ひと口に経営危機といっても、その状況により、厳しさには雲泥の差があります。
そして、その状況をまずしっかりと理解・把握し、そのレベルに合わせた取り組みをしなければなりません。
経営危機の状況認識をすることにより、打開に向けた取り組みが始まるということになるのですが、実は、経営危機の状況(レベル)を認識し、取り組み判断するという流れが簡単ではないのです。
前回のブログで、経営危機の簡易な判断方法をご紹介しました。
これにより、経営危機状況かどうかについては、ご理解をいただけたと思います。
今回は、経営危機状況のレベル(深刻度)についての、私の判断方法をご紹介したいと思います。
経営危機状況のレベルとは、どの様な取り組みが可能かによって、そのレベルが決まってくると思います。
経営改善により再生が可能かどうか、さらには事業の維持が可能かどうかという2つのポイントで、取り組みの方向性が決まりますので、それに合わせて経営危機度のレベル分けをすることになります。
取組の方向性としては、以下のような分け方になります。
① 経営改善により、現経営形態での事業再生が可能 (深刻度軽)
② 経営改善による再生の可能性はあるが、失敗する可能性もある (深刻度小)
・・・経営改善に取組むが、別形態での事業継続も準備する
③ 現経営形態での再生は難しいが、別形態で事業を維持できる可能性がある (深刻度中)
・・・経営改善は諦め、形態を変えて事業を維持する
④ 別形態でも、事業の維持は難しい (深刻度大)
・・・経営も事業も諦めることになります
上記の4パターンにレベル分けすることになるのですが、その経営危機の深刻度についてレベル分けは、以下の基準で判断することになります。
Ⅰ.収益性の状況
ア 営業利益が黒字
イ 改善により営業利益の黒字は可能
ウ 改善しても、営業利益の黒字化は難しい
Ⅱ.経営改善度の状況
ア 経営改善には取り組んでいない
イ 経営改善に取り組んでいるが、成果は得られていない
ウ 経営改善に取り組み、経費の圧縮などを十分に実施している
Ⅲ.資金繰りの状況
ア 6か月以降も、資金繰りは確保できる
イ 3か月ほどは資金繰りが確保できる
ウ 有事の資金繰りにより、3か月ほどの資金繰り確保が可能
上記の収益性,経営改善度,資金繰りという3項目により、経営危機の深刻度レベルを算定します。
そして、その算定した結果により、経営改善や事業の継続の可能性を判断し、取り組みの方向性を選定することになり、表にまとめると以下の様になります。
収益性 経営改善度 資金繰り
① 経営改善に取組む ア ア ,イ ア
② 経営改善と別形態の準備 イ ア ,イ ア ,イ
③ 別形態で事業継続 イ イ ,ウ ア,イ,ウ
④ 会社も事業も諦める ウ ウ ウ
たとえば、収益性として営業利益が黒字で、経営改善には未だ取り組んでおらず、資金繰りは6か月以上確保できている状況ならば、無条件で経営改善に取組み、再生を目指すべきでしょう。
もしも、収益性として赤字だが、今後、経営改善に取組むことにより黒字確保の可能性があり、資金繰りも3か月ほど確保できる状況ならば、経営改善に取組むことにより再生を目指しながら、万が一のことも考え、別形態で事業の維持を図る準備も進めるべきでしょう。
さらに、既に経営改善に取り組み、経費の圧縮など十分に実施しているが、営業利益の黒字化は難しく、有事の無茶な資金繰りをしても、3か月も資金繰りが確保できないような状況であれば、経営の継続は当然の事、事業の維持も諦めるべきだということになります。
この様に、レベル分けの表で、収益性,経営改善度,資金繰りの基準を当てはめることにより、取り組みの方向性が判断できることになります。
以上が、経営危機状況のレベル(深刻度)による、取り組みの判断基準になります。
当然、その他の状況などにより判断が変わる場合もありますし、ある程度の誤差は当然に発生しますが、大きな方向性としてはこの基準で適合するのではないでしょうか。
あくまでも、私の判断方法ですので、目途としてご理解いただければと思います。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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