第二会社がバレた・・・


債権者の対応が、尋常ではありません・・・

期限の利益の喪失をし、金融事故になってから12年も経つのに、未だに債権回収に積極的なのです。

原債権者の銀行から、サービサーに債権譲渡をされても、同じように差押えなどの債権回収が続いています。

12年も経てば、多くの債権者は債権回収を半ば諦めるものなのに、この厳しい追及姿勢は、第二会社に事業を譲渡して今も頑張っていることを知られてしまったのかもしれません・・・。

期限の利益の喪失をして金融事故になると、その後の債権回収の動きは、ほぼ予想できます。

他の事例から、この頃には、こういう対応をしてくるだろうと、時期も含めて予想が可能であり、事前の準備をすることもできます。

第2会社に事業を譲渡して逃がした場合も、債権者の対応において同じことがいえます。

第2会社とは、現在の会社とは完全に別の人格で、現在の会社の事業を譲渡することにより、継続して事業を展開する会社のことになります。

バブル崩壊以降の大量の不良債権処理とともに急に使われだした方法であり、債務者が債務を支払いきれない状況において、別に新会社を作り旧会社から事業を継承し、その後に旧会社を整理するというのが、一般的になります。

第2会社を活用する場合、旧会社の債務を第2会社が引き受けないということが重要であり、債権者から異議がでないように十分な対応を採らなければなりません。

したがって、第二会社の設立から活用に至るまで、繊細な注意と最善の配慮が必要となります。

しかし、一定のルールさえ守れば、債権者などから詐害行為で追及されないのが、第2会社だともいえます。

旧会社の債権者が、第2会社の存在を知らなければ、追及など出来るはずもありません。

その存在を知ったとしても、人格が全く別で、因果関係も窺えなければ、詐害行為として追及したくても追及できないといえます。

ところが、第二会社の存在を債権者が知ると、第2会社に対して詐害行為として追及できなくても、債務者である旧会社への追及が長引く可能性があるのです。

 

いつまでも、債権者が回収を諦めてくれないので、不思議に思ってよくよく考えてみると、第二会社がバレていたように思われます。

旧会社と、人格が完全に違うように、名称,所在地,役員,株主が重複しないように第二会社を設立しようとしました。

しかし、所在地を変えるのが難しいのです。

商業登記簿謄本の本店所在地は変えましたが、実際に業務をする場所が、工場や店舗の場合に、設備や備品の関係で旧会社と同じ場所で継続するしかありませんでした。

事業を承継するうえで、看板だけ変えて、そのまま同じ場所で事業を継続したことが、債権者に知られてしまったようなのです。

 

Kさんは、関東の地方都市で、車の修理工場を経営されていました。

経営環境が悪化する中で、経営は厳しくなり、借り入れの返済も厳しくなるころ、事業を守るために第2会社を設立されたのです。

完全に人格の違う会社にしたかったのですが、修理のための機械などを移すことができなかったので、旧会社の工場をそのまま引き継いで使用するしかありませんでした。

第2会社で事業を展開して暫く経ったころ、突然に旧会社の債権者が第二会社を訪れてきて、Kさんが応対をしてしまいました。

債権者は、旧会社の名前を出して、色々と尋ねてきましたが、関係のない会社だと主張するしかありません。

債権者は、Kさんの作業着の胸に刺しゅうされた名前に目をやりながら、口元に冷笑を浮かべて帰っていきました。

それから10年以上経ち、その債権者からサービサーに債権譲渡をされましたが、この間、債権回収が止まることはありません。

元の債権者には、支払の督促についての訴訟をおこされましたし、その流れから差押は定期的に続いています。

サービサーに債権譲渡されてからも、預金口座や生命保険などへの差押えが、当然のごとく継続をされているのです。

あの債権者の冷笑は、第二会社のことは全てお見通しだということだったのでしょう。

 

Bさんは、大阪の船場で、繊維問屋を経営されていました。

順調だった事業は、バブルの崩壊とともに狂いだし、バブル期の不動産投資の弁済が重く圧し掛かってきます。

資金繰りが厳しくなったころ、事業を維持するには、第二会社を設立して番頭に事業を譲るしかないと考え、第二会社に事業譲渡をしました。

番頭さんにのれん分けという形態をとったのですが、Bさんに第二会社の知識は乏しく、同じ場所の同じ店舗で、第二会社の事業を始めてしまいました。

旧会社は、借入の返済などもできずに、実態は廃業という形態になったのですが、Bさんは以前と変わらず、同じ場所にある第二会社の真ん中で采配を振るっています。

そんな姿を、債権者の金融機関の担当者に見られましたし、訪ねてきた信用保証協会にも知られてしまいました。

第二会社に対して、詐害行為の取消請求などはされませんでしたが、債権者は普通とは違う対応をとり、特に信用保証協会は時効の中断に関しては厳しい姿勢を見せます。

最初の5年目の時効は債務承認をさせられましたが、次の5年目の時効は訴訟にて時効を中断されました。

これで時効期間は10年になり、次の時効期間の完成は、代位弁済されてからでは20年目となります。

この間、Bさんは一度も弁済をされていないので、次の時効の中断において、信用保証協会が高い費用を掛けてまで、裁判手続きの訴訟をしてくるとは考えにくいといえます。

ところが、信用保証協会は、20年目の時効期間の前にBさんを呼びつけて、債務承認をしないことを確認すると、当たり前の様に訴訟をしてきたのです。

1円も回収できていない債務者に対して、費用を掛けて2度目の訴訟ですから驚きます。

何とか債権回収をしようという姿勢は評価できるのかもしれませんが、結果として税金の無駄遣いにしかなりません。

それでも、2度目の訴訟までして時効を中断しようとするのは、第二会社の存在に対する債権者の意地なのでしょう。

 

第二会社は、詐害行為を追及され易いといいますが、現実はそうでもないようです。

 

 

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