事業においては、様々な場面で交渉が必要になります。
多くの場合、その交渉は簡単ではないでしょうし、直接的な利害が絡むと極端に難しくなります。
特に、金融機関や商取引の債権者との交渉には、様々な配慮が必要になり、精神的な負担も増大し経営者にプレッシャーを与えます。
中小企業にとって、経営者の交渉能力が、事業の将来を左右すると言っても過言ではないのかもしれません。
洋画の題名にもなりましたが、ネゴシエーターという言葉を聞かれたことがあるのではないでしょうか。
利害関係人の双方が、納得のいく落とし処を見つけて合意が出来るように交渉をする人物のことをネゴシエーターといいます。
交渉のプロということであり、依頼者になり代わって交渉をまとめてくれるのですが、そんな商売が成立するほど交渉は難しく、その結果は重要だということなのでしょう。
交渉のプロに依頼すれば、精神的な負担も負うことなく、交渉もスムーズに進み良い結果を得られ易くはなるのでしょうが、当然に大きな費用が発生しますから、簡単に依頼をする訳にもいかないのです。
したがって、プロに依頼したいというぐらい難しい交渉も、自らが交渉に臨みまとめなければならないというのが中小企業であり、経営者が負わなければならない責任だということになります。
事業をするにおいて、交渉を必要とする場面は様々に存在しますが、特に、経営者に交渉テクニックが求められるのが金融機関との交渉ではないでしょうか。
その中でも、返済条件の変更などのネガティブな内容についての交渉は更に難しくなります。
『返済を減額してくれなんて、そんなお願いを出来るはずがない・・・』
『金融機関相手に、素人が交渉しても適当にあしらわれるだけ・・・』
『そんな依頼をすれば、信用がなくなり融資を引き揚げられる・・・』
などと、交渉する当事者である経営者が、交渉に臨む前から、この様に思い込んでおられるのが多いのです。
こんな考えで交渉に入れば、それこそ金融機関に適当に扱われ、良い結果が得られるはずもありません。
これが、素人交渉の特徴である『遠慮しすぎ・・・』というパターンになります。
交渉相手である金融機関の考え方や対応が判らないうえに、交渉自体が相手方に対して失礼ではないかという勘違いから、遠慮がてらに交渉をしてしまい、思い描いた結果が得られないということです。
いったい、何のために交渉するのかということなのですが、この様なパターンが多いから、ネゴシエーターの様な仕事が存在するのだともいえます。
経営者全てが、この様な交渉をされるわけではありません。
この『遠慮しすぎ・・・』というパターンとは相反する、両極にあるとでもいえるパターンも散見されるのです。
『遠慮しすぎ・・・』というのは一般的であり、多くの経営者が陥るパターンなのですが、逆に、『遠慮しなさすぎ・・・』という交渉をされる経営者がおられます。
『遠慮しすぎ・・・』パターンと同じく、交渉相手である金融機関の考え方や対応は判らないのですが、交渉の意義や必要性を十分に認識されておられ、遠慮をする余裕など無いというスタンスで交渉に臨まれるのだと思います。
知識がなく、余裕もないから、自分の状況だけを優先し、返済猶予についても当然の権利ごとく依頼し、場合によれば利息の支払い減免までも要請してしまうのです。
返済猶予の意味を理解しておれば赤面してしまうよな要請ですが、本来、中小企業の経営者は、こうあるべきではないでしょうか。
同じ様に、金融機関の考え方や対応が判らないなら、ずうずうしく捉えるべきだと思います。
資金繰りの確保など自分の都合を優先し、交渉の前提となる状況を念頭に置き、最善と思える結果を求めて交渉をすべきなのです。
そういう交渉が出来る経営者であれば、経営危機にもタフな対応が出来るのではないでしょうか。
代位弁済後の信用保証協会との交渉において、毎月1,000円の弁済で了解を取り付けられた 経営者がおられます。
債権譲渡をされたサービサーとの和解において、債権額の1パーセント以下という驚くような低額での和解をされた経営者もおられます。
こんな経営者は、十分な金融機関の知識をお持ちだったわけでもなく、高い交渉スキルがあったわけでもありません。
ただ、事業を守るために、最低限に必要な内容を交渉で主張されただけなのです。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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