バブルとアベノミクス・・・


 

年間の倒産件数が、なんと1万件を割ったそうです。

昨年に続いて、2年連続の大台割れで、25年振りの快挙だということになります。

25年前と言えば、平成2年。

そう、終焉に差し掛かろうとするバブル絶頂期以来ということで、今は、当時と同じ様な景気だということなのでしょう・・・。

 

あの頃は、凄い時代でした。

高度成長期に慣れ、それが当たり前だと捉えていた人たちでさえ、その異常な景気に驚き、喜び、翻弄された時代だったのです。

私は、社会人になって、未だ10年前後の頃であり、現場の最前線で走り回っている丁稚でした。

経営面での景気を実感できる立場ではありませんでしたが、日本中が異常な好景気だというのは、様々な場面で感じることが出来ました。

メディアは、日本が経済的に世界を支配している様なニュースを報道し、評論家も煽る様な論評を毎日のように加えます。

商品は、高ければ良いものという価値観が定着し、ジャンルを問わずに、高額商品が飛ぶように売れていました。

株式や不動産は、日々、高騰を続け、誰もが借入をしてでも手を染めようとし、株長者や不動産長者が続出していたのです。

連日、繁華街のタクシーは大繁盛で、タクシーに乗るには何十分と待たされ、タクシーが客を選ぶという状況でもありました。

今では、信じられない様な内容ばかりで、まさしくバブルだったのです。

 

こんな時代と、同じ様な倒産件数になったというのです。

それほど、今は景気がいいということなのでしょうか。

グローバル企業を中心に、アベノミクスは成果を出し、劇的な景気回復・経済復興を成し遂げているというのが、一般的な共通認識なのでしょうか。

たしかに、総論的には、この様な傾向になっているのでしょうが、しがない経営危機コンサルタントとして一言述べるならば、バブル期と根本的に違うのが、消費の停滞と投資の抑制,ローカル中小企業という2つのキーワードだと思います。

バブル期は、国民の消費は旺盛であり、民間の投資も際限なく広がっていました。

間違いなく、今日よりも明日には、価値が上がっている時代だったからです。

このアベノミクスも、デフレ脱却と景気回復の中で、様々に価値上昇をしているはずなのです。

しかし、消費意欲を煽るべく、様々な政策が実施されていますが、いっこうに消費は改善する気配を見せません。

民間の投資にしても、改善はしつつも様子見をしており、景気に合わせた上昇を見せようとはしないのです。

何故かと言えば、答えは簡単で、景気回復が実感できず、明日への不安が蔓延をしているからでしょう。

国民一人一人の生活は、円安により実感として悪くなっており、景気回復の恩恵がないどころか、将来への不安を抱くしかない状況で、消費や投資よりも貯蓄を選択するような流れになって当然なのです。

 

バブル期と、根本的に違うのが、中小企業の業績だと思います。

バブル期は、日本中が好景気で、地方の小さな企業も多いに儲けた時代でした。

ところが、ローカル・多層下請け・構造的という企業は、中小零細企業に関わらず、景気回復に関与できていないというのがアベノミクスなのです。

バブル期は、全ての業種が好景気を実感できましたが、今は、ビジネスシステムに問題のある構造不況業種は、急激に業績を悪化させており、立ち直れないほどダメージを受けている経営環境になっています。

また、財務管理が進歩した現在は、厳しく精査された発注単価により、仕入れ業者や下請けが利益を確保できない環境になっています。

特に、3次や4次下請けなどは、元請けが過去最高益を出すような経営でも、受注段階で赤字になるという状況で、アベノミクスはこの流れを容認してしまっているのです。

そして、根本的に違うのが、都市と地方ではないでしょうか。

バブル期は、日本全国隅々までが好景気で、地方のひなびた街の不動産さえも驚くほど価格が上昇したものです。

ところが、アベノミクスは、首都圏を中心とした大都市には大きな恩恵を与えていますが、ローカルな街は、恩恵どころか停滞や悪化が常態化してしまっているのが現実だと思われます。

 

簡単に表現すると、アベノミクスは、格差景気なのかもしれません。

全体的にボトムアップさせようという景気対策ではなく、特化した景気対策であり、一部の偏った者だけが好景気を実感できるのがバブル期とは違うのでしょう。

その他の者は、好景気を実感できないどころか、さらに厳しい状況に追い込まれてしまっているというのが、アベノミクスなのかもしれません。

 

 

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