遅れても、方法はある・・・


取り組みが早ければ、経営不安での対策についての選択肢は広がります。

そのタイミングは、結果についても大きな影響を与えますから、出来るだけ早く検討を始めて取り組まれることが大事なのです。

しかし、対応が遅くなったからといっても、対応策は残っていますから、諦めずに取り組むことも求められます。

債務処理の終盤になって、ようやく具体的な対策をされるような経営者も、実は珍しくありません。

 

期限の利益の喪失をして、信用保証協会の代位弁済もされました。

本来は、債権債務処理も佳境を超え、これからは落ち着いてくる頃になるタイミングです。

ところが、この段階においても、債権者の追及はますます厳しさをまし、困窮されておられる債務者もおられます。

そんな債務者からお問い合わせをいただきましたので、ご紹介をしたいと思います。

 

お問い合わせの内容

金融機関からの借入が期限の利益の喪失をし、信用保証協会が代位弁済をして、この初夏に事業所の不動産と経営者の自宅が競売で処理されました。

無担保となった債権者金融機関の債務は、信用保証協会が約5000万円で、他に信組に3000万円の残債という状況です。

保証人は、経営者と第3者保証人が1人おられ、第3者保証人は直接に信用保証協会と交渉をして、現在は月に3万円の分割弁済をされています。

事業は、建設専門工事業であり、許認可も受けて、官公需を中心とした元請として、今でも事業を維持・継続をしていますが、売上2500万程で、営業利益は僅かな赤字となっています。

こんな収益ですから、債権者金融機関への返済は一切しておられませんが、信用保証協会と信組との3者ミーティングは定期的に開いておられたようです。

そんな直近の3者ミーティングにおいて、信用保証協会と信組から、合わせて6万円を毎月弁済するように要求をされたのです。

弁済をしたいという意思はありますが、とても6万円など弁済できる状況にないので、半額にしてほしいと要望しましたが、対応には厳しいものがあります。

特に、信組は、本部の手前もあって6万円は譲れないので、しばらく頑張ってくれと強硬です。

信組はボイスレコーダーも使用しており、このまま話がまとまらなければ、次は裁判所より支払催促をするとまで言われました。

信用保証協会は、払えないときは仕方がないので、まずはスタートさせましょうという姿勢で、信組に引っ張られているような感じに見えます。

来週、この要求の回答について、個別での面談があってそれぞれで話し合うことになっています。

経営者はまだ40歳代で、事業を諦める考えはなく、強い意志で事業再生を目指しておられます。

とはいっても、現実的に弁済できる資力もありませんし、放置すれば売掛金を差押えされる可能性さえあります。

こんな状況で、信用保証協会や信組との交渉方法など、どのように対応していけばいいでしょうか。

 

この様なお問い合わせをいただいたのですが、返答の難しいお問い合わせだといえます。

状況は、頑張りすぎた結果、債務処理のピークは既に過ぎ、最終処理の局面に入っています。

しかも、ここまでの展開が、意図的なものかどうかは別にして、選択された対応は、最終局面が長引いてしまうパターンだといえるでしょう。

そして、債権者金融機関の意向が、強く反映してしまう選択になっているということです。

自宅などの不動産が、任意売却ではなく競売で処理されたということは、具体的な債務処理についての対策を実施されず、ただ、事業を維持するためだけに取り組まれたのではないでしょうか。

したがって、このパターンは、債権者の金融機関に思うが儘の処理をされてしまうことが多く、本来は避けるべきパターンであり、事業の維持を優先するのであれば、任意整理などの他の方法を選択すべきだったろうといえます。

この段階において、この事実を振り返っても仕方がないのかもしれませんが、今後の対応を選択するにおいては、このことを前提に取り組まなければなりません。

いただいた内容からすると、信用組合が主体的に債権回収に取り組み、信用保証協会は引きずられているようなイメージを受けます。

信用保証協会は、ここ3年ほどで債権回収の姿勢を大きく転換させ、環境や弁済能力に配慮した対応をするようになっていますから、弁済資力があれば厳しい対応を取り続けますが、債務者に悪意がなければ、無茶なことは言わなくなっています。

信用金庫や信用組合などといった小規模の金融機関は、期限の利益の喪失後の不良債権について、最終の損金処理をするまで随分と時間をかけるものですし、いつまでも実施しない事例さえ見受けられます。

また、期限の利益の喪失後であろうとも、毎月の弁済を要求しますし、事業の継続をしているような状況であれば、その要求額は大きな金額になる可能性もあるでしょう。

したがって、ここまで進んでしまった場合の、今後の可能性のある取り組みはとしては・・・

1. 信用組合に対して主体的に交渉をする

まずは謝罪と完済の意思を伝えて誠意を示し、現在の厳しい経営状況を理解してもらいます。 現実的には、営業利益段階での赤字ですから、、財務の理屈からすると弁済資力はマイナスとなり、弁済能力はないという事実を伝えるしかありません。 信組は、当然にこの事実を理解していますし、ある意味、倒産した方が処理しやすいということもありますが、強く主張し、弁済能力の範囲で交渉をしてください。

2. 事業を別形態に移行する。

このままでは金融機関に翻弄され続けることになりますから、別形態での事業展開がベストな方法となります。 たしかに、官公需における許認可は簡単に移行できませんが、時間を掛ければ不可能ではないと思います。 また、M&Aにより同業者に吸収してもらったり、事業分割をするという方法もあります。時間や費用は掛かりますが、長期的に考えれば十分に選択肢になると思います。

3. 廃業をする

現状の最大の不安は、売掛金を差押えされ、資金繰りが破綻するということだろうと思います。表現を変えれば、売掛金がなければ差押えされることはなくなり、不安も無くなるということになります。 しかも、収益性を考えれば、無理して事業を維持する価値について疑問であり、他で勤務されたほうが所得は多くになる可能性もあるでしょう。 この場合、勤務先を債権者金融機関に教えることは当然にありませんから、ない袖は振れない状況になっているということになります。

今後の対応策としては、以上の3パターンに集約されると思います。

事業の価値にウエイトを置いて認識され、十分に検討して選択をされるべきでしょう。

もっと早い段階であれば、様々な効果的な方法が存在していたと思いますが、ここまでくると選択肢は限られてしまいます。

逆に、この段階でも、選択すべき方法はあるということにもなります。

 

  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,

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