金融事故になると、債権者の厳しい取り立が始まります。
資産は全て強制執行により取り上げられ、人間としての扱いなどされなくなり、最後の1円を回収するまで取り立てされ・・・こんなイメージがあるのではないでしょうか。
たしかに、債権回収の基本姿勢が厳しいのは間違いありませんが、現実の債権回収はもう少し人間的なものだと思います。
そして、最近の債権者は、債務者の状況に合わせて、取り立ての姿勢も大きく変化させるようになりました。
金融事故とは、借入金が返済できなくなって不良債権化することであり、具体的には期限の利益の喪失した債権債務のことになります。
期限の利益の喪失をして、今すぐ全額を返済せよという金融事故になると、取り立て側の債権者である金融機関は債権の回収に着手することになります。
この段階になると、金融機関は債権の回収を最優先し、全力で取り組むために本性を見せ始めます。
融資した債権を回収することは、金融機関の最優先事項ですから、そのためにあらゆる手段を講じて対応してくるようになるのです。
そんな、債権回収の金融機関の姿勢が、厳しい取り立てというイメージなるのだと思います。
現実的な債権回収としては、債務者の人権を無視して、全てを取り上げるような取り立ては少なくなったと思います。
バブル崩壊以降、債権回収に関しては様々な制度が確立され、債権債務処理がスムーズに進むようになりました。
その典型がサービサー(債権回収会社)制度であり、この制度の確立により長年の不良債権処理が実現できたのは記憶に新しいところです。
本来の目的は、金融機関の不良債権を処理することでしたから、その目的を十分に果たせたのですが、債務者にとっても大きなメリットのある制度でした。
この処理においては、債権者と債務者の間において、最終的に一定の金額を支払って和解するという流れになり、その過程において債務圧縮や債権放棄が当然の如く実施しされることになるのです。
本来は、絶対に弁済出来ない様な債務額が、和解により大幅に削減され、和解金を支払うことにより債務が消滅するのですから、上手く活用すればこんな有難い制度はないといえます。
最近になっても、経営者保証に関するガイドラインや特定調停スキームなどの運用も始まりました。
経営者や連帯保証人の在り方について考慮された制度であり、債務者企業の経営者といえども人権に配慮される時代になったということなのです。
ただ、ここまでは、『得』か『損』かだけを判断基準とする民間の金融機関が債権者の場合の話で、信用保証協会等の公的機関では話は違います。
彼ら公的な機関は、国民の税金を原資として活用しているため、債権放棄や債権譲渡などのシステムが基本的にはないのです。
おまけに、役人の特性で、出来るだけ多くの債権を回収しようという本来の目的よりも、自分に責任が振りかかって来ない処理というものを優先し、人間としての感情と勘定が希薄な対応するという特徴があります。
以前であれば、事業継続に必用な工場や事務所,高齢者が住んでいる自宅などでも、平気で競売を仕掛けてくるなどしていたのです。
ところが、そんな信用保証協会も、姿勢を変化させて、債務者の状況に配慮するようになってきました。
しっかりと、債務者の返済能力を精査し、廃業をしていたり、仕事がなかったり、本当に返済資力がなければ、様々な配慮を見せるようになったのです。
さらに、高齢者に対しては、顕著な配慮を見せます。
債務者や連帯保証人であったとしても、ご高齢であって具体的な対応がとれない様な状況であれば、最初に1度は呼んで事情を確認することはあっても、2回目以降も呼びつけることなど無い様に思います。
債務者や連帯保証人が、重病の場合でも同じです。
私のご相談者で、期限の利益の喪失後に癌を患われた方の場合などは、その事実を知った段階から連絡もして来なくなったほどです。
当然といえば当然なのですが、以前であれば、そんな状況でも平気で呼びつけたりするのが信用保証協会だったように思います。
今は、資産を全て取り上げられたり、人間としての扱われなくなったり、最後の1円まで取り立てをされる様な環境ではなくなりました。
期限の利益の喪失後、不安に怯えて、悲惨な選択をすることなど、今は全く不要な環境になり、真正面から取組むことで、何らかの解決ができる環境になったということなのです。
ただ、これも、最低限の知識や対応方法を取れる場合の話です。
何の知識もなく、債権者の話を鵜呑みにして対応してしまうような場合は、もっと悲惨な結果になるかもしれません。
債権債務処理の場面は、知ることが大事なのです。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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