経営者夫人の、『もう自殺しなくてもいいのですね・・・』という、くぐもった声が聞こえてきます。
散々に金融機関から恫喝をされ、精神的に追い込まれて、正常な思考ができなくなって、そんなとんでもない選択を考えられたのでしょう。
経営危機において、自殺という選択は、最悪の結果を招くということを理解してください。
銀行などの金融機関は、知性と品性が溢れる紳士的な行員ばかりだというイメージがあるのでしょうか。
そんな彼らが、我々を騙したり嘘をついたりするはずがないと、思っておられる事業者が未だに多いのだろうと思います。
たしかに、健全な取引おいては、そんなイメージ通りの対応をされる行員がほとんどでしょうが、債権回収が絡むと、彼らの品格は一変してしまいます。
専門知識の豊富な行員が、債権回収のためなら、何でもあり、という姿勢で債務者に向かってくるようになります。
債務者の不安を煽る様な表現を使ったり、実際に恫喝をしたり、詐欺的な対応をしたりと、債権回収のためなら手段を選ばないのが、金融機関の行員だったのです。
貸し剥がしが社会問題になった頃から、金融庁の指導も厳しくなって、そんな酷い話を聞くことは少なくなっていたようですが、現実の債権回収の場面においては、何ら変わっていないのかもしれません。
Aさんは、地方都市で、特殊な技術を必要とする仕事をされています。
将来を見越せば、極めて有望な仕事だと思われますが、まだ需要はそれほど多くはなく、資金繰りに追われる毎日です。
地方銀行をメインバンクに、日本政策金融公庫からも借入をして資金繰りを回していますが、突然に資金が不足することも少なくありません。
そんな時は、クレジットカードから借入をして、何かと資金繰りを維持する状況ですが、それでも資金繰りは厳しく、返済は遅れ気味になっています。
仕方なく、メインバンクに返済猶予を申し込んだのですが、地方銀行の担当者は、なんとM&Aを勧めてきたのです。
Aさんは、技術には自信があり、必ず再生が出来ると信じていますから、その話は断られましたが、地方銀行の担当者は簡単に諦めません。
どうやら、その担当者のお客さんがM&Aの相手先の様で、何とか成功させようと強く勧めてくるのです。
それでも、Aさんは事業を自ら展開したい意思が強く、担当者の勧めを断り続けました。
すると、担当者は、厳しい表現を使い出したのです。
『M&Aに取り組まないのなら、返済猶予はしませんよ・・・』と言います。
M&Aと返済猶予は関係がなく、単に担当者が自分の成績にしたいだけですが、Aさんにはそんな知識はありません。
さらに、カードローンの支払いが遅れ気味なのを知っている担当者は、『破産は、債権者からも申し立てが出来ることを知っていますか? もし、僕がカードローンの担当者なら、必ずAさんの破産を申し立てますよ・・・』と脅してきました。
カードローン会社が、100万円を切る様な僅かな回収のために、第3者破産を申し立てるなど聞いたことがありませんが、Aさんは破産という不安を抱くことになってしまいます。
また、期日の迫っている手形貸付についても、『この手形貸付を期日に弁済しないと、不渡りになって、すぐに会社は倒産しますよ・・・』と担当者は言います。
自行発行の手形による手形貸付が、不渡りになるなど聞いたことがありませんが、Aさんにすれば不渡りという恐怖に、押し潰されそうになってしまいました。
こんな脅しが、面談の度に繰り返されるのです。
知識のないAさんは、全てを現実として受け止めるしかなく、先の見えない絶望の淵に追い込まれることになってしまいました。
そんなAさんに対して、地方銀行の担当者は容赦せず、ボールペンを机に叩きつけるなどして、恫喝的な行為さえ見せるようになってきました。
正常な思考さえも喪失させられたAさんは、対応すべき手段を見つけられずに、10年前に加入した掛け捨ての生命保険に活路を見いだそうと、奥様に相談をされたのです。
自殺をすれば、保険金が入って、事業が継続できるのでは・・・。
そういう答えを選択しようとされていたのです。
経営危機で、自殺という選択肢などあり得ません。
経営者ご本人は、自殺をすることにより保険金が入り、それで借入を弁済して資金繰りが確保できて、事業継続が可能になるとでも考えられるのかもしれませんが、現実はそんな簡単なものではありません。
経営者が自殺することにより、生命保険が入るまで資金が持つ可能性は極めて低いですし、何よりも誰が事業に責任を持たれるのでしょうか。
当然に、変な噂も流れるかもしれず、事業継続の可能性は極端に低くなってしまうでしょう。
何よりも、経営危機において、自殺は最悪の選択肢であり、もっと有効な選択肢が様々に存在するのです。
自殺を選択しようとされていたAさんは、今は笑顔で頑張っておられます。
Aさんは、正しい情報や知識を得ることにより、自殺という選択肢は消失し、地方銀行の担当者の言葉に踊らされることもなくなり、前向きに事業の継続に取り組めるようになりました。
僅かな知識が、人生を守ります。
前向きな気持ちが、事業を継続させます。
諦めれば、終わりなのです。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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