保証債務が消失した・・・


 

経営者にとって、連帯保証というのは、いつの時代も難儀なテーマになります。

金融機関から借入をするときには、当たり前のように経営者が連帯保証人になって来られたでしょう。

その結果、万が一に借入の返済が滞る様な事態になれば、連帯保証人として、経営者の資産は自宅等も含めて借入弁済の手段として処分されることになります。

場合によれば、経営者が亡くなった後に、何も知らない相続人に連帯保証債務の請求がされることもあるのですから、経営者のテーマというよりも精神を圧迫させる恐怖にも似た制度なのかもしれません。

 

先日、地方都市の有力な経営者とお話をさせていただいた時にも、この連帯保証人制度について悩んでおられました。

本業は、その経営者が中興の祖となって、極めて高収益の優良企業となっています。

経営者は、その成果を持って代表権のない会長に退かれたのですが、それを聞きつけた地元経済界から、経営が厳しくなっている公共性の強い企業の経営立て直しを依頼されたのです。

経営者は、その企業の経営状況を調べた後、依頼を快諾して再生に取組む事なったのですが、事は簡単ではありません。

経営改善には自信があったのですが、そのための資金が必要なため、メインの地元銀行に融資を依頼しました。

その地方銀行は、経営者が経営立て直しを依頼された時、出来る限りの協力をすると申し出ていたので、当然にプロパーで融資をしてくれるものだと思っていたのですが、なんと簡単に断られてしまいました。

その代わりに、信用保証協会の保証付き融資を段取りしてくれたのですが、驚くことに経営者の連帯保証を要求してきたのです。

信じられない様な話に経営者は呆れましたが、乗りかかった船で仕方なく連帯保証人を受けるしかありませんが、もはや地方銀行の言うことは何も信用できません。

そして、この融資は、今年の春に実行されたとのことですから、もしも、『経営者保証に関するガイドライン』の知識を経営者がお持ちだったら、展開は変わったように思います。

 

セミナーなどで、『経営者保証に関するガイドライン』をご紹介すると、参加者の目の色の変わるのが判ります。

借入をするときも、返済をするときにおいても、中小零細企業の経営者にとって連帯保証人というのは大きな興味であって、もしも連帯保証人から逃れられたらどんなに幸せかと考えられておられるのかもしれません。

それほど、経営者にとって連帯保証人というのは、経営者を苦しめる忌まわしい制度だといえるのですが、『経営者保証に関するガイドライン』は連帯保証の在り方について大きく方向を転換させようとしています。

『経営者保証に関するガイドライン』を簡単にご説明すると、一定の要件の下において、

    1. 借入時に、経営者さえも連帯保証人にならない

    2. 既存の連帯保証人や、事業承継者において連帯保証を免除する

    3. 経済的合理性があれば、破産や整理時に、自宅や一定の資金を残し、残債務を免除する

当然に様々なルールがあり、簡単ではありませんが、上記の様な3つの内容が実現できる可能性があるのです。

夢の様な話ですが、間違いない事実なのです。

現実に、日本政策金融公庫などは、既に経営者さえも連帯保証人にしないことを前提に融資に取組むようになっています。

例外として、一定の要件に掛かった場合にのみ連帯保証人をとるという状況です。

また、既存の融資についての保証債務の扱いについても変化が見られます。

さすがに、既に連帯保証人になっている現経営者が、連帯保証債務を免除される事例は、それほど多くは見受けられません。

しかし、事業承継時において、後継者が連帯保証債務の承継を免除される事例は、民間の金融機関も含めて随分と増えてきたように思います。

知らぬ間に、保証債務が消失していたということなのです。

ただし、連帯保証債務の免除となる対象が、健全な企業に限られるというのは言うまでもありません。

本当に、融資が必要な資金繰りの厳しい企業にとっては、まだまだ連帯保証は必要不可欠な条件だといえるでしょう。

 

『経営者保証に関するガイドライン』が運用開始されて、来年2月で2年となります。

金融機関等においては、制度して随分と浸透してきた様に思います。

不測の事態に対応するために、再度、『経営者保証に関するガイドライン』について調べられてはいかがでしょうか。

 

 

  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,

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