役に立たない専門家の資料・・・


経営者の心理で、不思議に思うことがあります

経営の専門家と称する方に、自社の経営に関する主要テーマを全て任せて、頭から信用しようとされて取組もうとされることです。

専門家のアドバイス通りに実行して、結果が上手くいけばいいのですが結果はどうなのでしょうか。

その、機転のきいた口車に乗せられ、上手くいっている様に錯覚しているだけで、現実としては上手くいっていない様に思います。

経営に関しての専門家への相談は、本来は、気付きをいただくものだと思います。

経営全般の共通するテーマについて、欠落したり不足している内容や理解が間違っている対応について、確認したり修正したりするための、気付きやヒントを得るためのものではないでしょうか。

そのヒントをベースに、経営者が自ら経営に取組むためのものであって、けっして、経営の根幹に関するテーマについて、委託するものではないはずなのです。

それなのに、バカ高いお金を支払ってまで、頭から信じ込んで委託されるその心理が理解出来ないのです。

 

たとえば、資金繰り表の作成について考えてみたいと思います。

経営が厳しい状況になると、融資や返済猶予等の金融機関との交渉について資金繰り表は必要不可欠ですし、現実的にも常に資金繰りに気を配らねばなりませんから、その内容については出来るだけ正確なものにしたいものです。

それなのに、自ら作成することを放棄して、税理士さんや経理担当の事務員さんなどに丸投げされる経営者が少なくないのです。

たしかに、販売管理費などの経費については税理士さんや事務員さんの方が正確に入力できるかもしれません。

しかし、資金繰り表で大事なのは、今後の売上の予測であり、経営改善と連動させた売上粗利益についての予測なのですから、経営の実情を最も理解し経験もある経営者の予測に基づいて作成すべきなのです。

税理士等の財務の専門家では予測できるはずもなく、過去の傾向の中でしか策定しませんから、実体とは随分と乖離したものになり、そんな資金繰り表を信じて活用すれば大変なことになってしまうでしょう。

資金繰り表は、経営者自らが苦労して作成し、日々、手元において目を通し、状況に合わせて変更したり、具体的に活用することによって成果が得られるもものなのです。

 

もっと顕著なのは、経営改善計画に関わる資料です。

経営危機に陥った企業が、正規のルートで再生を目指すことになると、デューデリジェンスと経営改善計画に関する資料を求められることになります。

デューデリジェンスは、企業や事業の価値や資産状況を精査する作業になり、公認会計士等が、債務者に依頼されて作成するのが一般的ですが、実際は債権者側からの強い要望に基づいたものになります。

経営改善計画を策定するにおいて必要な基本となる資料と言われていますが、現実的には、再生の可能性を判断する資料であり、いざという時に債権者が債権回収を図るための資料となりますから、再生を目指す債務者が、膨大な費用掛けて作成する意味が判りません。

中小零細企業の場合は、返済猶予や再生に取組むという債務者の弱みに付け込み、債権者が債権回収のために強要するという図式になるのですが、債務者にとってはほとんど意味をなさない資料だいえます。

経営改善計画書については、さらに言うに及ばずとなります。

専門家といわれる方々は、経営者等からの僅かなリサーチにより、立派な経営改善計画書を簡単に作成します。

『どこの大企業の計画書なのか・・・』というぐらいに立派な、どこに出しても恥ずかしくない出来栄えで、内容を見ても至極ごもっともな内容が並んでいます。

これなら、高い金額を払っても惜しくはないと思うかもしれませんが、実はこれが大間違い。

環境も事業も現状についても数字でしか理解せず、人の感情などに忖度しない専門家が作成した見栄えが良いだけの計画であり、机上の空論でしかないのです。

こんな内容に沿って経営改善を実施すれば、再生出来る企業も破綻しかねないでしょう。

 

経営危機に陥ると、増幅する不安の中で、専門家といわれ方々に望みを託したいという経営者の気持ちは判ります。

しかし、専門家に相談し依頼するにしても、経営そのものを任せるものではありません。

様々な状況において、経営についてのヒントを求めるだけのことだと理解すべきなのです。

あくまでも、そのヒントをベースに、経営者が自らの力で解決していくものだと思います。

コンサルタントなどの専門家は、結果が上手くいけば、アドバイスが正しかったことを誇ります。

しかし、結果がよくなければ、何をしていたのかとクライアントを責めますから、無責任で楽な商売だとも思います。

しかし、我々は、そんなことはできません。

経営危機打開のコンサルタントとして、ご相談者の人生をお預かりするのですから、しっかりと最後まで責任を持った対応をしなければならないのです。

褌を締め直して、頑張らなければなりません。

  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,

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