破産と、事業継続・・・


事業継続の可否は、経営者の考え方次第ではないでしょうか。

どんなに厳しい経営状況でも、経営者が事業を継続しようとするならば、何らかの方法は存在するものです。

まだまだ、事業継続が可能な状況であっても、経営者が事業継続を諦めてしまえば、破産をすることになるでしょう。

事業継続と破産は、経営者の紙一重の選択により決まってしまうのかもしれません。

 

この仕事をしていると、破産の必要性について考えさせられることは少なくありません。

『破産は必要ない。』というのが、我々の主張するコンサルティングポリシーであり、実際にアドバイスをさせていただいてきた内容です。

多くのご相談者は、その方向で取組んでいただき、随分とご苦労をされながら、事業の継続を成功されている方がほとんどです。

今までと、事業の形態が変わった方も少なくありませんが、しっかりと事業は継続をされておられます。

その結果、経営者として、人としての誇りは守れたことになります。

何よりも、事業を守り、関係する従業員や取引先等の社会的弱者の生活を守り、そして経営者自身の人生も守れたのです。

色々と考えることもあるかもしれませんが、破産を回避し、事業を守れたのですから、結果として、これで良かったのだと思います。

ただ、破産をお勧めした方が良いのでは・・・と、考えたことも少なくありません。

 

経営者が、破産を選択しようという根拠は、以下の様になるのではないでしょうか。

  1. 事業の継続が難しい状況になり、今後の選択肢として破産以外の方法を知らない。

  2. 資金破綻に陥った状況で、債権者との対応方法が判らず怖い。

  3. 実質、倒産状況で、これからどうなるのか判らず、この不安から逃げ出したい。

未体験の状況に置かれ、これからの展開が判らず、様々な不安に押しつぶされそうになる状況において、やむなく破産を選択されるのでしょう。

この状況を打開する方法として、唯一の選択肢であろう破産を、選択されることになると思います。

たしかに、破産を選択することにより、経営者は不安から解放されて精神的に随分と楽になれるでしょう。

長年に亘りまとわりつき、絡みついて離れなかった不安から逃れることが出来て、人としての気持ちを取り戻すことが出来るようになります。

破産は、人としての経営者を守ってくれる、最終の選択肢だということになるのです。

 

破産をした方が、人として楽になれるのであれば、事業継続に固執して頑張るよりも、最初から破産を選択した方がいいのではないでしょうか。

無理して事業を継続しても、儲かるという保証などはありません。

事業を継続することにより、今よりも、もっと苦労をするかもしれず、そんな、不確定な要素を抱えた事業継続のため頑張る必要など無い様にも思います。

しかし、経営者には、背負い続けなければならない責任があります。

従業員や取引先など、関係する者の想いを背負っており、彼らの人生に対して責任があるから頑張るのです。

現実的に、破産をした方が楽なのは判っていても、経営者のプライドにかけて、最優先の責任を果たすために事業の継続に執着し頑張ろうとするのでしょう。

その結果、人としての、経営者としての、誇りも人生も生活も守れる様になるのは、頑張ったのですから当然です。

 

破産は、いつでも出来るのです。

破産以外にも、選択肢は様々に存在するのですから、本当に破産が必要なのか納得するまで考えてください。

大事なのは、経営者としての責任の果たし方と、経営者の今後の人生の確保ではないでしょうか。

 

 

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