詐害行為を恐れない・・・


 

債権債務の処理に関して、必要に迫られて知識や情報を習得すると、必ず、詐害行為という言葉に行き当るようです。

経営のプロである、中小企業の経営者といえども、健全な経営時には、全く縁のない言葉ではないでしょうか。

ところが、この『詐害行為』という言葉は、資金繰りが厳しくなったり、経営状況が思わしくなくなる環境では、様々な場面で目にしたり耳にしたりするようになります。

経営危機の場面においては、それほど重要なキーワードだということなのです。

そして、この詐害行為を理解し、どの様に対するかで、今後の人生は大きく変わるともいえます。


経営危機に陥ると、どんなに神経の図太い経営者でも、多かれ少なかれ不安を抱くようになります。

これから事業はどうなるのか、人生は確保出来るのかなど、今後の展開が見えなくなるのですから、不安を覚えて当たり前なのです。

その中でも、生きていくために必要不可欠な自宅などの資産が、今後どうなるのかは、不安を覚える大きなポイントになるでしょう。

もしも、経営する会社が破綻すれば、連帯保証をしている代表者も、当然に全ての資産を喪失してしまうという流れになりますから経営者は大変です。

しかし、現実的には、そんな単純なものではありませんし、そんな過酷な結果だけを求めているわけでもありません。

経営する会社が破綻しようとも、経営者の対応次第で、その連帯保証をしている経営者の自宅を守る方法は複数存在するのです。


自宅の保全については、健全な経営状況が続けば何も問題はありません。

ところが、会社の経営状況が悪化して、結果として破綻でもしてしまえば、連帯保証をしている代表者として、当然にその資産も弁済に充当される資産になると考えるべきなのです。

法治国家である日本においては、そういう流れが当たり前で、今後、生きていくために必要な自宅も喪失するのが当然だと理解されています。

しかし、本当に、それでいいのでしょうか・・・。

そういう流れだからと言って、何もせずに自宅を諦めていいのでしょうか・・・

責任ある経営者として、その選択に間違いはないのでしょうか・・・。



経営者である貴方には、守らなければならない社会的弱者である関係者が沢山おられます。

従業員は当然のこと、仕入先や外注などの取引先も、経営者である貴方を頼りにしている社会的弱者なのです。

そして、何よりも、貴方だけを頼りにしている家族がおられます。

そんな社会的弱者を守らずして、責任ある経営者として、そして人間として如何なものなのでしょうか。

経営危機の厳しい環境で、何が大事なのかを考えれば、そんな社会的弱者を守ることが最優先であることは間違いありません。

そして、そんな社会的弱者の生活を守るためには、自宅に関わらず、事業継続に必要な資産等も守るという経営者の責任を果たす必要があるのです。


詐害行為とは、債権者の権利を侵すことを知りながら、資産等を保全する行為のことです。

例えば、債権者である金融機関に差押されない様に、債務者所有の不動産を親族の名義に変更したりするようなことを詐害行為と言います。

健全な状態 (債務超過になっていない経営状況) にあるときに成された行為や、受益者が詐害の事実を認知していなければ、詐害行為としては考えられにくくなります。

債権者が、詐害行為ではないかと疑いを持った場合は、詐害行為取消請求の裁判をしてくることになり、裁判において詐害行為と認められれば現状に復さなければなりません。

様々な専門家は、簡単に詐害行為だから駄目だと表現しますが、詐害行為だと認定するのは裁判なのです。

したがって、債権者が詐害行為だと主張するには、その取消請求を裁判所に請求する必要があるのです。



経営危機において、今後の事業や人生の展開を考えれば、資産の予防保全は極めて重要なことです。

その対応において、自宅などの資産を保全する行為は、詐害行為として扱われ易いという事実はありますが、詐害行為かどうかの判断は裁判の結果であり、何でもかんでも詐害行為ではないのです。

詐害行為に危機意識を持って対応されるのは良いことですが、経営危機に陥った経営者としては、責任を持ってもっと優先すべき事があるでしょう。

社会的弱者を守るために、可能性の低い詐害行為の追及を恐れるよりも、詐害行為を充分に理解して根拠を明確にした上で、事業用資産や自宅などの資産を守る可能性を優先すべきではないでしょうか。

詐害行為は、恐れる必要などないと思います。

 

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