心が折れる不安・・・


異常な緊張に直面すると、その場から逃げ出したくなるものです。

小学校の学芸会では、台本を丸暗記して他人のセリフまで覚えてしまうほど練習をしました。

失敗などするはずもないほどに仕上がっていたのですが、それでも、学芸会の本番直前の異常な緊張から、不安で逃げだしたい衝動に駆られました。

この様な、準備は万全なのに、緊張による不安から逃げ出したくなる衝動は、債権債務処理の場面においても、当たり前の様に経営者に襲い掛かってくるのです。

 

今まで、散々に、打ち合わせを重ねてきました。

経営危機打開のセミプロといっていいほど、十分な知識をお持ちですし、何の心配もないことも理解をされています。

それでも、いざ本番を迎えると、不安になるのです。

頭では解っていても、経験したことのない取り組みを目の前にして、不安にならない方がおかしいのかもしれません。

しかも、取り組みの結果が、今後の人生を大きく左右してしまう可能性が高いのですから、誰でも不安になって当たり前なのでしょう。

この、当たり前の不安を、どう克服して乗り越えるかなのです。

ここで、どれだけ頑張れるかが、大事なのです。

今まで、積み重ねてきたシミュレーション通りに、強い気持ちで前向きに取組めば 明るい未来が待っています。

しかし、この不安に耐えきれなくなり、この場面から逃げ出すことを考えてしまえば、今までの苦労が水の泡となり、守れるべきものも失ってしまうでしょう。

 

こんなことは、誰でも判っておられます。

そんな状況でも、多くの経営者は、逃げずに打開に向けて踏ん張られるのです。

しかし、全ての経営者がそうではありません。

この緊張した状況において、不安が全てに勝ってしまい、気力をコントロールできなくなってしまう経営者も少なくはありません。

持っているはずの情報が消失し 判っているはずの知識が理解できなくなり、不安と正面から取り組むことができなくなってしまうのです。

 

15年ほど前、ある経営者は、リスケジュールさえできれば、事業の維持は問題のない状況でした。

当時は、今ほどリスケジュールが一般的ではなく、取り組みもまだまだ難しいところがありました。

しかし、経営改善ができれば、再生さえも可能な状況だったので、しっかりとリスケジュールを勉強して、前向きに取り組むことにしたのです。

ところが、経営者は、債権者である金融機関に、リスケジュールをお願いすることに大きなプレッシャーを感じ、最後まで克服できずにリスケジュールに取組めなかったのです。

結果として、その経営者は夜逃げの様になりましたが、あの時、リスケジュールへの取組みの不安さえ克服していれば、間違いなく事業は継続できていたでしょうし、再生も夢ではなかったように思います。

 

ある経営者は、収益性の悪化した事業を任意整理することになりました。

仕入先や外注先などの商取引債権者に、全ての支払ができないほどの厳しい経営状況になっていたので、商取引債権者だけを対象とした債権者集会を開催しなければなりません。

100%の支払いはできませんが、30%を少し超える支払はできますので、債権者集会が成功する可能性は十分にあります。

下準備からロールプレイングまで、しっかりと段取りし、後は、案内を発送するだけとなりました。

そんなとき、経営者は、債権者集会の不安に耐えきれなくなり、突然に任意整理を放棄し、破産を選択されたのです。

たしかに、不安になるのは解りますが、まず失敗することのない取り組みだったのです。

破産を選択した結果、債権者への配当は2%弱となり、連鎖的に倒産した業者も複数発生してしまいました。

 

他にも、『法的手続きに着手する・・・』や、『差押する・・・』,『このままでは大変なことになる・・・』、などと債権者に脅され、土壇場で気弱になってしまう事例には事欠きません。

債権者は、債権回収するためならば何でもありですから、言葉でプレッシャーをかけてくることなど当たり前のことです。

そして、経験したことのない環境で、初めての取組みをするのですから、それだけで不安になって当然なのでしょう。

しかし、不安を克服するだけの準備を積み重ねてきたのです。

当たり前の脅しを、いちいち真剣に捉えて考える必要などもありません。

ここは、腹をくくって、目的を達成するために、気合を入れるしかないでしょう。

もう一歩、もう少しだけ耐えて、頑張ってみてください・・・。

 

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