会社再生と事業再生、何が違うのでしょうか・・・。
よく似てはいますが、優先すべき対象が異なり、会社再生は会社の経営の維持を最優先し、事業再生は事業の維持を優先することになります。
現在においては、形態を変えてでも、事業を再生させようというのが、再生の主流になりつつあるようです。
そして、会社の再生は難しくて、事業の再生は、それほど難しくはないというのが現実だともいえます。
債権放棄さえ、再生スキームにおいて、具体的に組み込むことかできれば、再生はそれほど難しいことではないでしょう。
しかし、債権者サイドは、債権放棄など回避して、あくまでも債権を完済させるスキームを選択しようとします。
債権回収を主目的とする金融機関にすれば、それは当然なことなのでしょう。
しかし、債務者にすれば、完済スキームは長期戦になってしまい、現実的に再生が遠のくことになってしまうのです。
最近は、多くの債権者金融機関が、返済期間を長期化してでも返済を継続させようします。
中小企業再生支援協議会が絡むと、最長で30年という途方もないものまであるのです。
30年間の分割弁済であれば、膨大に膨れ上がった借入等の金融負債も、弁済が可能になるだろうという、極めて単純な計算による対応です。
たしかに、業績が回復傾向にある企業であれば、弁済期間を何倍にも長期化すれば、単純計算で完済も可能になるのでしょう。
しかし、30年という長期間、その債務者企業は、与信不足の中で事業を継続しなければならないということになります。
資金繰りのために、新たな融資が必要にもなるでしょう。
必要機材のリースも発生するでしょう。
与信不足に陥った企業も、当然に自前で遣り繰りする努力はするでしょうが、30年という長期間、新規融資や、新規リースをせずに事業継続が可能なのでしょうか。
多くの事業者において、普通であれば、間違いなく無理だといえるでしょう。
しかし、金融庁は、リスケなどをしている与信低下企業についても、前向きに新規融資等に取り組むように金融機関に指導をしているから流石です。
さすがに、中小企業の金融を総括する金融庁ですから、このタイミングで、この様な指導を出す重要性を判っています。
そして、金融機関も、この金融庁の支持の意味を十分に理解していますから、話は早いのです。
多分、どこの金融機関も、与信の低下した企業に対して、前向きに新規融資にとり雲絵とはしません。
日本政策金融公庫や信用保証協会の100%保証であれば、可能性もあるでしょうが、民間金融機関のプロパー融資であれば、まず可能性はないといえます。
金融庁の指導が、責任回避のための『建前』であることを、民間金融機関は理解しているからです。
そして、その建前に対して、新規融資など出来るはずがないというのが、民間金融機関の『本音』だといえます。
政治も役人も経済界も、何年も中小企業の事業再生について努力してきたようですが、画期的な成果は得られていません。
この原因は、債権者側の債権回収という最重要テーマを優先して、合理的な、債権放棄に前向きに姿勢を持たないからだと思います。
建前的には、民間金融機関において多用されるサービサーへの債権譲渡というシステムにおいて、債権放棄は存在します。
債権額の何%という僅かな金額で債権譲渡されますので、残りの債権の大きな部分が放棄されるというシステムです。
しかし、これは金融機関にとっては、サービサーを活用した間接償却になり、債務者を対象とした直接償却ではありません。
したがって、債務者にすれば、債権者であった金融機関に続き、サービサーという債権回収の強者まで相手にしなければなりません。
しかも、本当に僅かなパーセンテージでの債権譲渡ですから、債務者と一定の債権債務を弁済することにより、在債を直接に償却した方が、金融機関も遥かに得する可能性が高いのです。
債務者が、本当に望むべきは、事業再生ではなく、会社再生だと思います。
現形態のまま、事業を継続できることが、全ての関係者にとって良い結果をもたらすことになるのは間違いありません。
そのためには、経済的合理性のある債権放棄を、再生に向けての、当たり前の手続きとしてシステムに組み込むべきだと思います。
それは、債権者である金融機関も得をすることができて、そんなに難しい手続きでもありません。
ちょっと、考え方を切り替えるだけのことなのです。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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