債権者への説明のポイント・・・


 

『代位弁済されて以降、毎月30,000円の弁済で信用保証協会は了解をしてくれました。』

 

『それって、多いのでは?  私は10,000円程度だと聞いたのですけど・・・。』

 

借入金が期限の利益の喪失をした、2人の経営者の話なのですが、どうも噛み合わない様子です。

 

債務者の環境が全く違いますし、債権者へのアプローチの仕方も違うでしょうから、話が噛み合わなくて当然なのかもしれません。

 

 

期限の利益の喪失後の弁済については、様々な意見があり、弁済額も随分と違うようですが、そんなに複雑なものではありません。

 

債務者や連帯保証人の状況と、弁済交渉において債権者へどの様に説明をするのか、この2点により、弁済額はほぼ決まってくるといえるのです。

 

まず、債務者や連帯保証人の状況についてですが、返済能力がある状況なのかということになります。

 

事業が継続していれば、収益が少なくても、極端な話では赤字であろうとも、返済能力があるという判断をされるでしょう。

 

事業が動いているのなら、お金も動くわけですから、わずかな弁済など出来て当然だという考えです。

 

また、連帯保証人についても、豪華な自宅に住んでいたり、経営する事業が儲かっていたりすると、高額の弁済が可能であるという判断になるでしょう。

 

それに反し、事業が停止していたり廃業をしていたりすると、弁済資力はないということで、弁済金額は低いものになるでしょう。

 

最近は、信用保証協会や日本政策金融公庫などは、廃業していて弁済資力のない債務者については、無理に弁済をさせないという姿勢も見せているのです。

 

ただ、債権者は、出来るだけ多く回収をしようとしますから、最初からこんなメリハリのある話になるのではなく、交渉を得ての結果としての話だということになります。

 

 

 

次に、弁済交渉において債権者へどの様に説明をするかということです。

 

債権者は、債務者との交渉について、次の3点を特にチェックします。

 

  1. 責任を感じて、弁済をしようとしているのか。
  2. 現状において、弁済する能力があるのか。
  3. 今後も、弁済能力を維持し、完済しようとするのか。

 

この3点が、債権者の要求するチェックポイントになりますから、しっかりと対応して債権者を納得させることが出来れば、交渉は成功ということになります。

 

最初の交渉においては、まず、謝意を述べることから始めます。

 

色々と迷惑や心配をかけたことについて、精一杯の謝罪を示す必要があるでしょう。

 

そして、どんなことがあっても完済を目指し、債権者には迷惑を掛けないという意思を伝えてください。

 

これにより、責任を感じて、弁済をしようとしている誠意を感じてもらうことが出来るでしょう。

 

次に、現在の置かれている状況を、真摯に説明をしてください。

 

事業は破綻して廃業となり、生活もままならいという現実を正直に伝えることにより、高い弁済能力を現状において有していないことを理解してもらうのです。

 

そして、今後の展開について説明し、諦めずに事業と人生の再生を目指すことを伝えてください。

 

できれば、大まかな計画でも、具体的に説明することが出来れば、完済をしようという債務者の道義的な責任完遂の意思と、物理的な完済の可能性について理解が得られると思います。

 

これで、債権者の要求する3点のチェックポイントを満たした、債権者の喜ぶ説明をしたということになります。

 

その結果として、今は、弁済能力がないので、しばらくは低い弁済額で納得してもらえる流れとなります。

 

低い弁済額に抑えてもらい、余力を持つことにより、事業と人生の再生は早まり、その結果として完済することも現実味を持つということになるのです。

 

 

 

実際の弁済額としては、様々な専門家が、色々な見地から返済額を紹介されていますが、私の事例では、そんなに高額の弁済額はありませんし、範囲も狭いものになります。

 

ご相談者の事例で、事業が停止もしくは廃業している場合では、10,000円/月を超えるものはありません。

 

5,000円/月~3,000円/月というのが一般的な弁済額で、中には1,000円/月を信用保証協会に弁済されている事例も数件あるほどです。

 

事業が停止もしくは廃業しているというのは、仕事だけではなく生活さえも維持するのが難しいという状況であり、その事実を債権者も十分に認識していますから、そんなに高い弁済額にはならないのです。

 

しかし、事業を継続していれば、話は全く変わってそれなりの弁済を要求されます。

 

私の事例では、最低でも10,000円/月であり、30,000円/月が平均ぐらいになるのでしょうか。

 

また、債権者が担保を抑えている場合は、さらに高額の弁済を要求されるのが珍しくありません。

 

事業に必要な工場・事務所などを担保に持っておれば、完全に債権者が主導権を握るということになるのですから、100,000円を超える弁済額なども見られるようになります。

 

 

 

期限の利益の喪失後の、債権者と債務者の交渉というのは、ある意味『狸の騙し合い』的な面があります。

 

債権者は、出来るだけ多く弁済させようと、様々な方法で迫ってきますし、債務者も、少しでも弁済額を減らそうと説明をします。

 

しかしか、悲しいかな、債権者は金融のプロで交渉の玄人であり、債務者は素人ですから交渉も簡単ではありません。

 

債権者に翻弄されないように、十分な知識と強い意志をもって、前向きに交渉に臨む必要があるのでしょう。

 

 

 

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