経営危機での納税・・・


納税もできないほどの、厳しい資金繰りになった時、税金をどの様に考えればいいのでしょうか。

国民の義務として、当然に税金は優先的に支払うべきものですが、経営危機を打開する様な厳しい局面において、税金のへの対応を間違えば大変なことになってしまいます。

税金を他の金融債権と同列に捉えて、指導をされる専門家もおられるようですが、資金繰りが厳しい環境においても、この考え方は根本的に間違っていると思います。

税金の意味や、税金のもつ超越した力を理解し、納税者の今後の展開を考えるのならば、税金には、逃げるのではなく真摯に取り組むべきであることが判ります。

 

税の滞納について、ご相談をいただく機会は少なくありません。

その様なご相談をいただいた場合、私は、優先的に支払うべきであると、一貫してご説明をしてきました。

コンサルタントとして弱気なアドバイスの様に思われるかもしれませんが、税金を滞納した場合の恐ろしさを、十分に理解をしているからなのです。

税金の持つ、特殊な力や権限を知っており、多くの現場経験から、優先的に支払うことが、ご相談者のプラスになると判っているからなのです。

当然、国民の義務として、そして納税の権利を持つ国民として、税金を他の金融債権と同列に捉えることの愚かさは言うまでもありません。

しかし、何よりも、ご相談者ご自身のために、優先的に支払うべきなのです。

 

税金は優先的に支払うべきであることを理解するために、まずは、税金の特殊性について理解する必要があります。

税金には、他の債権では考えられないような力が付与されており、代表的なのが自力執行権と質問検査権になります。

自力執行権とは、租税債権について納税義務の不履行があった場合に、租税債権者である国が自ら、滞納処分によって強制的にその履行があったのと同一の効果を実現する権限をいいます。

判り易く表現をすれば、税金に滞納などがあった場合に、裁判所や執行官などの司法機関による履行の強制ではなく、自らが、債務者の資産について差押えなどをして売却によって弁済をさせたり、強制的に取り上げることになります。

質問検査権とは、国税等が所得税に関して調査の必要がある場合、次に掲げる者に質問し、又はその者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができることです。

 1. 納税義務がある者、納税義務があると認められる者、納税申告書等を提出した者等

 2. 法定調書等の提出義務者

 3. 納税義務者等と取引がある者」

納税者の納税義務を適正に実現するために納税者に対して行使できる調査権のことで、納税者はこの質問検査権の行使に対して応える義務があります。

裁判所の力を借りずに、差押などができて回収出来るというのが自力執行権、守秘義務の厳しい世の中において情報開示を強制的に求めることのできるのが質問検査権ということになります。

通常の債権回収では、考えられないような強力な権限であるといえます。

他にも、保証人でもないのに、会社に成り代わって納税を求められる第二次納税義務者という制度があります。

納税義務者に滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に満たないと判断された場合、その納税義務者と一定の関係がある者に対しても納税義務を拡張する制度になります。

そして、ご存じだと思いますが、税金には別除権があり、破産しても滞納について免責を受けることができません。

この様に、税金には、納税のために特殊な権限が様々に付与されており、他の、金融債権などとは、まったく意味が違うということになるのです。

したがって、資金繰りが厳しいからといって、他の金融債権と同列に捉えて対応すると、収拾がつかなくなってしまう可能性が高いといえます。

何よりも、当事者であるご相談者の事を考え、無難な落し処を求めるならば、優先債権という理解のもとに対応すべきだといえるでしょう。

 

最近、税金について考えさせられる場面が増えています。

専門的なコンサルタントとして、ご相談者の事を考えてアドバイスするならば、経営危機場面においても、税金については優先した姿勢を見せるべきだと思います。

もし滞納が発生しても、少しずつでも支払う・・・・

もし滞納が発生しても、増やさず減少をさせる・・・・

納税が厳しくなっても、納税者支援調整官などと相談する・・・

前向きに、納税する姿勢を維持する・・・・

これが、資金繰りが厳しい状況においての、納税に対する姿勢の基本になると思います。

そして、結果として、ご相談者(納税者)が得をするということになるのです。

 

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