私は、女性に関する問題は苦手です。

 

苦手というよりも、もっとも嫌いで避けたい分野なのかもしれません。

 

青春時代から、女性にモテなかったために、勝手に硬派銀次郎を気取っていたほどですから、私に女性の事を聞かれてもお答えする自信が無いのです。

 

しかし、この仕事は、けっこう女性に関わるご相談を受けることが多くて、その点は大変なのです。

 

 

女性に関するご相談といっても、愛人の問題や浮気がバレたということではありません。

 

対象は、あくまでも奥様で、経営危機に陥ったときの夫婦関係についてのご相談になります。

 

経営危機に陥り、会社の将来に不安をおぼえると、当然に経営者やその家族の生活も不安になります。

 

夫婦として、経営危機に陥っている事実を、奥様も知っておかなければならないでしょうが、これがなかなか難しいのです。

 

奥様が経理を見ておられる場合などは、社長であるご主人よりも経営状況を把握されているでしょうから、説明をする必要などはないでしょう。

 

しかし、奥様が直接は業務に関与されていない場合などは、夫として、言うべきか、言わざるべきか、悩むところなのです。

 

言えば、奥様に余計な心配や負担を与えるかもしれませんし、何らかのアクションが帰ってくる可能性もありますから、伝えるには度胸もいります。

 

 

悩むところですが、これは、できるだけ早く奥様に伝える方が、良い結果を得ることが多いように思います。

 

限界の場面まで伝えることができずに、夫婦として、将来の生活についての準備が出来ていないというのは、最悪の結果になってしまいます。

 

伝えることに、色々な不安もありますが、できるだけ早い段階で奥様に現状を説明して、共に頑張ることが大事なのだと思います。

 

事業の、経営危機を打開するために共に頑張り、今後の展開を想定したうえで、家族の生活を維持する準備も共に進めることが、良い結果を得ることにつながるのです。

 

 

 

ただ、共に頑張っていただける奥様だけではないようです。

 

中小零細企業の経営者の奥様にも色々な方がおられて、経営危機であることを伝える事について、ご主人が躊躇されるような奥様もおられるのです。

 

夫婦とは、いったい何なのかと、頭を抱えて考えさせられるような事例は、けっして珍しくないのです。

 

経営危機が伝わる事によって、夫婦関係が破綻するというのは、現実の世界でも少なくありません。

 

この場合の多くは、直接に伝えるのではなく、生活費が確保できなくなることによって、経営危機であることを奥様が知られることから始まります。

 

生活費が足らず生活が出来ないという状況なのですから、現状のまま何もしないという答えはなく、本来は、奥様がご主人を手伝って頑張っていただくという答えが欲しいところなのですが、夫婦関係の破綻を選択される奥様がおられるのです。

 

生活もできず、将来の安定や保証もないわけですから、夫婦として一緒にいる必要がなく、離婚をして夫婦関係を解消されるのです。

 

中には、さっさと離婚するときに、なけなしの資金を、慰謝料として持っていかれる奥様さえおられました。

 

 

経営者から、奥様に現状を説明してほしいとの要望があり、ご夫婦と面談したときに、奥様がご主人を罵倒される場面を拝見したこともあります。

 

来社されて、私が現状のご説明を終えると、いきなり　『私の、これからの人生をどないしてくれんねん！　　(大阪弁です・・・)』、と、私の面前で罵倒され始めたのです。

 

これにはビックリしてしまいましたが、何とかその場を収めてもらい、今後の方向性についてもご説明をしましたが、奥様は最後までご主人に高圧的な態度をとり続けられました。

 

奥様は、今でも煌びやかなファッションに身を包み高級外車に乗られ、景気の良い時には頻繁に海外旅行にも行かれ、散々に贅沢をされてこられたのです。

 

なのに、経営危機に陥ると、まさしく手の平を返したこの対応ですから考えさせられます。

 

 

 

ただ、この様な対応をされるについて、奥様に、一方的に問題があるわけではありません。

 

多くの場合、過去の、ご主人の女癖の悪さが影響している様に思います。

 

奥様は、生活のために我慢して、夫婦としての仮面を被って来られたのでしょうが、経営危機に陥って将来の生活が保証されなくなったため、自然に夫婦の仮面を外したというだけなのでしょう。

 

そう考えると、景気の良い時から、女遊びなとせずに、ちゃんとしておかなければなりません。

 

なぜなら、経営危機の場面でこそ、健全な夫婦関係が求められるからです。

 

経営危機では、資産の保全対策などで、奥様が担うべき役割は非常に多くなります。

 

したがって、経営危機を打開するためには当然のこと、ご夫婦を含むご家族が安定した生活を維持するためにも、夫婦仲良くは絶対条件なのです

 

 

 

この様に、経営危機では、夫婦関係の実体が浮かび上がってきます。

 

特に、奥様の本当の姿が見えてくるもので、仲良く見える夫婦といえども、経営危機で手の平を返す方もおられるのが現実です。

 

ただ、この様な方は、私が知る限り、当然にごく僅かです。

 

ほとんどの中小零細企業の奥様は、経営危機でこそ、真摯にご主人を支えるという素晴らしい日本の女性なのです。

 

 

景気の良い時、中小企業の経営者の生活は派手になりがちだと思いますが、普段からの生活態度には気をつけなければなりませんね。

 

 

 

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