今は、売上より利益・・・


 

なぜか、儲かりません。

コロナの行動制限の解除等が実施され、人の流れは確実に戻りつつあるのに、どうなっているのでしょうか・・・。

経営者の感覚としては悪くないのですが、業績としての結果の数字が、あまりにも違いすぎているのです。

十分な経験と実績をもつ経営者の、その感覚さえも大きく狂わせてしまう、何かが起こっているのでしょうか・・・。

 

 

確実に、経営環境は回復をしているようです。

行動制限が撤廃以降、インバウンドの復活をはじめ、人の流れは戻りつつあります。

それに合わせて、中小事業者の売上も随分と伸び、コロナ前に近づいているのではないでしょうか。

売上は、確実に回復をしています。

ところが、中小事業者からは、儲かっていないとの声を聴くことが少なくありません。

当然、売上回復に伴い、利益を取り戻し、儲かっている中小事業者も少なくはありません。

中には、コロナ以前よりも利益の多い事業者もありますが、その傾向は、業種によって分かれているようです。

サービス業などは、随分と業績を回復し、大きな利益を上げている事業者も珍しくなくなりました。

ところが、製造業などは、売上の回復に関係なく、利益ベースにおいて業績は非常に厳しくなっています。

飲食業なども、売上は確実に回復しつつあるものの、利益までも回復しているとはいえないでしょう。

小売業者なども、光熱費など経費の高騰で、利益が侵食されている事例が少なくありません。

コロナ以降、儲かっている会社と、儲かっていない会社、この両極化の理由は原材料費にあるといえます。

ご存じの様に、事業者が利益を確保するのが困難になるほど、原材料費は高騰を続けています。

メーカーや大手事業者は、原材料費アップに伴い、利益を確保するために売価を値上げし、消費者物価が驚くほどに上昇を続けています。

事業者として、最低限の利益を確保するには、当然に取り組むべき対応であることは間違いないでしょう。

メーカーや元請けなどの大手事業者は、先に利益を確保できますから、原材料費が高騰を続けても対応は可能ですが、中小事業者は、大手ほど簡単に価格に転嫁することはできません。

特に、製造業でメーカーの下請けなどは、価格決定権を発注者に握られていますから、原材料費が高騰しても受注単価は上がりません。

メーカーの大手一次下請けなどは、まだ何とかなるかもしれませんが、大変なのはそれ以下の中小事業者になります。

二次下請け以下は、ほぼ価格転嫁などはできず、差損を自分で被らなければならないのが現実なのです。

原材料は高騰しているのに、受注単価は上がらずに、結果、利益は喪失・・・それでも受注は継続・・・経営維持のために、地獄の自転車操業、これが実態ではないでしょうか。


これだけ厳しい経営環境なのに、政府は原材料高について、責任回避の建前論を展開するだけで、具体的な施策を実施しようとはしません。

本来であれば、大手やメーカーなどに対して、原材料高に伴う価格の改定について、具体的な指導をすべきなのです。

しかし、これだけ大変な環境なのに、政府が何もしないのは、他に、より優先すべき施策が存在するからになります。

アベノミクスの延長線上の話になりますが、これだけ物価高騰が叫ばれながら、未だに根本的なデフレ脱却は実現されません。

それは、長年に亘り、デフレに浸りきっている賃金の停滞が、何ら改善されないからになります。

本当にデフレを脱却しようとすれば、今、消費を起こすための賃金のアップが、何よりも大事なテーマだといえるからです。

したがって、政府としては、賃金アップを実現して、デフレ脱却を現実化するための施策を優先させているのでしょう。

本来は、メーカーや大手事業者に、原材料高対応や、下請などの取引対応について厳しく指導し、具体的な施策も用意すべき環境であることは間違いありません。

しかし、財務的負担の大きい2つの施策を、両方同時に実行するだけの体力がメーカーにはないという判断なのではないでしょうか。


経営環境は、ますます厳しくなろうとしています。

リーマンショック並の不況、いや、それ以上の世界的不況に突入するともいわれています。

このまま、手をこまねいていては大変なことになってしまいます。

政府が効果的な政策を用意してくれないのですから、自ら知恵を絞って対応するしかないのです。

事業者として、売上の確保は大事ですが、この環境では、まずは利益の確保です。

利益にウエイトを置いた経営を、しっかりと展開することを心掛けてください。

売上に、惑わされてはいけません・・・。

 

 

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