銀行が返済猶予を認める理由・・・


何故、返済猶予をするのでしょうか。

返済猶予をする事によって、金融機関との健全なお付き合いは難しくなるのです。

それにも関わらず、返済猶予に取組むというは、資金繰りを確保するという最優先の目標を達成する、最上の手段であるからだと思います。

経営状況の厳しくなった中小零細企業にとって、資金繰りを確保するための手段として返済猶予は欠かすことが出来ないといえるでしょう。

返済猶予は、リスケジュールとかリスケとも言います。

金融機関からの借入について、その返済条件を変更することで、元本の返済を一部もしくは全額において棚上げしてもらうことになります。

バブル崩壊以降、中小零細企業の資金繰り確保の手段として用いられてきましたが、何の裏付けもない環境で、債権者の同意を前提に奥の手の手段として活用されていたのです。

ところが、リーマンショックを受けて、平成21年12月に時限立法として施行された中小企業金融円滑化法により、返済猶予は資金繰り確保の手段として正式な認知を得られるようになったのです。

平成25年3月末をもって中小企業金融円滑化法は終了しましたが、その後も認知された資金繰り手段として活用され続けています。

よく、黒字倒産という言葉を聞かれるだろうと思いますが、これは、本業が黒字なのに資金繰りが破綻して倒産するということになります。

本業が黒字ならば資金繰りは確保出来るはずなのにと首をかしげる経営者も多いと思いますが、これは大事な理屈を勘違いをされているからでしょう。

黒字かどうかを判断する損益計算書において、利息の支払いは計上されていますが、元本の返済は計上をされていません。

元本返済は、金融機関から借りた資金を返済する行為であり、費用でもなく損益には関与しないから計上されないのです。

したがって、損益計算書において最後に計上される純利益から元本は返済されるということになるのです。

損益計算書において、たとえ1000万円の純利益を計上していても、2000万円の元本返済があれば、資金は不足するということになります。

これが、黒字倒産の理屈になるのですが、この理屈は返済可能額の算定にも流用出来ることになります。

年間の純利益が1000万円であれば、年間の元本返済可能額はMAXで1000万円ということになるのです。

通常は、返済可能額と算定した1000万円を、変動分を見越した金額に修正して、返済猶予の交渉をすることになります。

 

ここで、再認識していただきたいのは、元本と利息の違いです。

我々債務者は。債権者である金融機関から元本という商品をお借りします。

そして、商品である元本を借りる費用として、債権者の利益となる利息をお支払いするのです。

元本は金融機関の商品で、利息は金融機関の利益ということが、返済猶予を可能にする根拠となります。

利息の減免という表現を使う方もおられますが、特殊な事例を除いて、通常の返済猶予において、利息を棚上げするというのは考えられないでしょう。

それは、利息が、債権者である金融機関の利益だからであり、返済猶予をしても元本だけが対象となり、利益である利息を支払うことにより、実質的に金融機関は何ら損をする事がないからなのです。

これが、返済猶予を成立させている根拠なのですが、最近は少し変わってきました。

今までは、建前だけに終始していた経営改善や再生というテーマでしたが、金融庁に指導により債権者が拘るようになってきたのです。

いつまでも、無駄に返済猶予を続けるのではなく、再生の可能性が高い企業には更なる手厚い支援をして、再生の目途が立たない企業の場合は新陳代謝を図れという指導です。

要は、経営改善が出来なく、再生の目途がない企業に対しては、返済猶予等の支援も打ち切り整理しましょうということになります。

最近、この動きは、顕著になってきています。

今まで、何の問題もなく返済猶予の更新を出来ていた企業が、難しい条件を突きつけられたり、更新を断られたりという事例が珍しくなくなってきました。

アベノミクスは好景気という妄想の中で、不良企業を処理してしまえということなのでしょうが、そんな簡単に潰されるわけにはいきません。

経営者として、従業員や仕入先などの社会的弱者を守る義務があるのですから、しっかりと事業資産を確保し、どんな状況でも事業継続が可能となる環境を確保する必要があるでしょう。

 

 

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