ストーリーを完成させる・・・


 

嘘をついて言い訳をするとき、その場限りの話をすれば、すぐにバレてしまうでしょう。

断片的な言い訳をすれば、必ずつじつまが合わなくなり、疑問を持たれて更に追及されれば、ますます深みに嵌まる様な次の嘘をつくことになってしまいます。

結果、何を言っても信用してもらえなくなり、いずれは身動きが取れなくなってしまうのではないでしょうか。

全体を見渡したストーリーがないから、こんな事になってしまうのだと思います。

戦いをするとき、作戦が必要なのは異論のないことだと思います。

戦いに勝つために、敵の動きを予測し、その動きの先を読んで対応できるように作戦を立てなければなりません。

これは、経営危機を打開する様々な場面でも同じことであり、常に頭に入れおかなければならないことです。

経営危機においては、目的を達成するための動きについて作戦を立てるのですが、我々は、この作戦を立てることを『物語を作成する』と言っています。

 

たとえば、金融機関と返済猶予の交渉をすることを考えてみてください。

こちらは、資金繰りを確保するために返済猶予が必要ですが、債権者である金融機関は当然に返済猶予をさせたくないという、相反する立場で交渉は始まります。

したがって、金融機関に返済猶予を納得させるための作戦、いわゆる物語が必要になってくるのです。

  ・・・このまま放置すれば、資金繰りが破綻してしまう。

  ・・・経営改善に取り組むが、リストラ等により半年ぐらいは資金繰りは厳しい状況にある。

  ・・・新規取り組みは順調であり、8ヶ月先頃からは、業績が劇的に回復をすると思われる。

  ・・・元金の返済を、1年間に亘り100%棚上げしてもらえれば、資金繰りは確保できる。

  ・・・1年後には、経営が改善して正常に返済できるようになる。

  ・・・そのために、1年間は、返済猶予が必要である。

この流れに基づいて、具体的にストーリーを構築して物語にしていくのです。

金融機関に対して、精一杯の誠意を尽くし,返済猶予をした方が『得』である事実を伝え、同時に、1年後には正常返済に戻せるという安心を示すことにより、金融機関は危惧する要素がなくなり、前向きに取り組んでくれるようになるでしょう。

当然、交渉においては、様々な段階で、具体的な厳しい質問が発せられるでしょうが、全てを織り込んだ物語にしていますから、返答に窮することなどありません。

しかも、全体を見渡した物語ですから、どこを質問されても、整合性のとれた返答をすることが出来るのです。

目的を達成するまでの取り組みや交渉過程を、物語にして捉え考えることにより全方位の対応が可能になり、想像していなかった質問や対応があっても、物語として考えれば、おのずと違和感のない答えが導き出されます。

 

この様な物語化は、立派な作戦であり、経営危機場面での行動においては不可欠となります。

金融機関との返済猶予交渉は当然のこと、新規融資の場面においても、物語を完成させておけば効果を発揮します。

資産の保全に関することや第二会社関連,さらには経営改善への取り組みにおいても、対応や流れを物語にしておくのは効果的です。

期限の利益の喪失後の金融機関との交渉や信用保証協会の代位弁済に絡む交渉,債権譲渡されたサービサーとの交渉などにおいては、物語化は必要不可欠なのです。

誠意を示し、状況を正確かつ具体的に説明し、だから・・・という流れが、交渉相手を安心させ前向きにさせることができ、それを筋書きのある物語にしておくことで、交渉を主体的に進めて効果的な成果が期待できる様になります。

事前の物語化により、安心して交渉に臨めるようになりますから、是非、試してみてください。

 

 

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