ところが、平成26年2月を境に、債権回収の姿勢は大きく転換をしました。

日本の、中小零細事業者向けの金融政策が、それまでの破綻をさせないという護送船団方式から、いつまでも再生出来ない事業者については、守るのではなく新陳代謝を図った方が、日本経済のためになるという判断で選択淘汰を始めたのです。

当然、淘汰するだけならば、日本経済は大混乱に陥りますから、淘汰される事業者に対して、それなりの救護策を事前に整備したうえで姿勢を転換させました。

その結果が、破産件数の激減であり、金融事故債務者に対する対応の変化ということになります。

債務者の状況など考慮せずに、強圧的に債権回収を進めるという過去の姿勢を改め、債務者の状況を加味した対応をするようになりました。

それが、想像を超えるほどの人情的な対応になり、現実的には、ほぼ放置といっていいほどなのです。

信用保証協会の、『これでは返済は難しいですねぇ、6ヶ月程、このまま様子を見ましょうか・・・。』という対応は、頻繁に見受けられるようになりました。

日本政策金融公庫の、『この状況ならば、こちらから請求はしませんので、返済できるようになったら連絡をください・・・。』といった対応も、今や珍しくなくなりました。

当然、全ての不良債務者に対しての対応ではなく、本当に返済できる資力や能力がないという債務者に対してということになります。

厳しく請求しても、債権回収はできない債務者が対象ですから、当たり前といえば当たり前の対応なのかもしれません。

しかし、その当たり前が、今までは実行されていなかったのです。

この、本来のメインテーマである債権回収を、最初から放棄した様な傾向については、今後は常態化していくようにさえ思えます。

 

東海地方にお住まいのお客様が、期限の利益の喪失にタイミングを合わせた様に『癌』を患われました。

これから、日本政策金融公庫や信用保証協会等の債権者金融機関との対応が始まるという場面だったのですが、彼ら債権者は動きませんでした。

債務者が『癌』を患われたことを知った段階で、完全に債権回収を止めたのです。

この様な事例は、以前より、珍しいことではありません。

お身体の悪い債務者や、ご高齢の債務者に対して、銀行系や政府系の金融関係機関は、十分な配慮をもって対応をしていたといえます。

そして、この傾向が、『本当に、債務弁済のための原資を持たない債務者』に対しても、広がったといえるのかもしれません。

この変化、しっかりと認識し確認していく必要があるでしょう。

 

 

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