中小零細事業者に、直接に融資をおこなう政府系金融といえば、今は日本政策金融公庫だけです。
中小企業金融公庫と国民金融公庫が昔はありましたが、2008年に、農林漁業金融公庫も加えて合併をされて、日本政策金融公庫になりました。
広義に政府系金融関連と捉えると、信用保証協会も存在しますが、それでも最後の金融の拠り所である政府系としては、たった2組織でしかありません。
資金繰りに悩む中小零細事業者にとっては、もう少し政府系金融の充実を図ってほしいというのが、共通した願いなのかもしれません。
民間の金融機関は、全てを『得』か『損』かという基準で判断をします。
得をすると判断したから取組むのであって、損をすることが判っていても取組んでくれる様な事は一切ありません。
全ての面において、合理的に対応をする、器用な組織なのです。
それに比べて、日本政策金融公庫等の政府系金融は、全ての面において不器用です。
中小零細事業者の金融の円滑化を図るという目的をもった組織ですから、最後まで正面から取り組むというのは当然なのかもしれません。
その結果として、貧乏くじを引かされる場面には事欠きません。
民間の金融機関が逃げ出して相手にしなくなった事業者にでも、一定の基準さえクリアーすれば融資を実行してくれます。
その後、すぐに返済できなくなって破綻した事例は珍しくもありませんが、逃げ出した民間金融機関からすれば、当然に予想できた結果なのでしょう。
期限の利益の喪失をして不良債権化しても、債権放棄も債権譲渡もせずに、いつまでも債務者と正面から向かい合い取り組んでくれます。
政府系だから仕方がないのかもしれませんが、もう少しずる賢く器用に対応すればと思う程、対応は常に真っ正直であり、動きは予測し易いということになります。
こんな金融組織だからこそ、我々中小零細事業者も、最後まで頼りにすることが出来るのだと思います。
ところが、こんな政府系金融も、最近は様々に変化をしてきています。
融資面においては厳しくなり、債権回収面においては緩くなったというのでしょうか。
特徴であった、1パターンの対応から抜け出し、フレキシブルな対応をとるようになりました。
特に、不良債権の処理については、驚くほど大きな変貌を遂げたといえます。
不良化した債権の、政府系金融の回収には終わりがなく、長いお付き合いを強いられるというのが基本でした。
債権譲渡も債権放棄も出来ないので、いつまでも、無駄な債権回収を続けるのが、彼らの特徴だったのです。
ところが、最近は、回収が難しい判断された債権については、無駄な対応はせずに、回収を終わらせようという傾向を見せるようになりました。
債務者の状況に合わせて、対応姿勢にメリハリをつけて、無駄な債権回収を避けようという傾向が見受けられます。
国民から預かった税金を融資したのですから、諦めずに最後まで回収をしてこいと思われる方もおられるかもしれません。
しかし、回収が不可能な債権をいつまでも追う方が、結果として、血税を無駄遣いさせるということになるのです。
債権債務の処理や債権回収に関わる制度が見直され、環境も随分と変化した状況において、駄目なものは駄目、無駄なものは無駄、そういう判断をして対応を変化させるのは当たり前だとも思います。
諸外国に比べ、債権債務処理面においては、日本は随分と後進国でした。
しかし、経営者保証に関するガイドラインなどの政策により、連帯保証人問題が随分と改善をされ、金融庁の指導により不良債権の処理対応も債務者に配慮する傾向を見せ始めています。
中小零細事業者の経営者は、破綻をしてしまうと、いつまでも債務を背負い続け、二度と再生など出来ないというのが当たり前でしたが、ちょっと違う見方も出来るようになったようです。
逃げずに、しっかりと対応することができれば、新たな人生を切り開くことも可能な環境になったのかもしれません。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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