借入と保証人・・・



ここ数年で、連帯保証人制度は、根本的に見直され様に思います。

しかし、制度の見直しと、感じる状況に整合性を見出せません。

特に、民間の金融機関の保証人に対する対応の変化が、私の関係においての事例は皆無なのです。

ここ2年ほどの間で、民間の金融機関のプロパー融資において、連帯保証人が不要だったという事例があれば、是非、教えていただきたいと思います。

 

平成26年2月に、『経営者保証に関するガイドライン』が運用開始をされてから、丸4年が経過をしました。

このガイドラインにおいて、融資における連帯保証人の必要性が根本的に見直されたのです。

連帯保証人に関する注目点を簡単にまとめると、以下の3点になります。

  1. 融資において、一定の条件の下で、連帯保証人は不要。

  2. 事業承継者に対して、一定の条件の下で、保証債務の承継を求めない。

  3. 事業が破綻しても、一定の条件の下で、保証人の自宅資産などが維持できる。

今までの、人身御供の様な保証人制度から考えると、画期的に改善を実現する制度であり、我々の期待は半端なものではありませんでした。

ただ、その後の運用を見ると、なかなか納得できるような事例が見当たらないのです。

 

たしかに、事業承継において、保証人の地位の承継を求められない事例は、結構多くの事例が見受けられます。

しかし、その対象となる事業者は、健全な経営を維持して、経営者が保証人になってもリスクを背負わないようなところばかりです。

経営状況に不安のあるような事業者の場合は、今まで同じように、保証債務の承継を求められるのが現実だと思います。

私のお客様は、皆さん経営が厳しい方ばかりなので、事業承継において保証債務を免除された方はほとんどおられません。

当然、民間金融機関の融資において保証人が必要でなかったり、経営破綻したのに保証人の所有する自宅が守れた事例なども皆無なのです。

というより、保証債務承継に関しては、珍しくないほどの事例が見受けられるようになっていますが、融資時に保証人が不要であったり、経営破綻して自宅が守れたという事例については、私共以外においての事例も見受けられません。

私が知らないだけなのかもしれません。

しかし、ある大手地方銀行の幹部と話す機会があり、『経営者保証に関するガイドライン』に関する実例について聞いてみました。

すると、その幹部は、中小企業に対して、保証人なしでの融資など考えられないというのです。

実例としても皆無であり、金融機関としては、与信を補うために保証人は必要不可欠だと言い切りました。

日本政策金融公庫や信用保証協会などの公的な機関においては、保証人を取らないというのが基本姿勢になっています。

しかし、民間の金融機関に言わせれば、公庫や保証協会の保証人不要の姿勢は、民業圧迫だとまでいうのです。

これが、民間金融機関の実体でしょう。

民間の金融機関は、公庫などの公的な機関とは違い、利潤を追求するというのが大命題ですから、債権回収の保全について妥協は出来ないということになります。

経営者や保証人の人権より、損をしないことが大事なのです。

 

結果として、金融機関お得意の面従腹背により、根本的な保証人制度の見直しなど、全くされていないということになります。

『経営者保証に関するガイドライン』が運用されたり、金融庁の要請があっても、結局のところ、債権者である金融機関に寄り添った金融制度は維持されたままなのです。

平成20年に、民法の債権法が全面的に見直され、連帯保証人制度についても大きな見直しが図られます。

ここ数年の保証人制度見直しの、最後の機会となるかもしれません。

どこまで経営者の人権を守ることができるのか、これに期待するしかないのかもしれません。

 

 

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