詐害行為の改正点・・・


資金繰りは、常に中小企業経営者を悩まします。

資金が不足する中で、何を優先すべきなのか・・・

この様な厳しい状況の中で、事業は継続できるのか・・・と、将来を考え、様々な思いが交錯するでしょう。

将来を考え、具体的な対策を実施されても不思議ではありません。

そんな時に、注意しなければならないのが詐害行為になります。

 

今回の民法改正において、詐害行為は大きなチェックポイントになるでしょう。

詐害行為とは、債権者の権利を侵すことを知りながら、資産等を強制執行などされないように保全する行為のことになります。

事例を挙げてご説明をすれば、借入金を返済できなくなった様な状況で、債権者の金融機関等から差押をされないために、債務者所有の不動産の名義を変更したり、他の担保を付けて価値を無くしたりするような行為が対象となります。

健全な状態 (債務超過になっていない経営状況) にあるときの行為や、受益者が詐害の事実を認知していなければ、詐害行為として捉えにくくもなります。

債権者である金融機関などが、詐害行為ではないかと疑いを持った場合は、詐害行為取消請求の裁判をしてくることになり、裁判において詐害行為と認められれば現状に復さなければなりません。

様々な専門家は、それは詐害行為だから駄目だと簡単に表現しますが、詐害行為だと認定するのは裁判なのです。

したがって、債権者が詐害行為だと主張するのであれば、その取消請求を裁判所に請求しなければなりません。

経営危機の環境においては、常に詐害行為を意識しておく必要がありますので、打開のために具体的に理解しておきたいのが詐害行為なのです。

 

今回の民法改正の内容を、新旧対比の資料で確認すると、条文が新規で追加されたのは、詐害行為に関する項目が突出して多い事に気付きます。

改正というよりも、新規が10倍ぐらいに増えている様な状況ではないでしょうか。
120年前に制定された旧民法では、詐害行為については簡単にしか触れられておらず、多くの詐害行為取消請求に関わる過去の判例を、今回の改正で明文化したために項目が膨れ上がったようです。

では、民法改正における、詐害行為のポイントを順にチェックしていきたいと思います。

・ 詐害行為取消請求に関わる消滅時効の期間の変更が挙げられ、『行為をしたことを債権者が知った時から2年』もしくは『行為の時から10年』となりました。

・ 詐害行為の対象が、『法律行為』に限定されず、『行為』全般に変更されました。

・ 詐害行為の後で発生した債権も、詐害行為取消請求の対象となりました。

・ 状況により、相当の対価を得た行為でも、詐害行為取消請求の対象となりうるようになりました。

・ 偏頗的な債務の弁済は、詐害行為取消請求の対象となりうるようになりました。

・ 複数の転得者が存在する場合、全ての転得者が悪意でないと詐害行為取消請求できなくなりました。

・ 詐害行為取消請求において、何を請求できるかが明らかになりました。

・ 詐害行為取消請求の被告が明らかになりました。

・ 債権者は、債務者に対して、遅滞なく訴訟を告知しなければなりません。

・ 詐害行為取消請求の範囲が明らかになりました。

・ 詐害行為取消請求において、債権者は自分に直接に引き渡しを請求できるようになりました。

・ 詐害行為取消請求の効果が、債務者にも及ぶようになりました。

・ 受益者は、債務者に対してした給付を取り戻せるようになりました。

・ 転得者の権利が保護されました。

以上の様に、詐害行為に関しては、新規で条文が随分と追加されました。

しかし、条文を読んだだけで、我々、法律の素人が内容を理解できるものではありません。

上記の様に、内容をピックアップしても、何のことか分かるはずもありません。

これらの改正点について、具体的に内容を判り易く確認して、今後の環境悪化に対応できるように、しっかりと備えていきたいと思います。

 

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