事業再生・経営危機打開コンサルタント、この仕事を始めて22年目になりました。
債権債務に絡む業務ですから、日々、勉強しなければならないと覚悟はしていましたが、こんなに大変だとは思っていませんでした。
特に、リーマンショック以降は法律の改正や制度の新設などが続き、新しい知識の習得に追われる毎日です。
記憶することが簡単ではない年齢になり大変ですが、日常のお問い合わせやご相談が、復習として私の知識習得を助けてくれています。
日常の業務は、刺激に溢れています。
事業や経営を確保し維持するため、ご相談に対して知恵を絞り尽くして、常に新しい事例と対応しています。
そんな新しい刺激に、加齢も加わり、仕事が終わるころには心身ともに疲れ果てています。
本来は、時間を作って様々な知識の習得をするべきなのですが、昔の様に頭もリフレッシュしてくれません。
仕方がないので、ズボラをかまして、ビールを飲んで寝てしまうのですが、朝になって起床すると新しい刺激を求めて元気になるという毎日なのです。
そんな毎日が続くと、やはり知識の取得について不安になってしまいますが、上手く補填してくれる方法があります。
それが、ご相談者のお問い合わせやご相談になります。
ご相談者の多くは、それなりの知識や情報を持っておられるので、お打合せをさせていただくこと自体が、私にとっては復習や知識の習得の場となっているのです。
日々、勉強といいますが、私にとっては日常の業務全てが勉強の場だといえます
メールにて、令和2年の民法改正に関して勉強になる興味深いお問い合わせをいただきました。
財産開示手続等に関するお問い合わせなのですが、コロナウイルス流行のタイミングだったせいもあり、具体的な理解が世の中に浸透していないように思います。
参考になる事例ですので、詳細をご紹介させてください。
① 最初のご質問
民事執行法が改正されて、債権者に裁判で支払い命令を勝ち取られた場合、銀行口座を容易に差押されるようになったのでしょうか。
また、民事執行法改正によって「現場」はどんな風に変化しているのでしょうか?
① についてのご回答
最初に、裁判に関することは弁護士さんにご相談をされてください。
私は、コンサルタントとして、金融の面からお答えをさせていただきます。
令和2年4月に民法改正に伴い民事執行法も改正がされました。
その結果、今までは調べようがなかった債務者の預金口座の所在が
㋐ 財産開示手続で、開示を求める
㋑ 第3者からの情報取得手続で調査
この、2つの方法で、強制執行の対象となる預金口座の在処について、法律的根拠を持って調査することが可能になりました。
しかし、だからといって、全ての預金口座があぶり出されて容易に差押えができるわけではないと思います。
財産開示手続をされても、申立て段階において、既に預金口座に資金が残っていなかったり、口座を解約されていたりして差押えの効力を発揮できないかもしれません。
第3者からの情報取得手続により預金口座を調査しても、手続き対象外の金融機関にある預金口座は知られることがありません。
したがって、以前よりは差押も容易になったでしょうが、必ず預金口座か知られて差押される訳ではないのです。
民事執行法改正後、財産開示手続等を活用されている機会が増えているのは間違いありません。
同時に、債務者側も、この点を留意して前向きに対応される方が増えているのではないでしょうか。
② 2つ目のご質問
民事執行法改正に伴い、相手側が支払い命令を勝ち取った場合は口座や財産を差し押さえられる様になった事をYouTubeなどで知りこちらに連絡させて頂きました。
個人事業主なので、事業の支払いなどに使っている口座などを差し押さえられたら支払いが滞り一気にビジネスが回らなくなります。
今回、東京簡易裁判所から特別送達が届き、答弁書を書いて当日の2週間前までに送れとありますが、どうすればいいでしょうか。
② についてのご回答
まず、民事執行法改正により差押ができる様になったわけではなく、差押の対象となる資産の所在を掴むことが容易になったということです。
以前から、債務名義の取得により差押は可能でした。
たしかに、個人事業者として、預金口座を差押えされては致命的だと思います。
対策としては
㋐ 債権者と向かい合い、弁済や和解について妥協点を探る
㋑ 債権者に知られていない預金口座の活用
㋒ 人格を変えて、法人として事業を展開する (できれば法人成りは避ける)
これらの方法により、事業の維持を図る必要があるでしょう。
答弁書は提出されるべきだと思います。
最大限の誠意をもって気持ちを伝えることか大事であり、無理のない支払可能な金額で和解を求められるべきではないでしょうか。
放置し、逃げるというのが、現状では最悪の選択になると思います。
財産開示手続等に関する興味深いお問い合わせ以上になります。
実際の現場における対応ですので、ご参考になると思います。
経営危機の様な有事においては、必ず対策はあるとポジティブに捉え、最善の取組みをされてください。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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